「ほうれい線」が片側だけ深くなるのはなぜ? 改善のために生活で気をつけることを医師が解説

ほうれい線は多くの人が気にする悩みの一つですが、「なんだか片側だけ深い気がする…」と感じることはありませんか? これはどんな原因によるものなのでしょうか? そこで、ほうれい線の左右差をなくす方法やほうれい線を改善する方法などについて、医師の塚尾祐貴子先生(SNOW MEDICAL CLINIC院長)に解説してもらいました。
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監修医師:
塚尾 祐貴子(SNOW MEDICAL CLNIC)
ほうれい線はなぜ深くなるの?

編集部
ほうれい線が深くなる原因は何なのでしょうか?
塚尾先生
ほうれい線が深くなるのは、年齢とともに肌のハリが失われてしまうからです。加齢に伴い、肌の中にあるコラーゲンやエラスチンが減少し、どうしてもたるみやすくなるのです。あとは、意図せずに浴びてしまう紫外線ダメージも大敵ですし、普段の姿勢や表情のクセなども関係してきます。
編集部
ほうれい線がこれ以上深くならないようにするために、自分でできることはありますか?
塚尾先生
もちろんあります。まず、基本にしてとても大切なことですが、毎日の保湿と紫外線対策は、ぜひ習慣にしてください。それに加えて、顔の筋肉を意識して動かすエクササイズを取り入れるのも、とてもよいと思います。また、タバコを吸わない、ストレスを上手に発散するといったことも、肌にとってはすごく大事なポイントです。
編集部
「片側だけほうれい線が深い」という悩みもよく聞きますが、これはなぜですか?
塚尾先生
これにはいくつか理由があります。たとえば、いつも同じ側で笑ったり、片方ばかりで食べ物を噛んだりするクセがあると、顔の筋肉の使われ方に差が出てしまうのです。もともとの骨格の違いも影響しますし、寝るときにいつも同じ側を下にしていたり、無意識に片側だけで頬杖をついていたりすると、どうしても片方だけ深くなりがちです。
編集部
ほうれい線の左右差は改善できるのですか?
塚尾先生
左右のバランスを整えるには、まず顔全体の筋肉を「均等に使うぞ!」と意識してみることが第一歩です。筋肉の使い方のクセくらいであれば、数週間意識するだけでも変わってくることがあります。ただ、骨格そのものの歪みとなると、セルフケアだけで治すのは少し難しい場合もあるということは知っておいてください。
編集部
ほかに、ほうれい線に対して日常生活で気をつけた方がよいことはありますか?
塚尾先生
日常生活の中で少しだけ意識してほしいポイントがあります。それはデスクワーク中の姿勢もそうですし、寝るときの向きなど、体の使い方の左右差を均等にすることです。「いつもショルダーバッグは右肩だな」「荷物は右手で持つことが多いな」など、体の使い方の左右差に気づいて、時々逆にしてみるのも、じつは大事です。
ほうれい線を早く確実になくすには!? 医師が解説

編集部
ほうれい線を改善するために、ほかにどのような方法がありますか?
塚尾先生
セルフケアを頑張るのももちろん素晴らしいことです。それよりも「もっと早く効果を実感したい」という人は、自費診療となりますが、美容医療の力を借りるのも一つの方法です。代表的なものだと、ヒアルロン酸注入があります。
編集部
どんな治療なのか教えてください。
塚尾先生
ヒアルロン酸注入は、その名の通り、肌のハリのもとになるヒアルロン酸を、気になる部分に直接届ける治療です。水分をたっぷり抱え込む性質があるので、ほうれい線の溝を内側からふっくらと持ち上げて、目立たなくしてくれます。最近は、少し違うアプローチも人気で、ほうれい線そのものに注入するのではなく、頬の高い位置やこけてしまった部分に注入して、顔全体をきゅっとリフトアップさせる方法もあります。これだと、すごく自然にほうれい線が目立ちにくくなりますし、顔全体の印象も若々しくなります。細かい左右差をmm単位で調整できるのも、ヒアルロン酸注入のよいところです。
ほうれい線治療の注意点や治療後のケアも知りたい

編集部
治療の際、注意点などはありますか?
塚尾先生
大切なことなのですが、ほうれい線治療は、しわを「ゼロにする」魔法ではありません。あくまで「目立たなくして、若々しい印象にする」のがゴールです。ほうれい線が全くないと、かえって宇宙人のような(※イメージとして)不自然な顔になってしまうこともあるので(笑)。あくまでナチュラルな仕上がりを目指すのが一番だと思います。また、どんな治療にもリスクはありますので、カウンセリングのときに合併症のリスクについても、遠慮せずにしっかり聞いてもらえればと思います。
編集部
ほうれい線治療の効果は、どれくらい続くのでしょうか?
塚尾先生
治療方法によって異なったり、また個人差もあったりするかと思います。たとえばヒアルロン酸注入の場合、効果は使用する製剤にもよりますが、約6カ月〜2年程度と言われています。また、もともとの骨格や筋肉の付き方により、左右差を完全になくすことは難しいことや治療で左右差を整えても、生活習慣によって戻ってしまう可能性があることも理解しておきましょう。
編集部
治療後のケアはどうすればよいですか?
塚尾先生
治療が終わったあとも、少しだけ気をつけてほしいことがあります。治療した場所はデリケートになっているので、こすったり、強く押したりしないようにしてください。もちろん、紫外線対策と保湿も続けてください。アフターケアをしっかりしてもらうことで、効果も長持ちすることが期待できます。
編集部
最後に、メディカルドック読者へのメッセージをお願いします。
塚尾先生
「なんだか急に老けたように見えてきたかも……」「左右の差がメイクで隠しきれない……」。そう感じているなら、それはきっと気のせいではありません。多くの人が同じように悩んでいます。一人で悩まずに、ぜひ一度、美容皮膚科に相談してみてください。話を聞くだけでも、きっと心が軽くなると思います。ほうれい線のケアは、顔全体の印象を明るくする、本当に大きな一歩になるはずです。
編集部まとめ
ほうれい線は、日常的なケアや生活習慣、姿勢の見直しなどで、目立たなくすることが期待できるのだそうですが、早く確実な効果を望む場合は、美容医療も有用です。ほうれい線や、その左右差に悩む人は、一度医療機関に相談してみてはいかがでしょうか。
医院情報

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| アクセス | 都営浅草線「三田」駅(A3出口)より徒歩2分 JR「田町」駅(三田口[西口])より徒歩5分 |
| 診療科目 | 美容皮膚科 |




