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【闘病】結婚式目前に発覚した「乳がん」 ステージ4、骨・肺・脳への多発転移(2/2ページ)

 更新日:2025/12/01

がんであっても、がんではなくても、自分の人生を思い切り楽しんでほしい

がんであっても、がんではなくても、自分の人生を思い切り楽しんでほしい

抗がん剤治療を終え髪の毛が生え始め、夫婦の共通の趣味でもある野球観戦へ

編集部編集部

現在の体調や生活などの様子について教えてください。

嘉藤美波さん嘉藤さん

昨年、再発、骨・肺・脳への多発転移が判明しました(ステージ4)。幸い、脳転移はガンマナイフで治療できました。現在はパクリタキセルとアバスチンを組み合わせた抗がん剤治療を毎週受けています。現時点で3クール(計9回)の投与が終わりました。若干の末端神経障害や咳、喉の粘膜炎症といった副作用はありますが、日常生活を送ることはできています。感染症に注意しながら、今の自分にできる範囲のことを心がけ、治療に専念しています。抗がん剤治療には終わりが見えない状況ですが、治療が続けられるように体力をつけることや、基本的なことですが規則正しい生活を意識して過ごしています。

編集部編集部

医療従事者に望むことはありますか?

嘉藤美波さん嘉藤さん

今通院している病院の主治医や看護師さん、事務員さんには本当に感謝しています。病院ではどうしても病気の話が中心になりがちですが、主治医とはプライベートな話や病気以外の話もでき、遠慮なく聞きたいことを聞ける環境がとてもありがたいと感じています。日々多くの患者さんと接する中で、1人に時間を割くことは現実的に難しいかもしれません。それでも、短い時間でも体と体で向き合い、話を聞いてくれるだけで「治療を頑張ろう」と思える患者さんもいるのではないかと思います。

編集部編集部

最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

嘉藤美波さん嘉藤さん

私やこの記事を読んでくださっているあなたが、がんになったことは誰のせいでもありません。そして、無理をして頑張っている人は、頑張る必要もないのです。長く続く治療の先には、きっと明るい未来が待っていると信じています。どんな状況であっても、通院や検査の日には不安や心配がつきまとうもの。がんと告知された日から、多かれ少なかれ孤独感を抱えた経験があるはずです。治療中は感情がジェットコースターのように揺れ動き、それでも治療を続けなければならない日々が続きます。だからこそ、もっと自分に優しくなって、時には自分を甘やかしてもいいと思います。立ち止まることも大切な時間です。私自身も治療中の今でも日々学び続けています。

編集部編集部

嘉藤さんの言葉に勇気づけられる人もたくさんいると思います。

嘉藤美波さん嘉藤さん

がんであっても、がんではなくても、自分の人生を思い切り楽しんでほしいですね。治療中は副作用の影響や思うように体が動かないことも多く、気持ちがマイナスに傾いてしまいがちですが、がんが人生の中心にならないようにすることが大事です。むしろ、それをできるだけ枠の外に置いて、自分がワクワクすることや、少し先の楽しみ、目標を見つけて、がんの優先順位を下げるように心がけながら、一緒に治療を乗り越えていきましょう。もし元気がなくなったら、ぜひ私のインスタグラムを覗いてみてください(プロフィール参照)。笑顔とパワーをお届けしています。あなたも私も、最高で最強です。きっと大丈夫。ツイテルツイテル。

編集部まとめ

嘉藤さんは、病気との闘いを通じて感じた葛藤や不安、治療中の困難を率直に語りつつも、前向きなメッセージを伝えています。がんという状況の中でも、自分らしく生きることや、自然や家族との時間、そして小さな楽しみを見つけることの大切さを強調されています。彼女の「がんを人生の中心にしない」という言葉は、多くの患者さんにとってなんらかの気づきになるのではないでしょうか。

 

なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

この記事の監修医師