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【闘病】風邪だと思っていたダルさが「白血病」だった… 『兄姉の死』と自身で分れた明暗

 公開日:2025/03/02
【闘病】風邪の症状だと思っていたのが「白血病」だったとは… 食欲不振も続いていた

慢性骨髄性白血病は、血液をつくる「骨髄(こつずい)」で異常が起こり、白血球が必要以上に増えてしまう病気です。進行すると体重減少や微熱、寝汗など色んな症状が表れますが、初期のうちは症状がほとんどないことが多く、だるさや風邪のような体調不良が長期間続きます。そんな慢性骨髄性白血病と闘い続けてきた、ちえさん(仮称)にこれまでに体験してきたことについての話を聞きました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年10月取材。

ちえさん

体験者プロフィール
ちえさん(仮称)

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神奈川県横浜市在住の1972年生まれ。1児の母で、診断時は専業主婦だった。2012年10月に「慢性骨髄性白血病」が発覚した。現在は定期的な血液検査を行っており、普通の生活を送ることができている。

身体がだるいと思ったら、慢性骨髄性白血病だった

身体がだるいと思ったら、慢性骨髄性白血病だった

編集部編集部

慢性骨髄性白血病が判明した経緯について教えてください。

ちえさんちえさん

私には慢性骨髄性白血病とは別に持病があり、定期的に血液検査を受けていました。すると、ある日お世話になっている主治医の先生から電話があり「白血球の数値に異常が見られるので、すぐに病院に行ってください」と言われ、病院で検査を受けたところ、のちに慢性骨髄性白血病だと分かりました。

編集部編集部

はじめにカラダに起きた異変、初期症状はどのようなものでしたか?

ちえさんちえさん

振り返ってみると、慢性骨髄性白血病だと判明する半年くらい前から風邪のような症状やだるさ、食欲がない状態が続いていましたね。まさかそれが白血病の症状だなんて、思いもしませんでした。

編集部編集部

慢性骨髄性白血病が判明したときの心境について教えてください。

ちえさんちえさん

「この謎のだるさは病気だったのか」と、納得しました。そして白血病の治療薬を使うと子どもができにくくなると知り、「もう子どもは産めないのかな?」と悲しくなりました。「なんでこんなに辛いことばかり起こるんだろう?」と落ち込みましたね。

編集部編集部

どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?

ちえさんちえさん

「まずは白血病の薬であるスプリセルを投与しましょう」と説明を受けました。しかし、私の胸に水が溜まってしまったので、スプリセルは途中で休薬することになりました。薬が効き、この時点でほとんど良くなっていて、それからは定期的に血液検査を受けるだけで、その後は投薬をしていません。

慢性骨髄性白血病を発症してから

慢性骨髄性白血病を発症してから

編集部編集部

慢性骨髄性白血病発症後、生活にどのような変化がありましたか?

ちえさんちえさん

ありがたいことに白血病を発症してからも、生活に大きな変化はありませんでした。風邪などを引かないように、気を付けていることくらいです。薬の副作用や合併症なども、とくにありませんでした。

編集部編集部

症状の改善、悪化を予防するために気をつけていることはありますか?

ちえさんちえさん

野菜中心の食事をして、暴飲暴食を避けるようになりました。あとは規則的な生活を送るようにしたり、軽い運動をしたり、健康的な生活を意識にするようにしています。

編集部編集部

治療中の心の支えはなんでしたか?

ちえさんちえさん

やはり娘の存在ですね。白血病と判明した当時、娘はまだ4歳でした。「小さいこの子を残して死ねない」という気持ちでした。小さいながらも何か異変を感じていて、一生懸命私の役に立とうとしてくれていました。娘に対して申し訳ない気持ちと「ぜったいに生きなくては」という強い想いを抱きました。

編集部編集部

もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか?

ちえさんちえさん

「身体がずっとだるいのは普通じゃないから、早く病院に行って」と言いたいです。謎のだるさが、まさか白血病から来ているのだなんて思っていなかったので。

誰にでも「思ってもいなかった病気」になる可能性がある

誰にでも「思ってもいなかった病気」になる可能性がある

編集部編集部

現在の体調や生活などの様子について教えてください。

ちえさんちえさん

今はすっかりよくなっていて、元気に過ごせています。日常生活で困っていることも特にないですね。

編集部編集部

慢性骨髄性白血病を意識していない人に一言お願いします。

ちえさんちえさん

白血病を身近に感じない方は多いと思いますが、「思ってもいなかった病気になることは誰にでもあるから、普段から気を付けて」と言いたいですね。私も自分が白血病になるとは思っていませんでした。自分の身体の変化を見逃さないようにしてほしいです。

編集部編集部

最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

ちえさんちえさん

私の兄も姉も、病院が怖くてずっと受診していませんでした。それが原因にもなって、早くに亡くなってしまいました。一方、私は何かあるとすぐに病院に行くようにしています。そして、それが今回助かった理由な気がしています。健康診断は本当に面倒くさいと感じるかもしれませんが、あとで後悔しないよう、定期的に受けてください。病院へも行くようにしてください。今はがんなどの重い病気でも、早期発見なら助かる可能性も高い時代ですから。

編集部まとめ

「病気は誰にでも訪れる。だからこそ身体に異変を感じたら、すぐに病院へ行ってほしい」とちえさんは力強く語ってくれました。この記事を読んでいるあなたも、体調に異変を感じたなら、できるだけ早く医療機関を受診することをお勧めします。ちえんさんのように、早期発見があなたの命を守ることになるかもしれません。

なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

今村 英利

記事監修医師
今村 英利(ネムクリニック下井草院)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

この記事の監修医師

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