「大腸がん」のリスクとなるポリープ・腫瘍の見つけ方はご存じですか? 早期発見の重要性も医師が解説!
「大腸ポリープ」は早期に発見して、小さいうちに切除することが重要です。では、一体なぜ早期発見と早期の切除が必要なのでしょうか。また、大腸ポリープは放置したら自然に治ることがあるのかも気になるところです。今回は、大腸ポリープの症状や切除した方がいい理由、検査方法などについて、「消化器と診断・治療内視鏡クリニック」の菊池先生に解説していただきました。
監修医師:
菊池 大輔(消化器と診断・治療内視鏡クリニック)
大腸ポリープの症状
編集部
まず、大腸ポリープについて教えてください。
菊池先生
大腸ポリープは、大腸の内壁に発生する異常な組織の塊の総称です。通常は良性(非がん性)ですが、特定のタイプのポリープはがんに進行する可能性があります。
編集部
ポリープができる原因はなんですか?
菊池先生
ポリープのタイプにもよりますが、明確な原因や要因は判明していません。しかし、加齢(50歳以上)や食生活、喫煙や過度の飲酒、肥満や運動不足などがリスク要因として挙げられています。また、遺伝的要因も関係していると言われています。
編集部
大腸ポリープの症状はありますか?
菊池先生
症状のないポリープがほとんどです。特に初期の大腸ポリープは無症状ですが、大きくなると血便や便潜血、腹痛や便秘・下痢などの症状を引き起こすことがあります。症状がないので、人間ドックなどの検査で発見されるケースが多いですね。
ポリープの早期発見に不可欠な「大腸カメラ」
編集部
大腸ポリープはどのように見つけるのでしょうか?
菊池先生
「大腸内視鏡検査」、いわゆる「大腸カメラ」ですね。スコープで大腸の内腔を観察する検査で発見できます。
編集部
ポリープが見つかった場合、どのような対応をするのですか?
菊池先生
医師の判断により、その場で切除することが多いですね。大腸カメラは検査でありながら、見つかったポリープや腫瘍をその場で切除することもできます。
編集部
その場で切除できるのですね。
菊池先生
多くの場合は、検査中に切除することが可能です。ただし、「大きい」「数が多い」「浸潤している」などの理由で、後日改めて切除するケースもあります。
大腸の腫瘍は小さいうちに切除した方がいい理由
編集部
良性か悪性かわからなくても、その場で切除するのですか?
菊池先生
そうですね。やや専門的な話になりますが、ポリープと腫瘍は少し異なっており、消化器の医師としては、腫瘍かどうかが最も大事です。腫瘍は、小さくても良性であっても、放っておくとその後にがん化する可能性があるため、小さいうちに切除します。リンパ節転移のリスクがあるケースなどは外科的手術が必要になってしまいますが、そうでなければ内視鏡検査の段階で早期に切除することが多いですね。
編集部
大腸の腫瘍を放置していて、自然に治ることはありますか?
菊池先生
ありません。逆に、がん化する可能性があります。がんになってしまうとリンパ節や周りの臓器に転移してしまう可能性もあるので、そうなる前に発見して切除することが重要です。
編集部
切除する際、痛みはありますか?
菊池先生
検査器具を腫瘍に近づける際に痛みが出る人もいますが、切除の痛みは感じません。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
菊池先生
40~45歳で一度も大腸カメラを受けたことのない人は、ぜひ検査を受けてください。検査で異常が見つからなければ、次回の検査まで2年ほど間隔を空けることができますし、もし検査でポリープや腫瘍が見つかった場合は、早期に切除することで大腸がんのリスクを大幅に減らすことができます。また、切除後も定期的な検査を続けることで、新たな異常も早期に発見して、迅速に対処することが可能です。大腸がんには初期症状がないため、検査を受けるかどうかが早期発見のポイントであることを覚えておきましょう。
編集部まとめ
大腸カメラを初めて受けるとき、不安に思うかもしれませんが、大腸がんの予防や早期発見のためには非常に重要な検査です。特に40~45歳以上で一度も検査を受けたことがなければ、まずはお近くの医療機関で内視鏡検査を受けてみてはいかがでしょうか。
医院情報
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診療科目 | 消化器内科、内科 |