【闘病】「乳がん」 2度目の手術は取り残しだったのか? 全摘を希望していたのに…(2/2ページ)

身近な人に自分の病気を伝え、理解してもらうことで助けてもらいやすくなる

編集部
猪狩さんが病気と闘っていくうえで、大事だと思うことは何でしょうか?
猪狩さん
私の罹患した乳がんは、若い方でも発症する可能性は十分にあります。しかし、この病気は実際になった人にしか苦しみや大変さが分からず、健康な人にとっては理解しにくいものだと思います。だからこそ、すべての人に理解してもらおうとするのはむずかしいとしても、身近な人に自分の体験を語っていくことが大切です。現に私と同じ病気に罹患した友達がおり、相談やアドバイスをしたこともあり、私の経験が役に立ったと感じています。
編集部
医療従事者の方に伝えたいこと、期待することはありますか?
猪狩さん
医療とは大変な仕事だと思います。昼夜を問わず働く医師に対して、食事や睡眠の時間も削って患者のために働いており、入院中の私も気をかけるほどで、尊敬と感謝の気持ちしかありませんでした。ただ、こちらも生身の人間で、精神的に弱っています。患者に向けての言葉遣い1つとっても、気を付けていただけると救われる人も多いはずです。また、看護師の方も待合室で、大声で病状を言うのは避けてほしいです。周りへの配慮、対等な立場に立ってくれる医師・看護師のほうが、治療にも前向きに臨めます。
編集部
最後に読者へのメッセージをお願いできますか?
猪狩さん
私自身も別の人から言われた言葉ですが、「自分の体は自分だけのものです。今日中にあなた1人で必ずやらなければならない仕事なんて、この世にはないからね」ということは意識してほしいです。「自分の代わりはいくらでもいる」と考え、後悔しないためにも検診で今の自分を知ってください。「検診に行くと、レントゲンやCTで被ばくするから病気になる」とSNSで書き込んでいる人も見ましたが、私はそうは思いません。検査での被ばく線量なんてごくわずかです。どうか恐れず、毎年検診を受けて早期発見してほしいです。
編集部まとめ
乳がんを発症する大多数は女性で、40~60代に多いとされています。しかし、30代以下の若い女性にも発症しやすく、年齢を問わず乳がん検診を受けることが大切です。「乳がんだと診断されるのが怖い」「マンモグラフィは痛いから嫌だ」と思い、検診を受けたがらない方もいます。猪狩さんの言葉通り、自分の体を守れるのは自分だけです。早期発見・早期治療を行い、健やかな日々を過ごしましょう。
なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。





