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【闘病】高校生で“全身性エリテマトーデス”を発症、部活動を断念…「無理に前を向かなくてもいい」(2/2ページ)

 更新日:2025/06/16
【闘病】高校生で全身性エリテマトーデスを発症し、部活動を断念…「無理に前を向かなくてもいい」

発症から何年も時間が経っても戦いは続いている

発症から何年も時間が経っても戦いは続いている

編集部編集部

現在の体調について教えていただけますか?

まりえさんまりえさん

現在は月に1度病院で検査をして、血液検査の数値次第でステロイド剤の量を増減しています。免疫抑制剤とステロイド剤を5年以上飲み続けて、今ではステロイドが10mgまで減らすことができました。

編集部編集部

体調は時期によっても変動するのでしょうか?

まりえさんまりえさん

夏は外に出なければ基本的に元気ですが、冬は気温が下がるため常に体が痛い状況が続きます。また、仕事の業務時間が終わった後はゆっくりする時間を取ることができています。ただ、私の場合は蝶形紅斑が疲労のバロメーターになっていて、すごく疲れが溜まると蝶形紅斑で顔が真っ赤になってしまいます。

編集部編集部

普段の生活で気を付けていることは何でしょうか?

まりえさんまりえさん

疲労を溜めないことと、自転車通勤なので夏はフード付きのパーカーで日光を避け、冬は手袋にマフラーなど防寒対策をすることです。22歳の頃に勉強の疲れが出たのか、受験予定だった国家試験の1週間前にステロイドの過剰摂取とストレスで蜂窩織炎(ほうかしきえん)になったことがあります。その経験があるので、疲労とストレスには普段から気を付けています。

編集部編集部

もし発症して間もない頃の自分にかける言葉があるとしたら、どのような言葉を伝えたいですか?

まりえさんまりえさん

とりあえず、周りを気にせずに泣きなさいということです。難病だから家族や友達に迷惑をかけてしまうと感じて、ここで泣いてしまったらさらに心配をかけてしまうと、ほかの人の前では気丈に振る舞っていたからです。また、当時は高校生だったこともあり、親にたくさん支えられていました。もしかしたら私以上に親の方が辛い思いをしていたかもしれません。なので、親に感謝の気持ちを伝えたいです。

編集部編集部

全身性エリテマトーデスという病気について知らない人、普段意識せずに過ごしている方に向けて伝えたいことはありますか?

まりえさんまりえさん

あえて意識しなくてもいいです。ただ、見た目がとても健康そうな人でも病気を隠していることはあります。特に電車やバスで優先席に座っていることもありますから、そのことは知っていてほしいです。

編集部編集部

まりえさんから医療従事者に期待することはありますか?

まりえさんまりえさん

一番は早く治る薬を見つけてほしい、これに限ります。あん摩マッサージ指圧師と鍼灸師資格を持っているので、新薬の開発がいかに大変なことなのかは理解しています。それでも、SLEは本当にしんどいと感じる時が多いので、早く治る薬がほしいと切実に願っています。

編集部編集部

最後にまりえさんから本記事の読者向けにメッセージをお願いします。

まりえさんまりえさん

SLEは20代以降の女性に多い病気です。もし身近にSLEで辛い思いをしている方がいたら、少しでいいので寄り添っていただきたいです。この病気になって苦しいことのほうが多く、私自身も完全に乗り越えられているわけではありません。もし同じ病気の方がこの記事を読んでくださったら、乗り越えようとせず、無理に前を向かなくてもいい、気持ちを楽にしてほしいと思います。そして、SLEを抱えて生きているすべての方に「お願いだから無理はしないで」と伝えたいです。

編集部まとめ

全身性エリテマトーデス(SLE)は長い投薬治療が続く病気です。ストレスや疲労で病状が悪化することもあり、気の休まらない患者さんはたくさんいらっしゃいます。一見すると病気だと気づかれづらい点も、周囲からの理解が得にくい要因になっているかもしれません。SLEという病気があることを知り、自分の周囲に少しずつ目を向けることで、病を抱える患者さんからも助けを借りやすくなります。無理に意識しなくても困っている人には自然に声をかけ、助けられる社会を作っていければと思います。

なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

この記事の監修医師