【闘病】高校生で心臓発作…原因は“不整脈源性右室心筋症”「見た目で判断しないで」(2/2ページ)

自分の経験がいつかきっと誰かの役に立つと信じている

編集部
初めての心臓発作から10年以上が経過していますが、現在の体調や生活の様子について伺えますか?
恋香さん
現在は子ども3人と、毎日走り回るような生活をしています。薬がないと発作を起こしてしまうようなので、薬を飲みながら過ごしています。実はこのインタビューの前月に一度発作を起こしましたが、今は特に症状もありません。血圧低下でめまいやふらつきがひどい時は、素直に長女を頼って、下の子の面倒を見てもらって休む時もあります。その分長女には甘くなりますね。
編集部
日々の生活で取り組んでいることはありますか?
恋香さん
体重が増えると苦しくなるので、体重管理のために食事には気を付けています。また、心臓の調子が悪化しないよう血液検査の数値を気にしています。
編集部
不整脈源性右室心筋症について知らない方、普段病気を意識していない方へのアドバイスもお願いできますか?
恋香さん
私の場合、心臓発作を起こした時に目に見える症状として倦怠感、嘔吐、頻脈がありました。私もですが、道端で嘔吐している人を見かけたら、誰でも声をかけようか少し迷うと思います。それでも「心臓発作かもしれない」「そうでなくても何かあるかもしれない」と思い、気にかけていただけるとありがたいです。そうでなくとも、「しんどそうだな」「辛そうだな」と思う人がいたら、遠慮せずに一言声をかけてあげてほしいです。
編集部
本記事の読者へのメッセージもお願いします。
恋香さん
辛い思いを乗り越えられた方法を誰かに伝えられるかもしれないと思うと、「この経験も無駄じゃなかったな」と思います。病気のことで悩んでいる人も、病気以外のことでつらい思いをしている人も、すべては人生の経験になると思って踏ん張っていけるよう願っています。
編集部
最後に一番伝えたいことをお願いします。
恋香さん
私のような内部障害は見た目でわかりにくい分、誤解されやすいです。私は障害者手帳を持っているのですが、ふらつきのひどい時に内部障害者用の駐車場に車を停めたら、「そこは障害者用だ!」と怒鳴られたこともあります。見た目でわかりにくいからと、不安な思いをする内部障害者が少しでもいなくなればと思います。また、ご自身の友人や家族のためにも、住む地域やスポーツを行う場所では、AEDのある場所を確認してほしいです。
編集部まとめ
不整脈源性右室心筋症を経験し、自身の体験を多くの人に共有しようと前向きに生きる恋香さん。高校生という多感な時期に病気を発症していますが、前向きに日々の治療と向き合われているのが印象的でした。不整脈源性右室心筋症は現在でも原因は不明で、いつ誰に起こるかは予測できません。日頃から健康的な生活を送っていても発症することがあるため、体調の異変を感じたらすぐに病院を受診することが大切です。自分自身はもちろん、家族や友人などの身近の異変にも早期に気付き、必要なら声かけをしていきましょう。





