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「自分は病気ではないと思っていた」10代で摂食障害、コロナ禍で再燃。それでもうまく病気と付き合う方法【闘病体験】(2/2ページ)

 更新日:2025/06/16
【闘病】10代で摂食障害を発症。今もなお症状と共に生きるということ

見た目や性格で他人を判断しないで欲しい

見た目や性格で判断しないで欲しい

編集部編集部

治療中に心の支えになったものはなんでしょうか?

おむすびさんおむすびさん

両親のサポートがとても大きかったです。初めて病院に連れていかれた時はかなり反発しましたが、それがなかったら今のような状況になっていないと思うと感謝しかありません。あと、症状が安定して1人暮らしを始めて、物理的にも精神的にも自立できたことは大きかったと思います。そして、夫も大きな存在です。食べることが上手くいかないことを理解して受け入れてくれていることが、安心感になっています。

編集部編集部

おむすびさんにとって、治療中に印象深かった出来事はありますか?

おむすびさんおむすびさん

一番つらい時、食欲がコントロールできず終わりが見えなくて気分が落ち込み、死んでしまいたいと思うこともありました。ですが、症状が落ち着いていくうちに、夫や友人、実家の家族と食事やお茶を楽しめること、気を許せる人たちとの飲み会が苦ではなくなったことが嬉しかったです。

編集部編集部

現在の体調について、改めて教えていただけますか?

おむすびさんおむすびさん

症状が完全になくなったわけではありませんが、命に危機を感じることや生活に支障が出ることなく、病気と付き合えていると感じています。妊娠中の体の変化に戸惑うことはありつつ、体重増加を自然のものとして受け入れて生活しています。

編集部編集部

摂食障害について多くの方に知ってほしいことはありますか?

おむすびさんおむすびさん

摂食障害は表面化しにくく、人にはわかりにくい病気です。ただ、体型や性格、努力を否定したり、容姿をからかったりすることは、誰に対してもしてはいけないことだと意識してほしいです。

編集部編集部

おむすびさんの治療経験を通して、医療従事者に望むことはありますか?

おむすびさんおむすびさん

精神科医療の質は医療従事者の質に左右されると思います。都市部と地方では受けられる治療も違うので、どこに住んでいても良質な医療を受けられる体制作りを期待しています。幸い、私は医師や医療スタッフに恵まれていましたが、精神科医療全体にはまだまだ改善の余地は多いと感じました。

編集部編集部

最後に読者向けにメッセージをお願いします。

おむすびさんおむすびさん

摂食障害は食事面以外にもさまざまな症状があり、人それぞれで治療方法が違います。ある人が上手くいった治療であっても、別の人には上手くいかないこともあります。だからこそ、長い経過を辿ることを本人、家族、周囲の人が理解し、受け入れていくことが大事だと思います。

編集部まとめ

摂食障害の多くは若い女性に発症し、国内の患者数はおよそ22万人と推計されています。また、あまり知られていませんが死亡率も5%と高く、単なる食事の問題として済ませることはできません。10代で摂食障害を発症し、10年以上経った今でも闘い続けているおむすびさん。自分の状態について正しく認識できれば、気持ちのゆとりが生まれて摂食障害の症状も落ち着くとのことがわかりました。周囲が本人の辛さを理解して寄り添うことが、摂食障害を克服するスタートラインになるのではないでしょうか。また、おむすびさんの発言でもわかるように、摂食障害は自分では病気であることに気づかないことがほとんどです。周囲の人が病気であることに気づき、通院を促すことも大切です。気になる方が身近にいたら、ぜひ声をかけてあげてください。

この記事の監修医師