脂肪吸引は痛い? 医師が脂肪吸引手術後の痛みと期間を解説 部位や量でも違いはある?
「脂肪吸引」は、エステや食事制限などと比べて結果が出やすく、リバウンドもしにくい痩身方法なのだとか。しかし、やはり「痛みが気になる」という人は多いのではないでしょうか。今回は、脂肪吸引手術の痛みとダウンタイムの期間などについて、「WOM CLINIC GINZA」の佐々木先生に解説していただきました。
※本記事で扱われている内容は保険適用外の治療です。リスクや副作用など担当医師から説明を受け、ご自身が納得した形で治療を受けるようにしましょう。
監修医師:
佐々木 和司(WOM CLINIC GINZA)
目次 -INDEX-
脂肪吸引は痛い? 脂肪吸引手術で痛みが出やすい部位や手術後のダウンタイムで痛む期間を医師が解説
編集部
脂肪吸引とは、どんな手術なのですか?
佐々木先生
簡単に言えば、お腹、太もも、ふくらはぎ、顔など、気になる部分の脂肪をカニューレと呼ばれる細い管を使って取り除く手術のことです。注射器(シリンジ)の押し子を引いて、手動で脂肪を吸引する「シリンジ法」と、器械を使って掃除機のように吸引する方法があります。最近は器械で吸引するのが主流です。
編集部
痛そうですね……。
佐々木先生
実際に吸引するときは、麻酔を使用するので心配はいりません。なお、クリニックによっては、吸引する部位などによって全身麻酔と局所麻酔の両方を使ったり、局所麻酔のみを使用したりと差はあります。全身麻酔(静脈麻酔)を使う場合は、麻酔を注射する際のチクッとした痛みの後は、何も感じないことがほとんどです。手術後、麻酔が切れてから個人差はありますが多少の痛みは感じるかもしれません。
編集部
手術後の痛みは、いつまで続くのですか?
佐々木先生
脂肪を吸引した部位などによって個人差が大きいのですが、手術後2~3日が痛みのピークで、そこからは徐々に退いていきます。そのほかにも、手術後は腫れや内出血などが起こり、これを「ダウンタイム」と言います。
脂肪吸引で痛みが出たときの対処法 手術中の麻酔や術後の痛さを低減する方法はある?
編集部
ダウンタイムについて、もう少し教えてください。
佐々木先生
ダウンタイムとは施術を受けてから回復するまでの期間のことで、脂肪吸引のダウンタイムには、痛みのほかにも腫れや内出血、むくみなどの症状が表れます。また、皮膚が凸凹したり、突っ張ったように感じたりする人もいらっしゃいます。期間は、腫れや内出血のような「見た目のダウンタイム」と、突っ張り感や動かしにくさなどの「自覚症状のダウンタイム」で異なります。
編集部
それぞれ、どれくらいの期間なのでしょうか?
佐々木先生
「見た目のダウンタイム」だと、お腹や太ももで約2週間、顔や二の腕は1週間程度です。一方、「自覚症状のダウンタイム」は、お腹や太ももで約3カ月、顔や二の腕は1カ月程度と言われています。これらの症状は、主に脂肪を吸引する際の皮下組織の損傷によるものなので、吸引する脂肪の多さにある程度比例すると言えるでしょう。
編集部
痛みが辛いときはどうしたらいいのですか?
佐々木先生
痛み止めが処方されますので、我慢せずに服用してください。ほかには、よく冷やすことなども対処法として有効です。痛み止めは内服薬が一般的ですが、坐薬の方が鎮痛作用は強いので、坐薬に抵抗がない場合は医師に処方してもらうことをおすすめします。
編集部
ほかに、痛みが出にくくなる方法などはありますか?
佐々木先生
手術後にストッキングや包帯、バンドなどで圧迫をするのですが、圧迫のし過ぎで強い痛みが出ることもあります。そのため、可能であれば一時的にストッキングを外したり、包帯やバンドを緩めたりしてみてください。少し楽になるかもしれません。また、優しくマッサージをしたり、患部を心臓よりも高くしたりするなど、内出血を流すようにするのも痛みを和らげるコツです。
少しでも痛みの少ない脂肪吸引を受けるには? 痛さのピークなど脂肪吸引施術前に知っておきたいポイント
編集部
「痛みの少ない脂肪吸引」というのはあるのでしょうか?
佐々木先生
先述したとおり、吸引範囲が狭かったり吸引量が少なかったりすると、組織損傷も少ないため痛みも比較的軽度だと言われています。また、「ベイザー」という特殊な器械を使った手術だと、ダウンタイムの症状が軽く、短くて済むと言われています。
編集部
ベイザーについて、もう少し教えてください。
佐々木先生
ベイザーによる脂肪吸引では、特殊な超音波で脂肪を溶かし、脂肪細胞をバラバラにして吸引しやすくすることで、よりスムーズに脂肪を除去できます。出血量も少ないため、痛みや腫れなどのダウンタイム症状を軽くすることができます。例えば、ブドウの房を掃除機で吸引しようとすると大変ですが、1粒ずつバラバラにしておけばスムーズに吸引することができますよね。ベイザーも同様に、「前もって脂肪を柔らかくする」という一手間を加えてから吸引するのでダメージが少なく、より多くの脂肪除去が可能です。
編集部
脂肪吸引を受ける前に知っておきたいポイントはありますか?
佐々木先生
「痛み」というのは、損傷された組織から痛みを発生する物質が放出されているために起こります。痛みの少ない手術を受けるためには、皮下組織の損傷や内出血を少なくするよう心がけているクリニックを選ぶのがポイントです。今は広告やSNSなどで、術前・術後の写真を載せているクリニックも多いと思いますが、「脂肪がどれだけ取れているか」だけでなく、内出血などにも注目してみてください。内出血が少なく、早期に改善しているクリニックは、組織損傷の少ない手術をしていると言えるでしょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
佐々木先生
「脂肪吸引は1部位につき、一生に1回だけ」という気持ちで私は手術しています。「どれだけ取れるか」だけではなく、皮下組織の損傷が少ない、吸引にムラがないなどの様々な点に配慮しています。ぜひ、脂肪吸引を受けようと思っている人にも、そうした観点からクリニックを決めていただきたいです。クリニックが自ら出している症例写真は、やはり「選ばれた症例」なので、それだけで判断するのは難しいかもしれません。やはり、実際に施術を受けた人の口コミやレビュー、SNS発信など、第三者目線の意見を参考にすることをおすすめします。また、カウンセリングでは遠慮せずに不安や疑問を徹底的にぶつけていいと思います。万が一、それで嫌な顔をされたり、面倒臭いような態度が出ていたりしたら、それも判断材料になりますよね。今回紹介した内容を参考に、後悔のないクリニック選びをしていただきたいと思います。
編集部まとめ
脂肪吸引手術について、術後の痛みなどを中心にお話を伺いました。麻酔や痛み止めによる痛みの違いや痛みを和らげる方法、痛みの少ない手術をしているクリニックの見分け方など、非常に参考になりました。これから脂肪吸引を受けようと考えている人は、この記事の内容も頭に入れておくことで、満足のいく結果を得られるのではないでしょうか。
医院情報
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診療科目 | 美容外科 |