目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. コラム(医科)
  4. 【闘病】治療で「見た目が変わる」のがこんなに辛いなんて…《重症筋無力症》

【闘病】治療で「見た目が変わる」のがこんなに辛いなんて…《重症筋無力症》(2/2ページ)

 更新日:2025/06/17
【闘病】治療で「見た目が変わる」のがこんなに辛いなんて…《重症筋無力症》

「見た目ではわからない病気もある」多くの人に理解を広めてもらいたい

「見た目ではわからない病気もある」多くの人に理解を広めてもらいたい

編集部編集部

もし発症前の自分にアドバイスするとすれば、どのような声を掛けたいですか。

シルシルさん

「自分の体を守ってあげられるのは自分だけ、おかしいと思った原因がわかるまで病院にいくべき」ということと「ちゃんと貯金しておきなさい」です。特に若いうちは体調が悪くても「疲れ」で片付けがちで、私も腕が上がりにくい、動きにくいと思っても「命に関わらないから」と放置してしまいました。実は放置すれば命にも関わるので、病院に行っていて良かったと思います。自分がいつ急に働けなくなるのかは予想ができませんし、お金の大切さも身に染みたからです。

編集部編集部

現在、お仕事はどのように働かれているのでしょうか。

シルシルさん

現在はソリリスの点滴もしながらですが、体調も安定して、仕事も日勤フルタイムで働けています。職場の方々はいつも体調を気遣ってくれて、力仕事も代わってくれているので、本当に感謝しかありません。

編集部編集部

同じ医療従事者に伝えたい言葉を頂けますか。

シルシルさん

私も普段は医療従事者側ですが、患者になって医療従事者の存在を大きく感じて、心も救われました。忙しくても私の話に耳を傾け、悩みにも誠実に対応してくれて嬉しかったです。私自身も医療従事者としてのあり方を考える機会になりました。これからも仕事に誇りを持って、健康を大切にして過ごしてほしいです。

編集部編集部

読者の方に伝えたい言葉も頂けますか。

シルシルさん

重症筋無力症は見た目ではわかりにくい病気です。症状は一日の中でも変動しますし、夕方になるとすごく疲れていたり、昨日元気でも今日は体調が悪くなったりすることもあります。天候や月経などにも症状は左右されるので、「さぼり」だと思わずに、困っている方には手を差し伸べてくれるとありがたいです。また、私はSNSと上手に付き合っていくことが、この病気では大事だと思いました。同じ病気の方々や別の病気の方とも交流でき、良かったという思いが強いからです。上手くSNSを活用することで、自分に有利な情報を取り入れてほしいです。

編集部まとめ

シルさんは最後に「これからの人生、病気と上手く付き合いながら趣味の旅行や友人との時間を有意義に過ごし、人生を楽しみたい」と語ってくれました。重症筋無力症は根治的な治療法が発見されておらず、平成30年度時点に把握できているだけで国内には2万9210人の患者様がいます。シルさんのように薬で対処をしつつ仕事ができる方もいれば、日常生活に大きな支障を来す方も少なくありません。より多くの方が重症筋無力症の症状を知り、悩んでいる患者様の支えになる社会が実現できることを願います。

この記事の監修医師