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【闘病】コロナ禍に「混合性結合組織病」発覚 妊娠中に過ごした治療期間(1/2ページ)

 更新日:2025/05/29
【闘病】「混合性結合組織病」 コロナ禍に発覚した病 妊娠中に過ごした治療生活

27歳のときに混合性結合組織病(MCTD)と診断されたアリサさん。診断時、アリサさんは新婚1年目で、養護教諭の仕事をしていました。夫がこの病気を受け入れてくれるのだろうか、体調が万全ではない自分が子どもたちの健康を守れるのだろうかと葛藤もしたそうです。そんなアリサさんがどのようにしてその葛藤を乗り越えたのか、また、病気が判明した経緯や妊娠中である現在の様子(取材時)などについて、話を聞きました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2022年8月取材。

アリサさん

体験者プロフィール
アリサさん(仮称)

プロフィールをもっと見る

1993年生まれ、関西地方在住。夫との2人暮らし。診断時の職業は養護教諭。2020年12月に混合性結合組織病(MCTD)の診断を受ける。現在は投薬治療を行いながら、無理のない範囲で事務の仕事をしている。第一子妊娠中(2022年8月取材時)。

副島 裕太郎

記事監修医師
副島 裕太郎(横浜市立大学医学部血液・免疫・感染症内科)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

突然指先が真っ白になり血流が戻らなくなった

突然指先が真っ白になり血流が戻らなくなった

編集部編集部

まず初めに、「混合性結合組織病」とはどのような病気なのでしょうか?

アリサさんアリサさん

膠原病の代表的な疾患である全身性エリテマトーデスや全身性強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎の症状が2つ以上混在し、抗U1-RNP抗体が陽性となる疾患で、自己免疫疾患です。

編集部編集部

具体的にどのような症状が現れるのでしょうか?

アリサさんアリサさん

私に現れた症状はレイノー症状、間質性肺炎、多発性筋炎、食道裂孔ヘルニア、逆流性食道炎、リンパ節腫脹、手指の腫脹、全身の倦怠感でした。特に顕著に現れた症状は、レイノー症状と多発性筋炎でした。

編集部編集部

病気が判明した経緯について教えてください。

アリサさんアリサさん

2020年の10月ごろ、少し肌寒いなと感じる時期でした。指先が突然真っ白になり、手を擦り合わせて温めても血流が戻らない日が増えていきました。日に日に真っ白になる指が増え、しびれも出て感覚もなくなっていくのが怖くなり、内科を受診しました。指先の症状を見た先生が、すぐに血液検査をしてくださり、抗U1-RNP抗体が陽性だったことから、混合性結合組織病の可能性が高いと言われました。

編集部編集部

その内科で診断がついたわけではないのですね。

アリサさんアリサさん

はい。膠原病の専門医がいる総合病院を紹介してもらいました。そこで、血液検査・胸部CT・心電図・尿検査・肺機能検査・胃カメラの検査を行い、複数の症状を合併していることがわかり、混合性結合組織病と診断を受けました。

編集部編集部

どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?

アリサさんアリサさん

当時の主症状であるレイノー症状の緩和をするために、防寒対策を徹底するように言われました。症状に合わせて服薬治療で様子を診ていくと言われました。また、心身へのストレスを減らすような生活を心がけてくださいと言われました。

編集部編集部

当時、なにかストレスを抱えていたのでしょうか?

アリサさんアリサさん

住む場所や勤務先が変わったので、環境の変化の要因はあったと思います。それよりも、睡眠不足が続いていたことが大きなストレスになっていたと感じます。朝は早い出勤で、帰りも遅かったため、睡眠時間が日に日に短くなっていきました。レイノー症状が発症する直前は、睡眠時間が3~4時間の日が続き、疲れが取れない日々でした。

仕事や結婚生活のことなど不安でいっぱいだった

仕事や結婚生活のことなど不安でいっぱいだった

編集部編集部

病気が判明したときの心境について教えてください。

アリサさんアリサさん

「自己免疫疾患」「難病」「治らない」というワードが頭の中からずっと離れませんでした。何十年も付き合っていかないといけないことがとても不安でしたし、当時は新婚1年目だったので、夫に受け入れてもらえるのかも不安でした。仕事についても、とても悩みました。診断時の仕事は、子どもたちの健康や安全を守る養護教諭の仕事をしていたので、手足のしびれや痛みが続くような状態で、子どもたちの健康が守れるのか、と葛藤していました。

編集部編集部

発症後、生活にどのような変化がありましたか?

アリサさんアリサさん

病気以前は養護教諭として、毎日朝から晩まで動き回って過ごしていました。診断後は半年して退職し、自分の身体を優先にするため、時短勤務の事務職に転職し、職場の理解も得ながら働くようになりました。多発性筋炎により、身体の痛みが強く出ることが多かったので、発症前は運動をしていましたが、激しい運動は控えることにしました。指先・手首の筋力が弱くなったので、ペットボトルは補助具を使って開けたり、重い荷物は周りの人に手伝ってもらったり、人や物に頼りながら生活するようになりました。

編集部編集部

病気に向き合う上で心の支えになっているものを教えてください。

アリサさんアリサさん

夫です。この病気も含め私を受け止めてくれている存在は本当にありがたい。症状が強い日は動くのもやっとでしたが、優しい言葉をかけて励ましてくれて、「ゆっくり休んでね」の一言で心の底から安心できました。一人では挫けてしまっていたと思いますが、支えてくれる頼れる存在がいるというのは、いかに幸せなことか改めて実感しました。

編集部編集部

もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか?

アリサさんアリサさん

我慢や無理をすることが日々当たり前になってしまっていると思うけど、少しでも身体の違和感があったら、早めに休養や病院受診をしてほしい。今までの違和感は全部つながっているように感じているので、無理をせず、自分の身体を労わってあげてほしいです。

闘病しながらのマタニティ生活

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