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【闘病】自覚症状無しの2年間を経て突然”自己免疫性肝炎”と診断。「もしもあのまま放置してしまったら…」(2/2ページ)

 更新日:2025/05/23
初期症状は血液検査結果のみ、私はこうして自己免疫性肝硬変を乗り越えた

40代・50代の方は忙しくても健康診断を受けてほしい

40代・50代の方は忙しくても健康診断を受けてほしい

編集部編集部

現在は以前とほぼ同じ生活を送られているのでしょうか?

坂本 千里さん坂本さん

今では快適に暮らしていて、小学生の息子と親子マラソンに参加できるほど体力が戻っています。また、病気をきっかけに子どもや夫が家事と介護を手伝ってくれるようになったので、私ができなくても家のことが成り立つ状態にできたのは大きな変化だと思います。

編集部編集部

坂本さんの自己免疫性肝炎は発見までに時間がかかったようですが、医療従事者に伝えたいことはありますか?

坂本 千里さん坂本さん

最初のかかりつけ医には「心因性」、別の医院では「大腸がんか肝臓がんの可能性」と言われたので、医療従事者の中には「自己免疫性肝炎」をあまり知らない人もいるかもしれません。珍しい病気ではありますが、もっと多くの方に周知されると良いと思います。

編集部編集部

坂本さんの体験を通して、同年代の方にお伝えしたいことをお願いできますか?

坂本 千里さん坂本さん

自己免疫性肝炎の早期発見のためにも、定期検診と血液検査が大切です。私と同じく好発年齢の40代・50代の方は、毎年の健康診断を受けるようにしてください。罹患して治療する際は、ステロイド剤を使用することになると思いますが、効果はあるものの副作用もつらかったので覚悟しておいたほうがいいです。

編集部編集部

最後に坂本さんから読者の方にメッセージをお願いします。

坂本 千里さん坂本さん

私は自己免疫性肝炎になるまで、ろくに病気をしたこともない人生でした。病院を受診するほど大きなことは妊娠・出産くらいで、風邪をひいても寝て治すくらいでした。ですが、50代に近づくにつれてホルモンバランスが崩れ始め、不調が訪れます。「加齢によるもので、自力では治せない」ことも増えるので、どんなに健康体の人でも「自分は大丈夫」とは思わないほうがいいと思いました。アラフィフは自分から健康面に気を付けないと周りに迷惑をかけることになるので、健康診断は毎年受けてもらいたいです。

編集部まとめ

坂本さんが罹患した自己免疫性肝炎は、自己免疫性の疾患の一種で原因は不明とされています。しかし、健康診断や人間ドックなどのスクリーニングで比較的発見しやすく、血液検査で肝臓の異常を指摘されるケースが多くあります。ただし、初期症状がほとんどないため、ある日突然食欲不振や黄疸といった急性肝炎の症状が現れます。血液検査の肝臓の数値だけでは診断しづらく、肝生検・エコー検査・CT・MRI検査まで行って診断が確定できます。健康診断で頻繁に肝臓の数値異常を指摘される方は、早めの受診で早期発見に努めましょう。

この記事の監修医師