【闘病】肩・関節の痛みの正体は「ANCA関連血管炎」だった(1/2ページ)

Riykoさん(仮称)が抱える膠原病「ANCA関連血管炎」は、外見だけでは他者からわかりません。症状の一つに疲れやすさがありますが、それを怠けているだけと捉えられてしまうことも少なくないそうです。そんな病を患うRiykoさんが病院を受診したきっかけから、病気とどのように向き合ってきたのかなど、これまでのことを話してもらいました。
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2022年5月取材。

体験者プロフィール:
Riykoさん(仮称)
1985年生まれ。大阪出身、福岡県在住。診断時の職業は営業事務。2020年の夏前に肩に激痛が走り、リウマチ科を受診。リウマチと診断され服薬治療を開始するも良くならず、10月に腎臓内科を受診。11月に入院し、ANCA関連血管炎、それによる抗糸球体基底膜腎炎、間質性肺炎の診断を受ける。現在もステロイド服薬中。

記事監修医師:
副島 裕太郎(横浜市立大学医学部血液・免疫・感染症内科)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。
リウマチの薬では快方せず、腎臓内科を受診

編集部
病気が判明した経緯について教えてください。
Riykoさん
2020年の夏前に、腕を上げられないほどの肩の痛みがありました。祖母がリウマチ持ちだったので、自分もそうなんじゃないかと思い整形外科、リウマチ科のある病院へ行きました。血液検査やレントゲン撮影をして、その時はリウマチと診断されました。
編集部
すぐには正しい病気に行き着かなかったのですね。
Riykoさん
はい。それから3か月ほど服薬でリウマチの治療をしていましたが、関節の痛みはなかなか引かず、10月頃にはクレアチニンが1.28mg/dLまで上がってしまいました。その結果、腎臓内科で診てもらった方がいいとのことで、近くの腎臓内科を受診したところ、すぐに大きな病院で診てもらうよう紹介状を書いてもらい、10月末に県内の病院を受診しました。すぐ入院が必要とのことで11月に入院をし、検査の結果、「ANCA関連血管炎」、またそれによる「抗糸球体基底膜腎炎」「間質性肺炎」の診断を受けました。
編集部
ANCA関連血管炎、抗糸球体基底膜腎炎、間質性肺炎はそれぞれどのような症状があるのか教えてください。
Riykoさん
指先の痛み、疲れやすさ、皮膚のかゆみ、頭痛、浮腫が酷かったです。ANCA関連血管炎による炎症からの腎機能低下、間質性肺炎なので、どれがどの症状というのかはわからないですが、すぐに息切れをするため階段などはとても苦しくなります。疲れやすいせいか、仕事がハードな日は夕方から動けないくらいだるくなります。
編集部
病気が判明したときの心境について教えてください。
Riykoさん
不安とショックを隠し切れませんでした。これからどうやって生きていくのか、仕事ができるのか、最初のころは毎日泣いていましたね。
編集部
どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?
Riykoさん
すぐに入院が必要と言われ、急いで会社へ連絡し、入院の手続きを行いました。食事は塩分を控えるようにとも言われました。ステロイドパルス療法、リツキサン投与、血漿交換、食事療法を行うとのことでした。それらを続けて、12月半ばに退院しました。現在もステロイドの服用、それによる尿酸値、高血圧の薬も服薬中です。
健康的な食生活を意識するようになった現在

編集部
発症後、生活にどのような変化がありましたか?
Riykoさん
自炊では調味料を減塩のものを使うようにしたり、そもそも塩を使うことが減らしたりしました。刺身を食べる時も以前はしっかり醤油をかけていましたが、少しだけにするなどの変化がありました。
編集部
現在の体調や生活などの様子について教えてください。
Riykoさん
仕事がめちゃくちゃハードな日は、夕方に体がだるくなります。家事をするのもしんどくなります。外食する時は塩分カットサプリを飲むなど、調節できることをして、外食などを楽しんでいます。お酒は以前よりだいぶ減りました。月に数回缶チューハイ1本飲むくらいです。
編集部
現在は、どのような薬で治療していますか?
Riykoさん
現在はステロイド10mg、骨粗しょう症予防の薬、コレステロールを下げる薬、血圧を下げる薬、尿酸値を下げる薬、感染症予防の薬など10種類を服薬していますが、検査結果に応じて変更しています。




