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【体験談】服用していた薬のせいで難病に! 「大腿骨頭壊死症」(2/2ページ)

 更新日:2025/10/03
【体験談】服用していた薬のせいで難病に 「特発性大腿骨頭壊死症」

ふたりの主治医

ふたりの主治医

編集部編集部

好酸球性肺炎の方はどうなりましたか?

小塩綾子さん小塩さん

好酸球性肺炎は、治ったり再発したりを繰り返していたのですが、大腿骨頭壊死症になるまでは、ステロイドによる副作用などを把握していなかったので、言われた通りに薬を飲んでいました。しかし、診断がついてからは、一時期は肺炎になっても我慢して、自分でなんとかしようとしていたこともあります。それはそれで非常に辛く、ステロイドの治療効果を実感したので、その後は上手に付き合うようになりました。呼吸器内科の先生は、私がステロイドに恐怖心を抱いていることに対して、一定の理解をしてくださり、ステロイドを飲むことになっても、なるべく短い期間で終われるように配慮はしてくださっています。それでも、必要な時には「しっかり飲んでください」と言われますし、私もちゃんと言うことを聞いています。

編集部編集部

病気の前後で変化したことを教えてください。

小塩綾子さん小塩さん

痛みなく普通に生活できることの素晴らしさを痛感しました。息ができて、ご飯が食べられて、ゆっくり寝られることは本当に幸せなことです。そして、自分の脚で、行きたいところに行けることもとても素晴らしいことです。まだ少し、長時間のお出かけや旅行などでは痛みが出る不安はありますが、それでも以前と比べると夢のようです。あとは、自分の体は自分で守るという意識が大切だと感じました。治したかったからステロイドを飲んだわけですが、例えば薬を服用する時などは、どんな薬かを納得した上で取り入れることが大切だと感じています。

編集部編集部

今までの生活を振り返ってみて、反省点などはありますか?

小塩綾子さん小塩さん

関係あるかわかりませんけど、元々体力には自信があったのですが、それが油断に繋がったのかもしれません。高校・大学の頃から生活が乱れやすくなり、やはり睡眠や食事も大切にすべきだったと感じています。

編集部編集部

現在の体調や生活はどうですか?

小塩綾子さん小塩さん

ありがたいことに、2021年は、2012年に好酸球性肺炎になってから、初めて一度も肺炎にならず、ステロイドも服用しなかった年になりました。また大腿骨頭壊死症の方も、左脚の痛みや可動域制限はまだありますが、現在は、日常生活はほぼ支障がありませんし、クラシックバレエの入門レッスンを受けられるぐらいまでに回復しました。右の股関節にも、骨頭壊死の所見が見られていたのですが、2021年10月の診察で、主治医の先生から「壊死はあるけれど陥没骨折はしていなくて、骨頭が少し再生しだした」と言われました。これはなかなか凄いことなのだそうです。

編集部編集部

医療機関や医療従事者に望むことはありますか?

小塩綾子さん小塩さん

病気になった直後は、体が辛いのに加え、精神的にも参っているので、寄り添っていただけると嬉しいです。患者本人の治ろうとする意志や気力が充実し、そこに適切な治療が加わると、あり得ない奇跡が起こると思います。私の場合は、「筋肉がないから手術はまだ難しい」ときちんと説明してくださった整形外科の先生、リハビリを担当してくださった理学療法士さん、ステロイドに対する恐怖心を理解してくれている呼吸器内科の先生、誰が欠けても今の私はなかったと思います。

編集部編集部

最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

小塩綾子さん小塩さん

病気になって、とても大変でした。しかし、そんな中でもプラスのこともありました。周りの人たちの優しさに触れ、何もできないところから、一つずつできることが増えていく喜びを知りました。人の痛みが今まで以上にわかるようになり、自分の体や健康についての知識もつき、積み重ねは裏切らないことも実感しました。身体は大変でしたが、周りに助けられて、本当にポジティブな気持ちで過ごしてこられたからこそ今があるので、そこは感謝しかありません。今後は、私がしてもらったように、誰かのお役に立てたらと思い、私の経験をお話しさせていただきました。皆さまが心身共に健やかに過ごせますことをお祈りしております。

編集部まとめ

一時期はステロイドを飲まずに我慢していたこともあったとのことですが、ステロイドに対する恐怖心を理解してくれている主治医との信頼関係で、うまく付き合えるようになったと言います。全体を通して、医療従事者との信頼関係が伝わってくる闘病体験記でした。

この記事の監修医師