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~実録・闘病体験記~「あの時病院に行っていれば…」早期発見の大切さを伝えたい《キアリ奇形》(2/2ページ)

 更新日:2025/02/03
~実録・闘病体験記~「あの時病院に行っていれば…」早期発見の大切さを伝えたい《キアリ奇形》

退院後は順調に回復

退院後は順調に回復

編集部編集部

退院は予定通りにいきましたか?

みさこさんみさこさん

リハビリとして歩く練習に取り組み、食事は少しでも固形物を食べるように努力しました。抜糸や検査を経て、ようやく2か月弱経った頃に退院できました。当初の退院予定日は過ぎていました。

編集部編集部

退院後の体調は、落ち着いていましたか?

みさこさんみさこさん

嘔吐、めまい、熱が治まらないまま、無理を言って退院したのですが、なんとか順調に回復しました。家族の世話になりながらですが、2か月程度で部屋の中を歩いて移動したり、自分で入浴したりできるようになりました。

編集部編集部

治療中の心の支えはなんでしたか?

みさこさんみさこさん

やはり、家族のサポートと恋人や周りの人に助けられたことです。面会はできなくとも、荷物を届けるときに手紙を入れてくれたことなどが、とても支えになりました。

編集部編集部

もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか?

みさこさんみさこさん

じつは、身体に異変を感じたのはキアリ奇形が判明する3年前の大学生のころだったのですが、そのとき受診した病院ではバセドウ病との診断を受けていました。ですから、セカンドオピニオンを聞きに行くことを当時の自分に強く勧めます。バセドウ病のせいで小指の感覚が鈍くなっているのだと納得してしまっていたので、「そうではない、早く病院に行くべきだ」と伝えたいです。

編集部編集部

現在の体調や生活などの様子について教えてください。

みさこさんみさこさん

約7か月の療養生活を経て復職しました。体調は、気圧に左右されやすく、天気が悪いと頭痛が起こります。小脳(主に、体のバランスや運動機能の調節をつかさどる脳の部位)を摘出しているため、急に下を向いたり向きを変えたりするとフラフラします。以前のように走ることは怖くてできません。通勤で毎日電車に乗るのでヘルプマークを付けて通勤するようになりました。しかし、マークの認知度は低く、理解されにくいことを日々感じています。

編集部編集部

あなたの病気を意識していない人に一言お願いします。

みさこさんみさこさん

病気は誰にでも起こります。「自分は若いし大丈夫」「関係ない」と思わないでください。外見で分からなくても、大きな病気をした人はたくさんいます。ヘルプマークの存在だけでも知ってもらい、身に付けている人が困っていたら、助けてあげてほしいです。

編集部編集部

医療従事者に望むことはありますか?

みさこさんみさこさん

コロナ禍で、医療従事者の方々も大変だとは思います。ただ、患者も家族に会えず辛い思いをしていることを理解して、嫌な顔をせずにこちらのお願いを聞いてもらえると嬉しいです。私の場合は、もう少し患者に寄り添ってもらえたら良かったですね。

編集部編集部

最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

みさこさんみさこさん

私と同じ病気の方がどれほどいるかはわかりませんが、この体験を語ることで少しでも、早期発見や病気への理解につながるといいなと思います。「これぐらい何ともない」「我慢できるし大丈夫」「病院が嫌い」「仕事が忙しくて時間がない」と言わず、少しでも違和感があれば受診してほしいです。早期発見することで、その後の症状などが変わってきます。異変に気付いたらすぐに受診してください。

編集部まとめ

異変に気付きながらも、「仕事を休むわけにはいかない」「気のせいだろう」と自分に言い聞かせ、受診しないという選択肢をとる人が多いですよね。しかし、みさこさんはご自身の体験から、「仕事を休む勇気も大事」「早期発見が何より大切」と、少しでもおかしいと思ったらまず病院へ行くようにとアドバイスをしてくれました。病気は突然やってくることもありますが、なにかしらの予兆がある場合もあります。早期発見することで、つらい療養生活や後遺症に悩まなくて済む場合もあるので、早めに受診をしましょう。

この記事の監修医師