【闘病】「なぜ自分が」 身体が動かなくなっていく病「ALS」と生きる(2/2ページ)

周囲の協力のもと前向きに行動

編集部
闘病にあたっての心の支えはなんでしょうか?
直樹さん
妻をはじめ、周囲の人たちの協力があるからこそ、生きることを諦めず、前向きに生活できるのだと思います。
編集部
現在の体調や生活などの様子について教えてください。
直樹さん
両手が不自由なので入浴は訪問看護師、訪問介護士に来ていただいています。少し喋りにくさがあるので週1回、言語聴覚士、身体の方は週2回理学療法士のリハビリを受けている状況です。家庭の負担を軽減させるため、3ヶ月に1回10日間ほどレスパイト入院(休養を目的とした短期入院)をしています。
編集部
病気になったことでわかったことはありますか?
直樹さん
ほかの病気もそうだとは思いますが、不便さが視覚的に伝わらないことも多々あります。自分でできない悔しさ、情けなさ、申し訳なさは、他人には計り知れないほどあります。病気にかかった本人も当然苦しいですが、周りで支える家族らも想像を絶する身体的、精神的な苦痛を伴う現実もあります。
編集部
あなたの病気を意識していない人に一言お願いします。
直樹さん
大袈裟に声をかけたり、補助をしたりするより、さりげなくされたほうが数倍嬉しいこともあります。過度に気を遣われたり、哀れんでもらったりするととても悲しく思います。周囲の人の気持ちによって生きる気力をもらえたり、失ったりすることがあるので、あまり特別扱いはしないでほしいです。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
直樹さん
私は生きることを諦めません。一度きりの人生なので、身体が動かなくなったとしても、社会人の一員として貢献できたらなと思います。今の私だからこそできることを探求し続けます。
編集部まとめ
直樹さんのように前向きに行動に移せる人は少ないかもしれませんが、その行動力が周りも元気にさせているように感じます。夢を実現しようとする人はとても輝いているものです。また、2022年9月現在、直樹さんは自分の足ではほぼ歩けない状況になってきたとのことで、家に昇降機を設置し、車いすで出入りをしているそうです。車いすに乗り換えたりするときに転ぶことも多くなり、夜以外は誰かについてもらうようにしているといいます。奥様も小さい子供の育児や自営のお店で忙しく、負担が大きくなってきたため、お義母様が月の半分泊まり込みで自宅に来てくれているそうです。またお義母様がいないときは、直樹さんの実家で生活をし、奥様の負担が少しでも軽減されるようにしているとのことでした。それでも、お店には車いすでほぼ毎日出勤しているそうです。
なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

