【闘病】喘息治療の薬で別の病気になってしまった《副腎皮質機能低下症》(2/2ページ)

ネットではあまり情報が出てこない

編集部
病気の情報収集はどのようにされましたか?
佐藤さん
ネットでも医原性の副腎皮質機能低下症の情報があまりにも少なく、私のように呼吸器内科でプレドニンを長期使用して病気を発症した方は探せませんでした。ステロイドの副作用を検索すると、不眠、体重増加、ムーンフェイスなどたくさん出てきますが、さらに使い続けることについてもっと情報が欲しいですし、周知されるべきだとも思います。
編集部
では、医療関係者からの説明は十分でしたか?
佐藤さん
どの先生もとても丁寧に、わかりやすく説明してくださいましたし、入院中は看護師さんに励ましていただき、たくさんの元気をもらいました。私の不安を少しでも取り除こうという想いがつたわる、優しい対応をしてくれました。コミュニケーションの中で、自分の頭の中や気持ちが整理されました。
編集部
医療関係者に望むこと、伝えたいことはありますか?
佐藤さん
ステロイドは何にでも効く便利な薬ですが、その分副作用もあります。安易に高容量のステロイド長期処方をしないでほしいですね。そして、もし高容量のステロイドを長期処方するのであれば、血液検査データなどで、体に異常がないかどうか定期的に細かくチェックしてもらいたいです。そういった事がなされていれば、私の病気も防げたのではないかと思っています。
編集部
治療中の心の支えとなったものは、何でしたか?
佐藤さん
子どもの存在と家族の協力、そして先生の「必ず治りますから」という励ましの言葉ですね。
編集部
治療開始後、生活・仕事それぞれにどのような変化がありましたか?
佐藤さん
コートリルを服用してから以前のような倦怠感がなくなり、ほぼ普通に生活できるようになりました。相変わらず常に寒さを感じ、喉も乾きやすく、疲れやすいのですが、家族も病気をよく理解していて、感謝しています。ただ、外出時に「緊急時のお願い」というカードを肌身離さず持ち歩いています。普通に暮らしつつも危険と隣り合わせなのだと思っています。
編集部
現在の体調、生活、仕事の様子を教えてください。
佐藤さん
体調は日によって違います。まだACTHが低値(4~11)で、コルチゾール値は0.2前後なので、コートリルを毎日5mg服用しています。倦怠感が出た時はコートリルを0.25mg頓服しています。少し忙しい日が続くなど倦怠感で動けない時は、休みながら生活しています。
編集部
最後に何か伝えたいことがありましたら、お願いします。
佐藤さん
国には難治性喘息を難病に指定し、バイオ医薬品をもっと安価で提供してほしいと思います。バイオ医薬品が高価なために治療のステップアップが出来ず、ステロイド漬けになり、私のような病気を併発している患者さんがたくさんいますので、どうかお願いします。
編集部まとめ
治療のための薬で副作用が出て、その副作用の治療が必要だけれども、高価すぎるバイオ医薬品は選びにくい、という悪循環で闘っておられる佐藤さんにその様子をお聞きしました。このような事例で闘っている方もほかにも多々いらっしゃると思います。薬価が安い治療法の開発が待たれます。




