【闘病】「難病でも楽しく生きられる」フラダンス講師の向き合い方《多発性筋炎》(2/2ページ)

目指すは健康優良難病患者!

編集部
多発性筋炎をよく知らない人に一言お願いします。
まゆさん
昨年、高畑充希さんが主演で、多発性筋炎を発症するという設定のドラマが放送されました。それでこの病気を知った方も多いと思います。でも、多発性筋炎を患う人がみんなドラマの主人公のような症状かと言われたら症状は人それぞれで本当に違います。それから私は周囲に自分の病気を意識してほしくない、「病気だからかわいそう」と思ってほしくないと考えています。なので私の病気を意識していない人には、そのまま健常者と同じように接してほしいですね。職場でも周囲の理解や気遣いで無理なく仕事をさせてもらっていますが、「病気だから」という理由で特別扱いされることが必ずしも私達難病患者にとって良いとは思っていません。難病でもできる、と思ってもらうことで難病患者も社会と共生していけると思うからです。
編集部
なるほど。そういう考えもあるんですね。
まゆさん
もちろん、皆が必ずしも私と同じ考えの人ばかりではなく、周りのサポートが必要な方もたくさんいらっしゃると思うので、そういう方の気持ちに寄り添い理解してもらえると、難病患者さんにも優しい世の中になるのではないかとも思います。
編集部
ぜひ、そうなっていってほしいですね。
まゆさん
そう思います。またヘルプマークのことも知ってもらいたいですね。難病患者さんなど病気を抱える人が身につけているマークなのですが、このヘルプマークがまだまだ世間に浸透していないのが現状です。是非ヘルプマークの存在が広まり、ヘルプマークを付けている人を見かけたらさりげなく声をかける優しい社会になっていくと嬉しいです。
編集部
医療従事者に望むことはありますか?
まゆさん
入院中はかなり精神的に参っていた時期もありましたが、看護師を始め様々な医療従事者の方の励ましや優しさに支えられ、辛い入院生活も乗り切ることができました。ありがとうございました。また、医療従事者という括りになるかはわかりませんが、私達の病気はまだ完治する治療薬がありません。いつか近い未来に治療薬が開発されることを期待しています。
編集部
ご自身の病気について、どのように捉えていますか?
まゆさん
難病に限らず病を患っている人はみんなそれぞれ毎日を生きるのに必死だと思います。でも、一つだけ言えることは「難病イコール不幸」ではないということ。タレントの乙武洋匡さんが「障害は不便だけど不幸ではない」と言っていたけれど、本当にその通りだと思います。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
まゆさん
私は人に恵まれ、サポートしてくれる友人や温かく見守ってくれる知人に囲まれて生きているので、むしろ本当に幸せです。そして当たり前だと思っていたことが当たり前ではなく、とてもありがたいことだと気付くことができ、それだけでも病気になった意味があると思っています。病気だから不幸だ、ではなく、病気だからこそこんなに幸せなんだよ、ということも私は発信していきたいです。「難病だって楽しく生きられるよ」という私の姿が、誰かの希望や勇気になればとても嬉しいです。これからも健康優良難病患者を目指して頑張っていきます!
編集部まとめ
もともと非常にアクティブだったというまゆさん。病気との向き合い方にもお人柄が出ていたように思います。また「人に恵まれている」ともおっしゃる通り、入院中のフラダンス教室の生徒さんとのエピソードなどはとても心が温まりました。多少の体調不良では仕事に穴は空けなかった昔の自分に「休む勇気を持ちなさい」と言いたい、というほど、体をケアすることは人生において大切な選択なのだと思います。そして、そんな紆余曲折を経ての「難病だって楽しく生きられるよ」という前向きな姿は、多くの人に希望や勇気を与えてくれるはずです。まゆさん、ありがとうございました。



