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【闘病】片頭痛と思っていた痛みは「脳動静脈奇形」によるものだった(2/2ページ)

 更新日:2025/04/23

我々の常識こそが、じつは隠れたストレスである

我々の常識こそが、じつは隠れたストレスである

編集部編集部

自主的な検査をする目安として、遺伝は関係ありそうですか?

宮崎 綾音さん宮崎さん

脳動静脈奇形の場合、遺伝要因はないそうです。もし、がんや糖尿病なら、家族歴がひとつの目安になるでしょう。しかし、頭痛に関して言えば、「あれこれ考えず、すぐ検査」という印象ですね。もし「原因不明」と言われたら、ほかの病院を再受診してでも、納得いくまで調べきっておきましょう。

編集部編集部

若い同世代の女性に向けても一言お願いします。

宮崎 綾音さん宮崎さん

循環器疾患は種類によって、妊娠が難しくなります。私の場合、出産時に息むと、脳血管が破裂するかもしれないと言われていました。脳動静脈奇形の好発は20~30代だそうですから、妊娠・出産の時期と関わりますよね。なおのこと、頭痛や片頭痛で片付けず、怖い病気を洗っておいてはいかがでしょうか。もちろん、出産は女性の義務ではありませんので、ご自身の健康管理の一貫として捉えてください。

編集部編集部

つらさ・悩みを共有してくれたキーパーソン、状況を変えた出来事などがあれば。

宮崎 綾音さん宮崎さん

母親の存在ですかね。病気にかかっている本人は、悩んだりへこんだりするのが当たり前です。しかし、患者を支える側の人が引いたらドミノ倒しになってしまうので、大変だったでしょう。「できることなら代わってあげたい」といつも言っていました。私自身、治療がつらくて、いつ治るともわからないので、「死んだほうが楽」というキツイ言葉をつい、投げかけてしまいました。反省しています。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

宮崎 綾音さん宮崎さん

私は病気を機に、考え方が大きく変わりました。じつは生活すること自体に、おおきなストレスが内在しています。人付き合い・世間体ほか、願望をかなえるための努力もストレスの一種ですよね。それよりも、「体をいたわることが優先」なのではないでしょうか。生活の糧にしても、「やりたいことをして稼ぐ」のが理想です。標準的に生きると案外、我慢を余儀なくさせられていて、その環境に慣れてしまいます。そんな現実に、病気が気づかせてくれました。

編集部まとめ

頭痛は身近な症状だけに、軽んじて捉えていたのかもしれません。「脳が含まれる頭の症状」という意味を、いま一度、振り返ってみましょう。そして、脳の怖い病気は、発見するのにも専門性が問われます。頭痛で悩む場合には、鎮痛剤に頼るだけではなく、一度は頭部MRI検査などの精密検査を受けることも考慮すべきでしょう。

この記事の監修医師