【闘病】悩まされてきた頭痛は「キアリ奇形」という”脳の病気”が原因だった(1/2ページ)

某アイドルグループの人気メンバーが罹患していることを発表し、メディアで話題に上がった指定難病「脊髄空洞症」と「キアリ奇形」。闘病者のながともさんは、頭痛や原因不明の体調不良に4年間悩まされながらも、病名が判明したとき「ホッとした」という。果たして、診断名がつかないことのつらさとは? 「脊髄空洞症」と「キアリ奇形」についての体験談を語ってくれました。
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2021年8月取材。

体験者プロフィール:
ながともさん
東京都在住、1974生まれ。離婚し高校2年と中学2年の子ども2人と3人暮し。病気が判明したときはパート勤務。以前から体に不調はあったものの、原因不明のためストレスや早い更年期障害と診断。2020年に腰痛の出現からMRIを受けることになり、指定難病の脊髄空洞症、キアリ奇形が判明した。その後、同年9月にキアリ奇形の手術をおこなう。現在は訪問リハビリを週1回受けながら自宅療養中。(2021年8月現在)

記事監修医師:
村上 友太
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。
ヘルニア治療でわかった「脊髄空洞症」「キアリ奇形」

編集部
病気が判明した経緯について教えてください。
ながともさん
2020年の1回目の緊急事態宣言が明けたころにヘルニアになったのですが、治療を続ける中で専門病院に行き、MRIで検査を受けたところ「脊髄空洞症」「キアリ奇形」が判明しました。
編集部
それぞれどんな病気なのですか?
ながともさん
脊髄空洞症とは、脊髄の中に脳脊髄液(髄液)と呼ばれる液体が溜まってしまい脊髄が「ちくわ」のような形になってしまう病気。この病気の多くは、キアリ奇形が原因で起こります。そのキアリ奇形というのは、生まれつきのもので、後頭部の奥にある小脳が脊髄の方へ下に落ち込んでいる状態のこと。症状としては、感覚障害や運動麻痺があります。
編集部
病気を自覚するような違和感などがあったのですか?
ながともさん
4年ほど前から、頭痛、左半身の関節痛、重だるさ、感覚異常、温痛覚異常などがあり、年々症状が強くなっていたんです。下の子(中学生)に障がいがあるため、ずっと介護をしてきたので、色々と病院に行っても介護による体調不良やストレス、少し早いけど更年期障害の可能性などの診断を受けていました。今考えるとその症状がこの病気の症状の始まりだったんですね。
キアリ奇形の手術を受ける

編集部
病気が判明したときの心境について教えてください。
ながともさん
脊髄空洞症、キアリ奇形が判明したときは、今までのつらい症状が説明にすべてあてはまっていましたし、病名がわかってホッとしました。
編集部
どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?
ながともさん
「キアリ奇形の手術をすると、脊髄空洞症の水疱も小さくなり、進行も止まります」。そして「一度傷ついた神経は回復しないから、痛みとは上手く付き合っていくしかないですね」と言われました。
編集部
その後、手術はおこなったのですか?
ながともさん
はい。早めの手術が望ましいということで、9月にキアリ奇形の手術をしました。術後は、頭痛やめまいが強く、起き上がることがなかなかできず、リハビリが進まなかったので、入院は長引くことになりました。
編集部
術後の体調が悪かったのは理由があったのですか?
ながともさん
はい。退院してから、手術した病院とは別の脊髄空洞症の専門医がいる大学病院で診ていただいたところ、「髄液が漏れていた可能性が高い」と言われました。



