【闘病】1日15回の下血で判明した潰瘍性大腸炎「あのとき放置しなければ」(2/2ページ)
「潰瘍性大腸炎」になって今、思うこと
編集部
治療中の心の支えはなんでしたか?
しょうたさん
彼女と家族です。彼女と付き合って半年ほどで発症し、そこからずっと側にいてくれています。緊急入院になったときも、片道1時間以上かかるところから入院に必要な荷物を持って来てくれて、土日は必ずお見舞いにも来てくれました。
編集部
良いパートナーですね。
しょうたさん
医師から「治療方法がないので大腸を全て摘出しましょう」と言われた時は、彼女が「セカンドオピニオンを受けよう」と言葉をかけてくれました。それがきっかけでセカンドオピニオンを受け、今、僕は大腸全摘出をせずに生きています。あの一言がなければ今頃、大腸全摘出していたかもしれません。発症から2年半後に温泉旅行に行ったとき、彼女が泣きながら「元気になって本当によかったね、こうやって旅行ができるなんて夢みたい」と言ってくれた言葉がとても嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
編集部
ご家族はどのように支えてくれていますか?
しょうたさん
家族は両親と弟がいて、今は離れて暮らしていますが、僕の入院中は毎回、車で7時間かけてお見舞いに来てくれます。僕が働けない時期は、たくさん仕送りもしてくれました。毎回ダンボール2箱くらいあって、あまりの多さに彼女とびっくりしています。仕送りは、今でも時々してくれています(笑)。すごく支えてもらっているので、これからもっと親孝行・弟孝行をし、感謝の気持ちを伝えていきたいです。
編集部
もし昔の自分に声をかけるとしたら、なんと言いますか?
しょうたさん
早期発見が大事と聞きますが、本当にそう思いました。1年半で大腸内視鏡検査を20回以上受けたり、できないことがたくさん出てきたりしたので、「下血があったら当日に病院に行け。若いからって放っておくと大変なことになるぞ」と伝えます。「早く病院に行っていたらこんなに辛い想いをしなくてもよかったのかも」とは、今でも思うことがあります。
編集部
現在の生活について教えてください。
しょうたさん
2020年1月から治験薬の治療を開始して、症状は落ち着いています。お手洗いも1日3〜4回で、腹痛もありません。ご飯を食べに行ったり、旅行したりも、体調と相談しながら少しずつできるようになりました。
編集部
では、潰瘍性大腸炎を意識していない人に一言お願いします。
しょうたさん
僕は「若いから大丈夫」「仕事優先」と思って3〜4ヶ月間病院へ行きませんでした。そしてこんなに辛い思いをしないといけなくなりました。少しでも身体がおかしいなと思ったら病院へ行ってください。早期発見は本当に大事です。また、潰瘍性大腸炎の辛さは、外見では判断できません。もし身近に潰瘍性大腸炎の方がいて、いつもより元気がないなと思ったときは「体調大丈夫?」と声をかけてあげてほしいです。その一言で安心します。
編集部
医療従事者に望むことはありますか?
しょうたさん
コロナですごく大変な中、いつも持病を持っている僕たちのことを治療して頂き本当にありがとうございます。今、潰瘍性大腸炎は完治しないと言われていますが、いつか完治できる薬が完成することを信じています。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
しょうたさん
僕の体験から、少しでも「潰瘍性大腸炎」という病気のことを知っていただけるととても嬉しいです。不便なことはありますが、僕はこれからも周りに感謝しながら、一生懸命生きていきます。ありがとうございました。
編集部まとめ
全体を通して、食べることや周りの人たちへの感謝を口にしていたしょうたさん。完治しない病気と向き合いながら前向きに生きていく姿勢が印象的でした。そして「まわりに同じ病気の人がいたら、気にかけてあげてほしい」、「少しでも身体がおかしいと思ったら病院に行ってください」という、闘病経験者ならではのメッセージを伝えてくれました。