【闘病】「息子を抱きしめられる幸せ」を糧に血液のがんと奮闘する20代・新米ママ(2/2ページ)

息子を抱きしめるなどの普通のことが幸せ

編集部
現在の体調や生活などの様子について教えてください。
Mさん
私の場合は、抗がん剤を打つと5日間は吐き気とだるさが出ます。6日目以降は吐き気は和らぎますが、今度は背部の痛みがつらくなります。体調が回復するまでに10日ほどかかり、15日目には次の抗がん剤を投与するという毎日。元気な3〜4日の期間が唯一の救いで、目が覚めて体が軽いと幸せを感じます。息子を抱きしめたり、大好きな料理をしたり、散歩をしたりと、普通のことが心を満たしてくれますね。
編集部
医師から転移などの話はありましたか?
Mさん
その後、骨髄穿刺(こつずいせんし)と生検をおこないましたが、現在は骨髄への転移はないと診断されています。
編集部
もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか?
Mさん
がんが見つかるまでの産後半年間は、ずっと倦怠感と寝汗に悩まされていました。当時は、勝手に世の中の産後のママはみんなこうなんだと思い込み、自己判断で痛み止めを飲んで毎日をやり過ごしていましたね。はじめての育児に子どものことで精いっぱいでしたが、今思えばもう少し自分を大切にして、早めに病院で相談していれば結果は違ったかもしれないよと言いたいです。でも無痛だったしこりを放置せず、数日後には病院へ行った点は良かったと思います。
編集部
「悪性リンパ腫」を意識していない人々に一言お願いします。
Mさん
自分の人生に「がん」というワードが出て来るなんて思いもしませんでした。家族にがんを患った人もいないので、正直ドラマの中の遠い世界に感じていたんです。でも、実際には誰の身にも起こりえます。私は、20代でがんが見つかりました。若いから大丈夫と過信せず、定期的に健康診断を受け、気になる症状がある時はすぐに病院へ行ってほしいです。
編集部
若いからといって過信せずというのは必要ですね。
Mさん
そうですね。私は、自分でリンパマッサージをしているときに偶然しこりを見つけました。見えない部分にがんがある可能性もあるので、病院で検査するのが1番ですが、自分で首筋や脇の下、股間節のあたりにあるリンパにしこりがないかセルフチェックすることをおすすめします。
編集部
医療従事者に望むことはありますか?
Mさん
私は治療にあたり不安がいっぱいでしたが、主治医は分かりやすく病気の説明や治療方針を説明してくださり、それだけでも不安は取り除かれました。また身体のことだけでなく、子育てとの両立も一緒に考えてくださり、副作用の出方についても考慮した助言をいただきました。がんに限らず、病は心にも影響すると思うので、心と身体の両方に寄り添っていただけると私たちは嬉しいです。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
Mさん
がんの種類はさまざまですし、読者さんの身に潜んでいる可能性もあります。なので、普段から頑張っている自分をいたわるような気持ちで、病院で健康診断を受けてほしいです。今私と同じように病と闘っている人たちは、毎日つらく苦しい治療と向き合っていると思いますが、一緒に頑張りましょう。
編集部まとめ
悪性リンパ腫という、血液のがんと診断されても明るく乗り越えようと日々闘病されているMさん。家族の支えや手助け、そしてSNSでつながる励ましの輪が病気や治療を乗り越えられる原動力となっています。しこりが気になり病院へ行ったことがきっかけで早期に治療をはじめることができたMさん。「気になったら病院へ」と早期発見への強いメッセージがそこにはあります。





