【闘病】新型コロナの「感染者」になっても「拡散者」にならずに済んだワケ(2/2ページ)

医療従事者への感謝と新型コロナウイルスの拡散リスク

編集部
退院から1週間ほど経って、体調の方はいかがでしょうか?
山田さん
悪化のピーク時と比べてかなり回復しましたが、少し早歩きをする場面でまだ息が上がって、すぐには呼吸が戻らないようなことはあります。
編集部
新型コロナウイルスの闘病生活を終えて、今の想いを教えてください。
山田さん
医療従事者の方々には感謝の気持ちしかないです。看護師さんは親切だったし、そこで救われた部分は非常に大きいです。主治医の先生は、毎日コミュニケーションを取ってくれました。説明は楽観的すぎる訳でもなく、それでいて不親切でもなく、簡潔にロジカルに必要最低限の情報を与えてくれていた印象です。ネガティブな予測などでも正直に話してくれて、すごく信頼できましたね。あと、会社のスタッフが頑張って私の不在をカバーしてくれました。闘病生活当初はすごく不安もありましたが、すごく良くやってくれてとても助かりました。
編集部
感染後の経営判断も大変だったのではないですか?
山田さん
かなり難しかったです。ただ、大切なお子さんを預かって仕事している以上、コロナを拡散させてしまうリスクを徹底排除すべきでしたし、保護者さんとの信頼関係は築けている自信はあったので、まだ感染の可能性があるという段階で、正直に状況をお知らせしました。後日、「実はあのときコロナのリスクがありました」と発表したり、隠していて発覚したりすることはスクールの信用をガタ落ちさせる行為だったと思います。
編集部
感染者への対応や医療体制などに改善を望むことはありますか?
山田さん
私の場合、入院してからものすごく安心感を得られた一方で、外界との接触を断たれ、孤独の中で過ごすホテル療養期間の不安はものすごく大きかったので、そこの落差がなくなると良いのかなと思います。症状が悪化しない人には問題ないと思いますが、悪化する人にとってはもう少し直接的なケアをしてもらえると精神的な安定につながるのではないでしょうか。
編集部
新型コロナウイルスについて読者に伝えたいことはありますか?
山田さん
感染した場合はもちろんですが、その疑いのある人は、自分が他人に拡散させないように務めてほしいです。PCRなどの各種検査は受けるのが早すぎたり、時期が適切でなかったりすれば、正しい結果は得にくいので、検査後の行動によって感染を拡大させてしまいかねません。偽陰性ということだってあります。なので、新型コロナウイルスにはどんなリスクや可能性があるのかを広く知っておいてもらいたいですね。あと、シンプルにコロナはしんどいよってことは言いたいです。世間的に、「若い人は平気で高齢者は重症化しやすい」と言われますけど、私はちょうどその中間ぐらいの40代ですが、私が体感したコロナはかなり辛いものでしたということです。
編集部まとめ
自身や近親者が保健所から「濃厚接触者ではない」と告げられたからといって、必ずしもその結論に疑いの目を持つ必要はないでしょう。しかし、新型コロナウイルス感染症に対する正しい知識を持って行動しなければ、他人を感染させてしまうリスクがあることを日々肝に銘じたほうが良さそうです。家族・仲間・仕事など、大切にしている何かを守るためには、参考にする価値がある向き合い方と言えるのではないでしょうか。




