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【漫画付き】生理中はお酒を飲まない方がいい? 生理痛がひどくなるって本当?

 更新日:2023/03/27
【漫画付き】生理中でもお酒が飲みたい…なぜ生理中はあまりお酒を飲んじゃいけないの?

普段から飲酒することで息抜きをしている人にとっては、1週間ほど続く月経期間は完全に禁酒、ではちょっとつらいもの。月経期間は飲酒すべきでないというのは、本当なのか。飲むとどんな反応が起こるのか。また、飲酒以外で気をつけることについても、高山産婦人科・内科の高山先生にお答えいただきました。

高山 慶一郎

監修医師
高山 慶一郎(高山産婦人科・内科 院長)

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1982年に東海大学医学部を卒業、1984年に東京慈恵会医科大学附属病院産婦人科に入局。1999年より茅ヶ崎市立病院産婦人科医長、2012年より部長を歴任。2014年に高山産婦人科・内科を開業。医学博士。日本産科婦人科学会専門医、日本臨床細胞学会細胞診専門医の資格も有する。

飲み過ぎると出血が増え、生理痛がひどくなる可能性も

飲み過ぎると出血が増え、痛みがひどくなる可能性も

編集部編集部

なぜ月経期間は飲酒をすべきではないのでしょう?

高山 慶一郎高山先生

飲んではいけないわけではありません。過度のストレスは身体によくないので、ストレス発散という意味では、飲むことも一つの方法ですから、飲んでリラックスできるのであれば、多少ならよいと思います。ただ、月経中に限らずですが、身体にとって飲み過ぎはよくありません。

編集部編集部

飲み過ぎるとどうなるのでしょう?

高山 慶一郎高山先生

アルコールを飲むと血管が拡張し、必要以上に出血を増やしてしまう可能性があります。多少であれば、苦痛を緩和する作用もありますが、飲み過ぎると出血が多くなり、月経痛がひどくなる可能性が高まります。月経中の飲み過ぎは控えたほうが良い、といわれるのはそのためです。

編集部編集部

月経期間の飲酒は酔いやすいと聞いたことがあります。

高山 慶一郎高山先生

そうですね。月経期間は体内の血液が失われ、かつ子宮周辺へ血液が集まっている状態です。なので普段より血中のアルコール濃度が高くなり、アルコールの影響を受けやすくなります。

編集部編集部

飲酒以外に、飲み物や食べ物で気をつけたほうがいいことはありますか?

高山 慶一郎高山先生

女性は1回の月経周期で、50~100mlの出血があるといわれています。血液中のヘモグロビン量が減ると、酸素を全身に運ぶ能力が低下するため、貧血になりやすくなります。症状は、めまい、疲れやすい、頭痛などさまざまです。出血した分の血液を補うためにはバランスの良い食事が大切です。また、貧血の予防や改善のためには、鉄分や亜鉛を多く含む食べ物をしっかりとるようにしましょう。

月経期間だけでなく、月経前も要注意

月経期間だけでなく、月経前も要注意

編集部編集部

月経直前の飲酒はいかがでしょうか?

高山 慶一郎高山先生

こちらも推奨はできません。月経前の飲酒も同様に生理痛をひどくする要因になり得ます。

編集部編集部

詳しくお願いします。

高山 慶一郎高山先生

まず、月経直前の体の状態について説明しましょう。子宮内で黄体ホルモンが分泌され、血管が拡張していますから、子宮内膜には血液が多く巡りうっ血したような状態になっています。その状態が月経の何日前から始まるかは個人差がありますが、月経前に下腹や腰のあたりが重い、だるいと感じるときは、うっ血した状態といえるでしょう。

編集部編集部

なぜうっ血した状態で飲酒したら痛みがひどくなるのですか?

高山 慶一郎高山先生

飲酒すると、さらに血管を拡張させてうっ血を促進し、子宮内膜が圧迫されるので痛みが強く出るのです。アルコールを飲むか飲まないかは自己判断ですが、痛みが出やすい人はとくに、この時期の飲酒には注意したほうがよいでしょう。

痛みや精神的な不安は、薬を上手に使って改善を

痛みや精神的な不安は、薬を上手に使って改善を

編集部編集部

痛みがひどいときの正しい対処法について教えてください。

高山 慶一郎高山先生

つらいときは、対症療法で痛み止めの薬を飲むことをおすすめします。痛みを我慢していると、身体がさらに緊張して痛みが増す場合もありますから。ただし、薬に対するアレルギー反応がある方は、事前に病院でご相談ください。

編集部編集部

月経中は、精神的に不安定になりやすいのはなぜでしょう?

高山 慶一郎高山先生

ホルモンバランスと関係があるようです。また、月経になると痛い、辛い、という印象がそれまでの経験で脳にインプットされ、月経がくると精神的に不安定になる、ということもあると思います。

編集部編集部

それに対する対処法はありますか?

高山 慶一郎高山先生

月経はそんなに辛いものではない、と自分に覚えこませることが重要です。痛みなどの不快な症状を改善するためには、ピルや漢方薬を利用することをおすすめします。どの方法が良いかはその人の体質や生活習慣などにもよりますから、いずれにしても、婦人科の先生に相談していただくのがよいと思います。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあればお願いします。

高山 慶一郎高山先生

女性の体は非常にデリケート。お酒が好きな方に飲むな、とは言えませんが、何事も適量が大切です。飲む量をリラックスする程度に控えて、体を大切にするようにしましょう。

編集部まとめ

月経期間の飲酒は、気分がリラックスできる程度なら飲んでも構わないということ。ただし、月経中は子宮内膜が収縮して不要になった血管などを身体の外に出そうとしている時期。アルコールで血管が拡張すると、出血が促進され、痛みがひどくなる場合があるため、あくまでも飲み過ぎないようにしましょう。

医院情報

高山産婦人科・内科

高山産婦人科・内科
所在地 〒253-0105 神奈川県高座郡寒川町岡田5-5-8
アクセス JR相模線「寒川駅」から徒歩15分
診療科目 産婦人科・内科

この記事の監修医師