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扁桃腺といびきの関係は?対策についてもご紹介

 公開日:2024/01/10
扁桃腺といびきの関係

扁桃腺といびきの関係には密接なつながりがあります。扁桃腺は喉の奥に位置し、免疫系の一部として働いている器官です。

しかし、一部の人は扁桃腺が腫れたり肥大化したりします。この状態は扁桃腺肥大と呼ばれ、いびきの原因のひとつです。

いびきは睡眠の質を低下させ、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。

いびきに悩んでいる方は、扁桃腺の状態を確認し、適切な対策を行うことで質の高い睡眠と健康を取り戻しましょう。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(TOTO関西支社健康管理室産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。2023年、TOTO関西支社健康管理室産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

扁桃腺といびきの関係

医師と患者さん
扁桃腺といびきの関係について下記にまとめました。

  • 扁桃腺とは
  • 扁桃腺が腫れるといびきが出やすくなる

上記について詳しく解説していきましょう。

扁桃腺とは

扁桃腺とは、口腔内に存在して免疫の役割を果たす器官です。
ウイルスや細菌などの病原菌から体を守る役割を持っており、空気中の病原菌が扁桃腺に付着することで炎症を引き起こします。
扁桃腺の炎症による症状は、喉の痛み・発熱・頚部のリンパ節の腫れなどです。また、耳や側頭部にも痛みが広がるでしょう。
扁桃腺炎の主な原因は、風邪・疲れ・ストレス・気温の変化・喉の乾燥などです。これらの要因が病原菌の増殖を促し、扁桃腺に炎症を引き起こします。
扁桃腺の炎症に注意し、早めの対処を行うことで症状の軽減や合併症の予防につながるでしょう。

扁桃腺が腫れるといびきが出やすくなる

扁桃腺の腫れは喉の奥に位置しているため、気道に近いです。そのため、扁桃腺が腫れると、いびきが出やすくなります。
腫れている扁桃腺が気道を圧迫したり、通気を妨げることで、いびきが引き起こされる場合があるでしょう。
扁桃腺の腫れによるいびきは、主に睡眠時に顕著に現れます。睡眠時に筋肉の緊張が緩んで舌や扁桃腺が気道に垂れ下がることで、空気の通り道が狭くなる点が特徴です。
その結果空気が通りにくくなり、いびきが発生する可能性が高くなります。このようにいびきが発生する場合は、扁桃腺の腫れが原因の可能性があるため注意しましょう。

いびきが出やすくなる扁桃肥大とは?

試験管
いびきが出やすくなる扁桃肥大について下記にまとめました。

  • 扁桃肥大の原因
  • 扁桃肥大の症状
  • 扁桃肥大の診断方法

上記について詳しく解説していきましょう。

扁桃肥大の原因

扁桃腺の肥大は、以下のような要因によって引き起こされます。

  • 慢性的な扁桃腺炎:反復する扁桃腺炎により、扁桃腺が炎症を繰り返し肥大する
  • 感染症:ウイルスや細菌による感染症が扁桃腺に影響を与え、肥大を引き起こす
  • アレルギー反応:アレルギーによる炎症反応が扁桃腺に影響を与え、肥大を引き起こす
  • 遺伝的要因:遺伝的な要因も扁桃腺の肥大に関与する
  • 環境要因:環境中の刺激物や汚染物質が扁桃腺に影響を与える

扁桃腺の肥大による症状や問題がある場合には、医師の診断と適切な治療を受けることが重要です。

扁桃肥大の症状

ハートを持つ男性医師
扁桃腺の肥大による一般的な症状は次のとおりです。

  • 喉の痛み:扁桃腺が腫れていると、喉の奥や喉に痛みや不快感をおぼえる
  • 咳や喉の刺激感:扁桃腺の腫れが気道に圧力をかけるため、咳や喉の刺激感を引き起こす
  • 発熱:扁桃腺が炎症を起こしている場合、発熱が起こる
  • 喉の腫れや赤み:扁桃腺が腫れていると、喉の周りに腫れや赤みが現れる
  • 咽頭異物感:扁桃腺の肥大により、喉に異物感をおぼえる
  • 呼吸困難やいびき:扁桃腺の腫れが気道を狭めることで、呼吸困難やいびきが生じる

扁桃腺の肥大による症状は、個人によって異なる場合があります。症状が続く場合や重度の場合は、医師の診断と適切な治療を受けることが重要です。

扁桃肥大の診断方法

扁桃腺の肥大を診断するために、以下の診断方法が一般的に使用されます。

  • 症状の評価:医師が患者さんの症状を詳しく聞き取り、喉の痛み・発熱・咳などの症状の有無や程度を把握する
  • 口腔内の視診:医師は患者さんの口腔内を視診し、扁桃腺の腫れ・赤み・膿などの徴候を確認する
  • 手指による触診:医師は患者さんの喉を触診し、扁桃腺の大きさや状態を評価する
  • 超音波検査:重度の扁桃肥大や合併症の可能性がある場合、超音波検査が行われる
  • 血液検査:必要に応じて、血液検査が行われる

上記の診断方法により、扁桃腺の肥大が確認され、その原因や程度が評価されます。
診断は医師によって行われるべきであり、症状が続く場合や不安がある場合は医療専門家に相談しましょう。

扁桃肥大がいびきに及ぼす影響

問診票
扁桃肥大がいびきに及ぼす影響を下記にまとめました。

  • 気道が狭くなることでいびきが起こる
  • 睡眠時無呼吸症候群を引き起こすことも

上記について詳しく解説していきましょう。

気道が狭くなることでいびきが起こる

扁桃腺の肥大が進行すると、それが気道を圧迫し、結果として気道が狭窄化します。
これは特に寝ているときや夜間に顕著で、重力の影響で扁桃腺が気道に圧迫を及ぼしやすくなるためです。
気道の狭窄化が起こると、空気の流れが乱れ、振動が生じるためいびきの原因となる可能性があります。
しかし、扁桃腺の肥大がいびきにどれだけ影響を及ぼすかは、個々の状況によるでしょう。

睡眠時無呼吸症候群を引き起こすことも

扁桃腺の肥大が進行すると、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome、 SAS)を引き起こす可能性があります。
SASは、睡眠中に一時的な呼吸停止や低酸素状態が繰り返される症状です。
扁桃腺の肥大によって気道が狭まり、空気の通りが阻害されることで、呼吸が一時的に停止する状態が生じます。
これにより、睡眠中に頻繁に目覚めたり睡眠の質が低下したりするでしょう。
睡眠時無呼吸症候群の診断は、睡眠時の呼吸パターンや酸素レベルのモニタリングを行うポリソノグラフィ検査で行われます。
正確な診断と適切な治療を受けることが重要です。

子どものいびきの原因は扁桃肥大の場合が多い

カルテ
扁桃肥大やアデノイド肥大は、子どものいびきの主な原因とされています。
口蓋扁桃と咽頭扁桃(アデノイド)は、喉の奥に位置するリンパ組織で、肥大する可能性があるでしょう。肥大が進行し気道が狭くなると、いびきが発生します。
また、慢性鼻炎・アレルギー性鼻炎・花粉症などの鼻の問題による鼻づまりは、口呼吸を引き起こす原因となります。
口呼吸によって下顎と舌根部が喉の奥に下がり、気道が狭くなりいびきを引き起こす可能性があるでしょう。
その他にも肥満・下顎後退・小顎などもいびきの原因となることがあります。子どものいびきの原因を正確に特定するためには、医師の診断が必要です。
いびきの原因に応じた適切な対策を行い、子どもの健康と良質な睡眠をサポートしましょう。

いびきの対策方法

顔をおおう女性
いびきの対策方法を下記にまとめました。

  • いびき対策アイテムを使う
  • 横向きで寝る
  • 体型管理をする
  • 寝室の湿度を保つ

上記について詳しく解説していきましょう。

いびき対策アイテムを使う

いびき対策アイテムを使用することで、いびきの軽減や改善が期待できます。以下に代表的ないびき対策アイテムをご紹介します。

  • いびきストッパー(いびきベルト):頭部や顎をサポートし、気道の開口を保つ役割があり、いびきの原因となる口の開きを防ぐ器具
  • ノーズストリップ(鼻テープ):鼻の通り道を広げ、鼻づまりや鼻呼吸の困難がいびきの原因の場合に有効
  • 口蓋帆の支持具:口蓋帆(喉の奥の部分)の開閉をサポートし、口蓋帆の弛緩がいびきの原因となる場合に効果が期待できる
  • 睡眠時無呼吸症候群(睡眠時無呼吸)用マウスピース:睡眠時無呼吸症候群によるいびきに対して使用されるマウスピース

いびき対策アイテムは個人の症状や好みに合わせて選ぶことが重要です。使用する前には使用方法や注意事項を確認し、適切に利用するようにしましょう。

横向きで寝る

横向きで寝ることは、いびきを軽減する効果があります。いびきの多くは仰向けで寝ることによって気道が狭くなることが原因です。そのため、横向きで寝ることで気道の開口を確保し、いびきを軽減できます。
適切な高さの枕を使用し、頭部を少し高くすることで気道の開放を促しましょう。体を少し傾けて寝ることも効果が期待できます。
ボディピローを丸めて体の両側に置き、体をサポートすることで横向きで寝やすくなります。特別に設計された横向き寝用具を使用することで、体を横向きに保てるでしょう。
横向きで寝ることはいびき対策の一環として有効ですが、個人の状況や好みに合わせて適切な方法を選んでください。また、他の睡眠障害が疑われる場合は医師に相談しましょう。

体型管理をする

グーサインする女性
いびきの予防には、体型管理が重要です。肥満によって頸部に脂肪が沈着し、気道が狭窄しやすくなるため、いびきが生じると考えられています。
肥満に対する減量方法として、食事療法と運動療法の併用が推奨されています。
規則正しい食事や適度な負荷の運動を取り入れることで、肥満を改善できるでしょう。
しかし、個々の体型や健康状態に応じたアプローチが重要です。医師や専門家の指導を受けながら、適切な減量方法を選択しましょう。

寝室の湿度を保つ

寝室の湿度を適切に保つことは、いびき対策の一環として効果が期待できるでしょう。
乾燥した環境では、喉や鼻の粘膜が乾燥しやすくなり、いびきが悪化する可能性があります。
加湿器を寝室に設置することで、空気中の湿度を上げられるでしょう。適切な湿度は40〜60%程度が目安です。
例えば湿気を逃がしやすい素材や通気性の良い寝具や枕を選ぶことで、湿度を調整しやすくなります。
湿度が適切に保たれることで、喉や鼻の粘膜が潤いを保ち、いびきの改善につながる可能性があります。
ただし、湿度が高すぎる環境はカビやダニの発生のリスクがあるため、適度な湿度を保つように注意しましょう。

いびきが出やすくなる扁桃肥大の治療方法

悩む男性
いびきが出やすくなる扁桃肥大の治療方法を下記にまとめました。

  • 基本的には経過観察
  • 大きくなりすぎた場合は切除手術

上記について詳しく解説していきましょう。

基本的には経過観察

扁桃肥大の治療は、一般的に日常生活に支障がない場合は特に必要ありません。
ただし、感染が原因で扁桃肥大が起こっている場合は、抗生物質を用いた薬物治療を行い炎症を鎮める可能性があります。
しかし、扁桃肥大によって睡眠や食事に問題が生じたり、頻繁な扁桃炎を繰り返す場合は、扁桃摘出手術(扁桃腺摘出術)が検討されるでしょう。
治療方法は個人の症状や状態に応じて決定されるため、医師との相談が重要です。医師は患者さんの症状や状態を総合的に評価し、適切な治療法を提案してくれます。

大きくなりすぎた場合は切除手術

男性医師
以前は、扁桃が肥大しているだけで摘出手術が行われることがありましたが、現在では日常生活に大きな支障がある場合に手術を検討する傾向があります。
特に子どもの場合は、成長に伴い扁桃が自然に小さくなることがあるため、すぐに手術を行わずに経過観察を行います。
扁桃摘出手術を検討する場合は、以下のような状況が考慮されます。

  • 扁桃が反復して腫れて発熱が繰り返される(年に3〜4回以上)
  • 扁桃に細菌が定着し、発熱のたびに血尿が見られるなど腎炎のリスクがある
  • 呼吸が困難で、睡眠時に無呼吸が見られる
  • 飲み込みや食事に支障があると疑われる

なお、扁桃は免疫機能を持つ重要な組織ですが、口蓋扁桃の摘出によって問題はないと考えられています。
ただし、他の扁桃組織(アデノイドや舌根扁桃)が存在するため、総合的な判断が必要です。最終的な治療の選択は医師との相談に基づいて行われます。

編集部まとめ

笑顔の男性
扁桃腺といびきの関係は密接であり、扁桃腺の炎症や肥大がいびきを引き起こす可能性があります。

いびきが頻繁に起き、睡眠の質や日常生活に支障をきたしている場合は、早めに医師の診断を受けてください。

いびきは単なる鼻詰まりや寝方の問題だけではなく、扁桃腺の状態や睡眠時無呼吸症候群といった深刻な疾患のサインの可能性があるでしょう。

病院での専門的な診察と検査を受けることで、正確な原因を特定し、適切な治療法を選択できます。

早期の診断と治療は、いびきや関連症状の改善につながり、健康な睡眠と良質な生活を取り戻す助けとなるでしょう。

この記事の監修医師