顔のシミを消したい方へ|セルフケアと皮膚科での治療方法を解説
顔にできてしまったシミを気にしている方の中で、有効なセルフケア方法を探している方も多いのではないでしょうか。
顔のシミには種類があり、セルフケアが有効なシミがあります。しかし、セルフケアでは対処できない、皮膚科での治療が必要なシミもあるのです。
今回は、セルフケアでシミを薄くする方法と皮膚科で治療する方法をそれぞれまとめました。
顔のシミをどうにか消したいと悩んでいる方は、ぜひ最後までチェックしてください。
監修医師:
金 仁星(医師)
化粧品検定2級、英語発音指導士® 所有
目次 -INDEX-
顔のシミを消したい方へ
シミを消したいと考えている方は、まず自分のシミがセルフケアで消せるシミなのかどうかを確認しましょう。
シミには種類があり、気になるシミがどのタイプのシミなのか知ることが第一歩です。
シミを本気で消すためのケア・医薬品・美容施術について医師が解説します。
また、消せないシミをいくらセルフケアで消そうとしても消えず、間違ったケアはかえって肌にダメージを与えてしまいます。
まずは、顔にできたシミの種類を知るために、自己判断が難しい場合は皮膚科へ相談してください。
気になるシミに対して、適切な対応をすることでシミに対する悩みが解決するでしょう。
シミの種類
シミの種類は、主に以下の6種類に分類できます。
- 老人性色素斑
- 炎症後色素沈着
- 脂漏性角化症
- そばかす
- 肝斑
- ADM(後天性真皮メラサイトーシス)
聞いたことがある症名もあれば、初めて耳にするものもあるかもしれません。それぞれ詳しく解説していきましょう。
見た目だけでは自身での判断が難しいシミもあります。シミの種類を判断しにくい場合は、皮膚科で医師の診断を受けてください。
老人性色素斑
老人性色素斑は、別名「日光性黒子」といわれています。紫外線が原因とされるシミで加齢に伴い、シミが現れることから症名がついています。
見た目の特徴としては、褐色〜黒色の1cm前後のシミです。若い方にも生じることがありますが、60代以降の高齢の方に多く見られます。
老人性色素斑は、紫外線の浴びすぎにより、メラニンを過剰生産することでできてしまうシミです。そのため、老人性色素斑はメラニンの生産を抑え、排出を促すことによって消せます。
老人性色素斑で悩む方は、まず肌のターンオーバーを促すために保湿や紫外線対策などを徹底するのがおすすめです。
炎症後色素沈着
炎症後色素沈着は、肌の炎症が起こった跡に残るシミです。やけど・ニキビ・虫刺され・湿疹などの炎症が引いた後、その部分が茶色から黒くなります。
このような炎症があった部分にできる炎症後色素沈着は、自然に薄くなっていくことが多いです。
適切なケアをすることで1年ほどで消えることが多いともいわれています。しかし、どこまで薄くなるかは個人差があります。
セルフケアで炎症後色素沈着によるシミが消えないと感じた場合は、皮膚科で相談してみるのもおすすめです。
脂漏性角化症
脂漏性角化症は、円形・楕円形のいぼ状の原因不明の症状です。
高齢者にできることが多く、どこにでも生じる症状ですが、特にこめかみにできやすいとされています。
大きさ・色・形状は個人差があり、悪性黒色腫と区別がつきにくいこともあります。自己判断せず、医療機関でみてもらうのがよいでしょう。
また、セルフケアで対処することはむずかしいので、皮膚科にて適切な処置を受けてください。
そばかす
そばかすは、雀卵斑ともいわれるシミの一種です。ほかのシミとの区別がつきにくいですが、そばかすは遺伝によって形成される小さなシミが左右対称にできるものです。
そばかすは、年齢を重ねるうちに薄くなることが多いため、治療を検討している方は様子をみるのもよいでしょう。
しかし、年齢を重ねても薄くならない場合や、どうしても気になる場合は皮膚科での治療を受けることで改善できます。
肝斑
肝斑の特徴は、シミの輪郭がぼやけている点です。女性ホルモンのバランスが崩れる、更年期に入る時期にできやすいといわれています。
肝斑は左右対称にできることが多く、頬や鼻の下、口周りに生じやすいです。
ホルモンバランスが原因とされているので、一度できてしまった肝斑を完璧にセルフケアで消すのは難しいです。
また、ほかのシミとの合併が生じやすく区別がつきにくいので、治療を希望する場合は、皮膚科に相談しましょう。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、真皮内にメラノサイトが生じることにより発症する症状です。
思春期以降の女性の顔にでき、顔の中でも特に頬骨にできることが多いとされています。
シミのサイズは、1〜3mm程度で、褐色・灰色・青色と様々な色を生じます。また、左右対称に症状がでることが多いです。
真皮に原因があるシミのため、セルフケアでは行き届いた対処ができないです。そのため、ADM(後天性真皮メラノトーシス)が疑わしい場合は、皮膚科を受診しましょう。
セルフケアが有効なシミ
基本的に、紫外線が原因で発症するシミはセルフケアが有効とされています。
- 老人性色素斑
- 炎症後色素沈着
上記2種類のシミはセルフケアによって薄くすることが可能なシミです。
自宅で適切なケアをすることで、気になるシミが目立たなくなります。肌のターンオーバーを促すことを意識した美白や保湿ケアを心がけましょう。
これらのシミに悩む方は、後述する「シミのセルフケア方法」を参考にしてください。
しかし、老人性色素斑・炎症後色素沈着を患ってから時間が経過すると、セルフケアでは対処できない場合もあります。
セルフケアでなかなか効果が出ない場合は、すぐに皮膚科を受診して適切な処置を受けましょう。
セルフケアでは消せないシミ
シミの中には、セルフケアではどうしても改善できないものもあります。悩んでいるシミがどの種類のシミなのかをまずは、知っていきましょう。
- 脂漏性角化症
- そばかす
- 肝斑
- ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
以上の4種類のシミは、セルフケアでは消せないシミです。これらのシミに悩む方は皮膚科に足を運び、適切な治療を受ける必要があります。
間違ったケアをしてしまうと、かえって肌にダメージを与えてしまいかねません。まずは皮膚科に相談しましょう。
顔のシミをセルフケアで薄くする方法
顔にできたシミをセルフケアで薄くするためには、肌のターンオーバーを促すことが重要です。
肌のターンオーバーを促すといっても、具体的な方法がわからなければ対応できません。
そこで今回は、シミをセルフケアで薄くする方法を紹介します。
おすすめのセルフケアの方法は以下の5つです。
- スキンケアを正しく行う
- UVケアを徹底する
- 医薬品を使用する
- 美顔器を使用する
- 食生活を見直す
それぞれの項目について、詳しく説明していきます。
セルフケアで顔にできたシミを消したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
スキンケアを正しい方法で行う
まずは、スキンケア方法を見直しましょう。肌のターンオーバーを促すためには、クレンジングでメイクをしっかり落とし、洗顔で角質をきれいに落とす必要があります。
また、化粧水・乳液・パックなどの洗顔後のケアアイテムは、保湿成分・美白成分が高いものを選んでください。
スキンケアの手順は以下の通りです。
- クレンジング・洗顔で顔を清潔に
- 美白化粧水・乳液でしっかり保湿し、美白成分を注入
- 美白パックでさらに保湿・美白成分を注入
- 美白美容液で仕上げ
スキンケアでは、余分なものを取り除き、美白・保湿を意識してケアすることが重要です。
簡単なケアでも、保湿成分・美白成分が高くシミのケアに適したものを使用すれば、しっかり効果が出てきます。
入念にUVケアする
シミは、紫外線が原因で発生・悪化します。シミを悪化させないためにも、入念なUVケアをしましょう。
紫外線対策として、日焼け止めや日傘などを使用するのはもちろんですが、紫外線を浴びた後のケアも重要です。
紫外線を浴びた後は、72時間以内に肌を冷やしてクールダウンしましょう。また、日焼け後の保湿も徹底してください。
また、シミを気にしている方は、海・プールなど紫外線が強い場所へ出向くのを避ける方が良いでしょう。
医薬品を使用する
シミのセルフケアには、ドラッグストアで購入可能な市販の医薬品も効果的です。
シミを薄くするための飲み薬や塗り薬を服用することで、一定の効果が期待可能です。また、市販のピーリングも肌のターンオーバーを促し、シミを薄くできます。
市販で購入できる医薬品は、皮膚科で処方されるものと比べると有効成分の含有量が少ないので、効果が出るまで時間がかかる場合もあります。
市販の医薬品でケアする場合は、肌に合っているかを確認しながら使用してください。
美顔器を使用する
イオン導入器・LED美顔器といった種類の美顔器は、顔のシミをセルフケアするのに有効です。
イオン導入器には、美肌成分を肌の奥まで届けたり、古い角質を除去する効果があり、肌のターンオーバーを促します。
また、LED美顔器は新陳代謝を上げることによりターンオーバーを助けてくれます。自分にあった美顔器を選んでください。
食生活を見直す
意外かもしれませんが、食生活を見直すことはシミのセルフケアにつながります。抗酸化物質を含む食材を積極的に摂取することで、シミができにくくなります。
以下の成分を含む食材を積極的に取り入れてください。
- ビタミンC
- ビタミンA
- ビタミンE
- ポリフェノール
- エラグ酸
- リコピン
- L-システイン
- フラボノイド
食材での摂取が難しい場合は、サプリメントを服用するのもよいでしょう。
顔のシミを皮膚科で治療する方法
それでは、顔のシミを皮膚科で治療する場合、どのような方法があるのでしょうか。シミの種類によって適切な処置方法は異なります。
- 脂漏性角化症
- そばかす
- 肝斑
- ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
上記4種類のシミで悩む方は、セルフケアで対処するのは難しいので、皮膚科で適切な治療を受けましょう。
また、上記以外のシミでもセルフケアでなかなか消えない場合は、一度皮膚科で相談してみましょう。
間違えたセルフケアを続けてしまうと、シミが悪化してしまうケースもあるので注意してください。
皮膚科でシミに有効な処置は、以下の3通りです。症状によって、適切な処置が異なるので医師と相談して治療方法を決めてください。
それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
ピコレーザー
ピコレーザーは、脂漏性角化症・肝斑・そばかす・ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)などシミ全般に有効な処置方法です。
レーザーと聞くと痛みを心配される方も多いかと思います。しかし、ピコレーザーは、従来のレーザーと比べると照射時間が短いため、痛みが抑えられるのが特徴です。
また、痛みが心配な方は、麻酔の取り扱いのあるクリニックを選ぶとさらに安心でしょう。
ピコレーザーは、個人差もありますがダウンタイムも必要ないことが多いです。そのため、施術後はメイクをしたりケアをしたりいつも通りに過ごせます。
副作用に関しては、肌状態によればごく稀に色素沈着が起こる場合もありますが、ない場合がほとんどです。
ピコレーザーは、従来のレーザー治療と比べて短期間で効果が期待できるのが魅力です。シミへの効果は、1〜3回程度で効果を実感できるとされています。
フォトフェイシャル
フォトフェイシャルは、そばかすや一般的なシミに有効な治療方法です。
施術によりシミが濃くなってしまうという声も見受けられるので、医師と相談して自分のシミにあった処置用法なのか確認してください。
フォトフェイシャルは、シミだけではなく毛穴・ニキビ跡・たるみなどあらゆる肌の悩みを解決してくれます。
そのため、シミ以外にも気になる肌トラブルがある方にぴったりです。
副作用としては、稀に痛み・腫れ・かゆみなどを生じることがありますが、数時間〜数日で症状は治まります。
施術回数を重ねることでより効果を発揮されるので、1ヶ月に1回のスパンで肌の状態を見ながら定期的に通うのがおすすめです。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、日焼けが原因でできる小さなシミに効果的な治療方法です。肌の角質を取り除くことで、肌のターンオーバーを促すことでシミを薄くしていきます。
脂漏性角化症・そばかす・肝斑・ADM(後天性メラノトーシス)といったシミへの効果は期待できないでしょう。
悩んでいるシミにケミカルピーリングが有効かどうかは、まずは皮膚科に相談してみることが重要です。
ケミカルピーリングが有効なシミであれば、施術は2週間に1回できます。ケミカルピーリングは、短期間での治療を目指せるのがポイントです。
編集部まとめ
シミには様々な種類があり、それぞれ対処方法が異なります。顔にできてしまったシミを消すためにはまず、皮膚科に足を運びシミの種類を確定することが大切です。
自分が悩んでいるシミの種類がわかったら、セルフケアで対処できるのか皮膚科での治療が必要なのかを医師と相談してください。
自己判断で間違えたケアをしてしまうと、シミがかえって悪化してしまう可能性も考えられます。顔のシミで悩む方は、皮膚科を受診して、適切な処置方法を知りましょう。
参考文献