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咽頭がんの種類別の症状|咽頭がんを早期発見するための検査方法や治療方法を解説

 公開日:2024/09/30
咽頭がんの種類別の症状|咽頭がんを早期発見するための検査方法や治療方法を解説

喉に違和感があり、食事や会話でお口を開けにくく感じた場合、咽頭や喉頭の病気が隠れている可能性があります。

咽頭がんは、咽頭に発症する頭頸部がんの一種です。咽頭は上咽頭・中咽頭・下咽頭の3つに分類され、症状や治療方法が少し違います。

長期間飲酒や喫煙の経験がある方は咽頭がんのリスクが高くなります。咽頭がんは、早期発見で完治が期待できるがんです。

本記事では、咽頭がんの種類や検査・治療方法などを解説します。気になる症状がみつかったら早めに医療機関で受診しましょう。

荒木 進

監修医師
荒木 進(モーニングクリニック六本木内科耳鼻咽喉科OR)

プロフィールをもっと見る
1991年 東京医科大学医学部卒業、東京医科大学耳鼻咽喉科学教室入局
以後、オーストラリア・メルボルン大学助手(難聴の基礎研究)、東京警察病院医員、厚生中央病院医長、東京医科大学霞ヶ浦病院科長を歴任
2008年 東京医科大学准教を退職し、千葉県流山市内で開業
2009年1月 東京医科大学兼任准教授就任
2017年12月 東京医科大学兼任准教授就任を退職し、都内六本木に「モーニングクリニック六本木内科耳鼻咽喉科OR」開院

咽頭がんの症状

咽頭がんの症状
喉は食物や空気が通る道で、咽頭と喉頭で成り立っています。
咽頭は、上から順に上咽頭・中咽頭・下咽頭の3つに分かれます。咽頭の動きにより、呼吸や発声・嚥下などを行うことが可能です。
咽頭がんは咽頭部位に発症する悪性腫瘍です。咽頭がんを発症すると飲食のほか、耳や鼻の機能にも影響します。咽頭がんと同時期に、口腔・喉頭・食道などにがんがみつかる場合もあります。

咽頭がんの初期症状

咽頭がんは、初期段階では自覚症状が乏しいのが特徴です。
頸部リンパ節に転移すると首にしこりができるため、しこりを調べたら咽頭がんが見つかったというケースが少なくありません。食事を飲み込むときに、違和感を覚えたり詰まる感じがしたりする場合は、早めに耳鼻咽喉科で検査を受けることをおすすめします。

咽頭がんの種類ごとの症状

咽頭がんの症状は、種類によって異なります。

  • 上咽頭がん:鼻・目・耳などに症状があらわれる
  • 中咽頭がん・下咽頭がん:飲食時の違和感や痛み

中咽頭がんや下咽頭がんは重症化すると、嚥下障害や呼吸困難に発展する場合があります。

上咽頭がんの症状

上咽頭は鼻腔の奥にあり、口蓋垂と口蓋扁桃の後方の上部です。頭蓋底の下方で、左右の穴は耳につながっています。上咽頭がんの症状は以下のものがあります。

  • 頸部リンパ節:首のしこり
  • 鼻症状:鼻づまり・鼻出血・鼻水
  • 耳症状:中耳炎・耳詰り・聞こえづらい
  • 脳神経症状:視力低下・複視・顔面の感覚障害・顔痛

首にしこりがある場合、頸部のリンパ節に転移している可能性があります。上記の症状がいくつかある場合は、早期に耳鼻咽喉科で受診しましょう。

中咽頭がんの症状

中咽頭は咽頭の中間部分になります。お口を開けたときに見える奥の部分が中咽頭です。軟口蓋・奥の壁・口蓋扁桃・舌根なども中咽頭に含まれます。中咽頭がんには以下の症状があります。

  • 食べ物を飲み込むときの違和感
  • 咽頭痛
  • 口腔内出血
  • 大きく開口しにくい
  • 舌が動きにくい
  • 耳痛
  • しこりがある(頸部・口腔・喉など)

がんが小さいうちは症状がわかりづらいので、病気が進行してから気付くことも少なくありません。ウイルス感染による中咽頭がんは早い段階で頸部リンパ節に転移するので、無痛症の頸部腫瘍として発見される場合があります。

下咽頭がんの症状

下咽頭は咽頭の下の部分にあり、食道・中咽頭・喉頭に隣接している食べ物が通る道です。症状は中咽頭がんと重複するものもあります。

  • 咽頭痛
  • 血痰
  • 嚥下障害
  • 咽頭の違和感
  • 呼吸困難
  • 声がれ

下咽頭は喉頭に隣接しているので、下咽頭がんが見つかったときには喉頭に浸潤している場合があります。

咽頭がんの種類と原因

咽頭がんの種類と原因
ここまで、咽頭がんの症状について見てきました。では、なぜ咽頭がんを発症するのでしょうか。ここからは咽頭がんの種類と原因を解説します。

咽頭がんの種類

咽頭がんは先述したように、上咽頭がん・中咽頭がん・下咽頭がんの3つに分類されます。

咽頭がんの種類ごとの特徴と原因

咽頭がんは、長い間の飲酒や喫煙が原因で発症するリスクが高い疾患です。近年は、ウイルス感染が原因で発症する可能性があることが立証されています。

上咽頭がんの特徴と原因

上咽頭がんを発症する原因は以下のものがあります。

  • EBウイルス(エプスタイン・バール・ウイルス)感染
  • 喫煙
  • 過度の飲酒

上咽頭がんは頭頸部がんの中では稀な病気で、東アジアでの発症率が高い疾患です。肺・縦郭リンパ節・骨に遠隔転移する場合も少なくありません。
遠隔転移があるものをM1、ないものをM0の病期に分類します。早い時期にリンパ節に転移しやすい傾向にあるため、頸部腫瘤や脳神経の症状で受診して上咽頭がんと診断されることもあります。上咽頭がんは、神経症状がなければ痛みが起きにくいのが特徴です。

中咽頭がんの特徴と原因

中咽頭がんを発症する原因には以下のものがあります。

  • HPV(ヒトパピローマウイルス)感染
  • 飲酒
  • 喫煙

中咽頭がんの発生頻度は頭頸部がんの10%程です。中咽頭がんは50~60歳代の男性が発症する比率が高いとされています。約半数がHPV感染が原因で発症しています。

下咽頭がんの特徴と原因

下咽頭は、梨状陥凹・輪状後部・咽頭後壁の3つの部分があります。梨状陥凹や咽頭後壁の発がんの原因は、長年の飲酒や喫煙などの慢性的な刺激によるといわれています。梨状陥凹は長年の慢性刺激が原因となることから、50歳以降の男性の発症率が高く、60~70歳で発症する人が増加している部位です。
なお、輪状後部の下咽頭がんは、慢性鉄欠乏性貧血の疾患を持つ女性の発症率が高くなっています。扁平上皮がんがほとんどですが、腺がん・腺様嚢胞がん・粘表皮がんなども稀にあります。

咽頭がんの治療と後遺症

咽頭がんの治療と後遺症
咽頭がんの治療はがんの進行度や組織型によって、標準治療法が異なります。
治療法によっては後遺症が発生する場合もあり、生活環境・年齢・希望などを考慮しながら、患者さんと担当医の話し合いで治療計画が立てられます。

咽頭がんの治療方法

咽頭がんの治療方法には以下の方法があります。

  • 上咽頭がん:放射線治療・化学療法・化学放射線療法
  • 中咽頭がん:手術治療・放射線治療・補助療法(化学療法)
  • 下咽頭がん:放射線治療・手術療法・補助療法(化学療法)

上咽頭は根治手術が困難な部位であることや、放射線治療や化学療法の効果が高いことから化学放射線療法が標準的な治療法です。中咽頭がんは早期の治療ができれば、化学放射線療法でも手術をした場合と同等の効果が期待できます。
ただし、化学放射線療法で効果がでない、もしくはがんの範囲が広い場合は手術を行います。早期の下咽頭がんは放射線治療を行い、進行している場合は手術を行うのが一般的です。進行がんの手術では喉も一緒に摘出する場合が少なくありません。
また、頸部リンパ節に転移がみられる場合は、頸部郭清術を同時に行います。

咽頭がんの後遺症

咽頭がんの手術で喉頭を全摘出した場合、声がだせなくなります。また、呼吸のために永久気管孔を首に開けるので、気管孔を通した呼吸による弊害もでてくるでしょう。
咽頭や食道を摘出した場合は、腸や皮膚を移植して再建すれば、食事ができるようになります。頸部郭清術は頸部のこわばりや肩の運動障害などの後遺症が残る場合があるので、リハビリテーションが必要です。
放射線治療による後遺症には以下のものがあります。

  • 中耳炎
  • 唾液低下
  • 咽頭の乾燥・異常感
  • 開口障害
  • 嚥下障害
  • 構音障害
  • 視覚・動眼障害
  • 顔面神経麻痺

放射線による後遺症は治療が終了してから1~2ヵ月程で改善する場合が少なくありませんが、治療終了半年後や数年以上たってから症状があらわれることもあります。

咽頭がんの検査について

咽頭がんの検査について
咽頭がんは検査でみつけることができます。初期段階でがんを見つけることができれば生存率が高くなるため、早期発見が大事です。

咽頭がんは早期発見が重要!

咽頭がんは進行性のがんで初期症状がほとんどないため、発見時には進行していることも少なくありません。食べ物を飲み込むときに違和感があったり耳の不調などを感じた場合は、早めに医療機関で受診しましょう。
咽頭がんは早期発見で喉を温存できる可能性が高まります。しかし、放置するとリンパ節や喉頭などに転移して声を失い、重症化すると死亡する可能性もあります。

咽頭がんの検査方法

咽頭がんの初期診断では、視診・触診や内視鏡検査を行います。がんが疑われる場合は、確定診断のために生検や画像診断で詳しく検査を行います。
咽頭がんと確定されたあとは、病期(ステージ)に分類され、病期に応じた治療方法を選択するのが一般的な流れです。

触診

医師が首の回りのリンパ節を触ってしこりがないかを確認します。咽頭がんは頸部のリンパ節に転移する可能性が高いためです。リンパ節の腫れが見つけにくくなるので、検査中はなるべくリラックスするようにしましょう。
中咽頭がんは、指が届く場所にできるため、直接お口に指を入れてがんの硬さ・大きさ・広がりなどを調べることもあります。また、鏡の付いている器具を口腔内に入れる喉頭鏡検査や関節喉頭鏡検査を行う場合があります。

経鼻内視鏡検査

経鼻内視鏡検査は、鼻腔内に麻酔や薬剤(血管収縮薬)を噴射し、直径5~6mm程の内視鏡を入れて行う内視鏡検査のことです。経口内視鏡検査に比べ、嘔吐反射や咽頭痛が少ないのが特徴です。

生検

生検は病変の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べて病気を確定する検査です。ウイルス感染を確認するために免疫染色でウイルスを特定する検査を行う場合もあります。

画像診断

咽頭がんの画像診断では、CT検査・MRI検査・超音波検査(エコー)・PET-CT検査などを行い、がんの確定診断を行います。がん細胞の有無や大きさ・広がり・転移などを高精度で調べることが可能です。

咽頭がんのことならモーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORにご相談を

モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科OR
咽頭がんは検査で早期に発見でき、早めに治療を開始すれば完治する可能性が高くなります。

港区六本木にあるモーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORは、病気の診断から手術までを一貫して行えるクリニックです。

一般外来(耳鼻咽喉科・消化器内科・眼科)、頭頸部がん検診や日帰り手術、人間ドックなどを提供しています。

日本耳鼻咽喉科学会 耳鼻咽喉科専門医による診療

モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORの荒木院長は、日本耳鼻咽喉科学会 耳鼻咽喉科専門医であり、日本アレルギー学会 アレルギー専門医でもあります。

鼻やアレルギー疾患の治療を得意とされており、一般の医院では難しい頭頸部や上部消化管のがんの検診と診断も行えます。

局所麻酔を用いた小手術を院内で行うことができ、抗がん剤や免疫促進剤などの外来化学療法にも対応可能です。ご自身やご家族に心配な症状がある方は、検診を受けてみてはいかがでしょうか。

喉の精密検査と腫瘍の手術に対応

モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科OR
モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORでは、鼻中隔湾曲症(※1)や副鼻腔炎は日帰りで手術が可能です(※2)。手術後の鼻呼吸の負担軽減のため、片鼻ずつ手術します。

耳鼻科の専門の医師が在籍しているので、喉や声帯に異常がある場合は内視鏡検査や精密検査を行うことが可能です。

モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORの上部内視鏡検査は、鼻から行う経鼻内視鏡検査のため患者さんへの負担が少ないのが特徴です。

検査で腫瘍が見つかった場合、その場で切除ができます。

(※1)鼻の左右を隔てる壁が湾曲して鼻づまりや呼吸困難・嗅覚障害などが起こる慢性疾患
(※2)術前の検査、術後の経過観察が必要です。

耳鼻咽喉科・消化器内科・眼科を専門とする医師によるチーム医療

モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORでは、日本医科大学や国際医療福祉大学から医師が出向し診療や治療を行っています。

眼科の検査や診療は日本眼科学会 眼科専門医が担当しているため、検査で異常があった場合は同日から治療を始めることができます。

また、花粉症アレルギー性鼻炎は、耳鼻科と眼科の専門の医師の同時診察が可能です。花粉症アレルギー性鼻炎のレーザー手術外来にも対応しています。

咽頭がんは早期発見が大事です。早期発見には経鼻内視鏡検査による検査が有用です。

モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORではその場で腫瘍の切除ができる場合もあり、各分野を専門とする医師たちがチームとなり診療や治療を行っています。

気になる症状がある方は、モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORへ相談してみてはいかがでしょうか。

モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORの基本情報

アクセス・住所・診療時間・費用・治療期間・治療回数

東京メトロ 六本木駅より徒歩1分

東京都港区六本木6-1-8 六本木グリーンビル7階

【耳鼻科】

診療時間
9:00~12:00 手術
14:00~17:00
【内科・消化器】

診療時間
14:00~17:00
【眼科】

診療時間
14:00~17:00

※予約制
※火曜:第1,3,5週は腫瘍、第2,4週はのど・音声
※土曜:第3週はめまい外来(最終受付は10:30)
※内科は、胃カメラもできます(要電話予約)

【費用(税込)】
ベーシック人間ドック(自費) 21,600円
ベーシック人間ドック腹部エコーあり(自費) 24,840円+コロナ抗体検査 5,500円
胃カメラ(経鼻内視鏡)ベーシック人間ドック(自費) 32,400円+コロナ抗体検査 5,500円
耳鼻科セレクト+ベーシック人間ドック(自費) 48,600円
耳鼻科セレクト+胃カメラ人間ドック(自費) 59,400円+コロナ抗体検査 5,500円
耳鼻科ドックプレミアム(自費) 80,000円+コロナ抗体検査 5,500円
人間ドック採血オプションプラン(自費)
・腫瘍マーカー:癌の有無 12,000円
・婦人科:女性ホルモン、リウマチ、妊娠の有無 5,800円
・アレルギー13種:植物、ハウスダスト、ペットアレルギーなど 15,000円
・ニンニク注射:疲労回復、美白美肌効果 2,160円
声質治療(自費) 77,000円
のど仏治療(自費) 200,000円※他院紹介
日帰り手術 (鼻中隔弯曲症手術、副鼻腔炎手術、アレルギー手術等)(保険) 90,000〜180,000円
高額療養費制度を適用した場合の負担金額目安
睡眠ドック 85,500円
睡眠ドック(検査のみ) 28,000円
【治療期間】
人間ドック 2時間〜3日
声質治療  2週間〜3ヶ月
のど仏治療 1〜2ヶ月
【治療回数】
人間ドック 年に1回
声質治療  1〜10回
のど仏治療 1〜5回

この記事の監修医師