アトピー治療は塗る時代から点滴へ?アトピーの基本から新しい治療法まで徹底解説
公開日:2025/08/29

かゆみや湿疹が慢性的に続くアトピー性皮膚炎は、季節の変わり目やストレスなど、さまざまな要因で症状が悪化し、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。 外用薬を塗ることで症状のコントロールをしても、「塗ってもよくならない」「副作用が心配」と感じる方もいるのではないでしょうか。近年では、点滴療法など、新たな治療法も登場しています。 本記事では、アトピーの基本から新しい治療法まで詳しく解説します。

監修歯科医師:
吉見 洋志(吉見医科歯科クリニック)
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医療法人隆聖会理事長・総院長
北海道大学病院 客員臨床教授
セブ医科大学 客員教授(フィリピン)
北海道大学病院 客員臨床教授
セブ医科大学 客員教授(フィリピン)
目次 -INDEX-
アトピー性皮膚炎とは?
アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴う湿疹が繰り返し現れる慢性的な皮膚疾患です。
子どもの頃に発症することが多く、その多くは成長とともに改善するといわれていますが、大人になっても症状が続く成人型アトピー性皮膚炎も近年増加しています。
肌のバリア機能が低下しているため、外部からの刺激やアレルゲンに過剰に反応し、炎症を起こしやすい状態にあります。
アトピーの主な原因
アトピーの原因は、複数の要因が重なり合って発症すると考えられています。 代表的なものは「遺伝的な体質(アトピー素因)」「免疫機能の異常」「環境要因」です。 アトピー素因を持つ方はアレルギーを起こしやすい体質であるため、ダニやハウスダスト、花粉、食物など、さまざまなアレルゲンが引き金になります。さらに、もともと皮膚の潤いを保つ力が弱いため、乾燥しやすく、少しの刺激でも炎症が起こりやすいのが特徴です。 なぜ症状が繰り返しやすいのか
アトピー性皮膚炎の厄介な点は、症状がよくなっても再発して繰り返しやすいことです。 繰り返してしまう理由の一つは「かゆみ」で、掻くことで皮膚が傷つき、さらに炎症が広がります。この“かゆみ→掻く→悪化”の悪循環が、症状の慢性化を引き起こします。 また、皮膚が敏感な状態では少しの刺激でも炎症がぶり返しやすく、ストレスや季節の変化など些細な変化でも再発する傾向にあります。生活習慣や環境による影響も大きい
アトピーは生活環境や習慣によっても大きく左右され、寝具の清掃状態や室内の湿度、衣服の素材、入浴方法、食生活などが症状の悪化や改善に直結します。 例えば、ダニやハウスダストが多い部屋では症状が悪化しやすく、反対に湿度管理やこまめな掃除を徹底することで症状が落ち着くケースもあります。 また、精神的ストレスもアトピーを悪化させる一因とされており、生活の質を整えることが症状改善のカギとなります。現在の主な治療法とその課題
アトピー性皮膚炎の治療は外用薬を中心とした対症療法が主流で、かゆみや炎症を抑えることに重きを置いた治療が一般的です。ここでは、現在行われている主な治療法と、その課題について解説します。
外用薬の基本と種類
アトピーの治療によく使用されるのが、ステロイド外用薬です。炎症を抑える作用があり、強さに応じて5段階に分類されています。症状の程度や部位に合わせて使い分けるのが一般的です。 また、近年では免疫抑制作用を持つ非ステロイド系の薬も登場し、選択肢が広がっています。保湿剤と併用することで、皮膚のバリア機能を回復させるアプローチも行われています。 副作用や「薬に頼りすぎる不安」
ステロイド外用薬は即効性があり、多くの患者さんにとって頼れる存在ですが、その一方で長期使用による副作用が懸念されています。 皮膚の萎縮や色素沈着、血管の拡張といった副作用が報告されており、特に顔や首など皮膚の薄い部位では注意が必要です。また、ステロイド依存症と呼ばれる状態に陥ることを恐れて、自己判断で使用を中止してしまうケースも少なくありません。こうした薬への不安感から「なるべく使いたくない」「一生使い続けなければいけないのでは?」という不安を抱える方もいます。「塗ってもよくならない」人が増えている背景
近年、アトピーの患者さんの中には「外用薬を続けているのに改善しない」「一時的によくなってもすぐに再発する」と悩む方が増えています。その背景には、皮膚表面の炎症を抑えるだけでは根本的な体質改善にはつながらないという問題があります。特に、免疫バランスの乱れや腸内環境、ストレスといった内因的な要素が慢性化や再発の一因になっているのです。 また、現代のライフスタイルや環境要因も無関係ではありません。添加物の多い食生活や睡眠不足、過度なストレス、紫外線や大気汚染などの影響により、皮膚の自己修復力が低下していることがあります。そのため、外用薬だけに頼るのではなく、身体の内側からアプローチする治療の必要性が高まってきています。 このような背景から、従来の症状を抑える治療から症状を根本から改善する治療への移行が求められています。その一つの方法として、次章で紹介する「点滴療法」があります。アトピー治療の新たな選択肢「点滴療法」
アトピー性皮膚炎の治療は、これまで外側からのアプローチが中心でしたが、近年では身体の内側から整える治療法に注目が集まっています。その代表的なものが点滴療法で、全身の免疫バランスや炎症反応に働きかけることで、根本的な体質改善を目指します。
身体の中から整える点滴療法
点滴療法では、身体に必要な栄養素や抗酸化物質、抗炎症成分などを直接血管内に投与することで、即効性と吸収効率の高いアプローチを行います。アトピーの背景にある慢性的な炎症や免疫の乱れに対して内側からアプローチするため、皮膚だけでなく全身の調子が整ってくるケースもあります。最近では、ビタミンC点滴(※1)やグルタチオン点滴(※2)のほか、幹細胞由来の成分を用いた治療も始まっています。 歯髄由来幹細胞上清液とは?
歯髄由来幹細胞上清液(しずいゆらいかんさいぼうじょうせいえき)(※3)とは、歯髄(歯の内部にある神経や血管などの組織)から採取した幹細胞を培養した際に得られる成分のことで、成長因子やサイトカインといった細胞間の情報伝達物質が豊富に含まれています。点滴で体内に投与することで皮膚の再生を促進し、炎症の抑制や免疫機能の調整に働きかけるとされ、アトピー改善が期待されています。点滴療法で期待される効果
幹細胞上清液を使った点滴療法は、従来のようにかゆみを抑えることを目的とした対症療法ではなく、肌本来の修復力を引き出すことを目的としています。これにより、繰り返しがちなアトピーの炎症を根本から改善し、症状の再発を抑えることが期待できます。さらに、細胞レベルでの再生を促すことで、肌のハリや弾力も回復しやすくなるなど、美容面での効果も期待されています。 (※1,2,3)未承認医薬品等であるため医薬品副作用被害救済制度の対象とはならない可能性があります。自分に合った治療法を見つけるためのポイント
アトピーの治療は、症状の現れ方や生活環境、年齢などによって適した方法が異なります。そのため、自分に合った治療法を選ぶことが改善への第一歩になります。
ここでは、治療法を選ぶうえで押さえておきたいポイントを解説します。
症状の程度や年齢に応じて治療法を選ぶ
アトピーは、乳児から高齢の方まで幅広い年齢層に見られる疾患です。そのため、年齢によって皮膚の状態や免疫の働きも異なります。 例えば、乳幼児は皮膚が薄く、外用薬の吸収も強く出やすいため、より慎重な薬の選択が求められます。一方で大人のアトピーは、慢性化しやすくストレスや生活習慣が大きく影響するため、内側からのケアも重要です。症状の程度が軽ければ保湿と生活管理で落ち着く場合もありますが、中等度~重度の場合は、医師による専門的な治療が必要です。 それぞれの治療法のメリット・デメリットを理解する
外用薬には即効性がありますが、長期使用に対する不安を抱える方も多くいます。一方で、点滴療法などは根本的な改善を目指せる反面、保険が適用されないケースもあり、費用面でのハードルがあるかもしれません。症状の程度が軽い方にとっては、負担が大きく感じられることもあるでしょう。 重要なのは、自分に合っている治療法を選択することです。それぞれの治療法の特性を知り、メリット・デメリットを理解することが大切です。信頼できる医療機関でしっかり相談する
治療を続けていくうえで重要なのは、信頼できる医療機関で治療を行うことです。ネットの情報や口コミだけで判断するのではなく、実際に医療機関を訪れ、丁寧な説明と納得のいくカウンセリングを受けることが治療の成功につながります。 特に新しい治療法を検討する際は、医師の専門性や経験、治療に対する考え方を確認し、自分に合った治療方針を一緒に考えてくれる医師を選ぶようにしましょう。アトピー治療なら吉見医科歯科クリニックにご相談を
アトピー性皮膚炎は長く付き合っていく必要がある疾患の一つです。だからこそ、信頼できる医療機関で、根本から改善を目指す治療を受けたいと考える方も多いのではないでしょうか。吉見医科歯科クリニックは、点滴療法を取り入れ、医科と歯科の知識を融合させたトータルな診療を提供しています。
ここからは、吉見医科歯科クリニックの特長を紹介します。
歯髄由来幹細胞上清液を活用した点滴療法に対応
吉見医科歯科クリニックでは、歯髄由来幹細胞上清液を活用した点滴療法を導入しています。この治療法は、細胞が分泌するサイトカインや成長因子などが豊富に含まれた上清液を点滴で体内に取り入れることで、皮膚の炎症や免疫バランスの改善をサポートするものです。内側から全身に働きかけるため、慢性的なアトピー症状にも根本からのアプローチが期待できます。
点滴療法は、皮膚のバリア機能を補強するだけでなく、自己治癒力の向上やアレルギー反応の抑制にもつながる可能性があり、これまでの治療でなかなか症状が改善しなかった方にとって新しい選択肢となるでしょう。
医科と歯科の知見を融合したトータルケア
アトピーは皮膚の問題に見えますが、実は身体全体の免疫系や自律神経、腸内環境、さらには口腔内の状態まで密接に関わっています。吉見医科歯科クリニックでは、医科と歯科の両面からアプローチする診療体制を整えており、口腔環境や噛み合わせの調整も含めた全身的なサポートを受けることが可能です。 たとえば、慢性的な口呼吸や歯周病、噛み合わせのズレは、自律神経や免疫バランスに悪影響を与えることがあります。こうした要因に着目し、患者さん一人ひとりの身体全体を見て治療を組み立てているそうです。丁寧なカウンセリングで患者さんの悩みに寄り添う
アトピーに悩む方は、「本当に治るのか不安」「何を信じたらいいのかわからない」などの不安を抱えていることもあるのではないでしょうか。吉見医科歯科クリニックでは、そうした患者さんの気持ちに寄り添うカウンセリングを大切にしています。初診時には時間をかけて症状の経緯や生活習慣を丁寧にヒアリングし、無理のない治療計画を一緒に考えていきます。 また、新しい治療法に不安を感じる方にも、医師がリスクや期待できる効果をわかりやすく説明してくれるため、納得したうえで治療に臨むことができるでしょう。 アトピー性皮膚炎は、表面的なケアだけでは根本改善が難しい疾患です。だからこそ、信頼できる医師のもとで、自分に合った治療を見つけることが大切です。新しい選択肢を取り入れながら、医科と歯科の垣根を越えたケアを提供する吉見医科歯科クリニックに相談してみてはいかがでしょうか。吉見医科歯科クリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間・費用・治療回数・治療期間
JR湘南新宿ライン・東北本線・高崎線・京浜東北線 浦和駅西口 徒歩1分
埼玉県さいたま市浦和区高砂1丁目13-12 MiRiスクエア4階
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参考文献




