粉瘤の原因は?治療法・症状・費用などを解説
粉瘤とは、体のあらゆる部位に発生する良性の皮下腫瘍です。周囲の皮膚よりも硬く、丸く盛り上がった半球状をしています。
おできなどと間違えられる場合も多いですが、ほとんどの場合、放っておくと次第に大きくなっていきます。また、細菌感染を起こす場合もあるため注意が必要です。
治療は手術で切除する方法が基本です。「手術と聞くと不安がある」と感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、粉瘤の原因や治療法について詳しく解説するとともに、粉瘤治療におすすめのクリニックもご紹介します。
「粉瘤ができてしまったかもしれない」とご不安な方にも、安心して治療を受けられる手助けとなれば幸いです。
監修医師:
宮川 隆平(みやかわクリニック)
・平成元年~平成7年 東京女子医科大学 第2外科
・平成8年~平成24年 豊岡第一病院 勤務
・平成25年2月4日 みやかわクリニック 開院
目次 -INDEX-
紛溜の原因とは?
粉瘤は、「脂肪のかたまり」などといわれることも多いですが、実は角質や皮脂が溜まったものです。自然に治癒することは少なく、内容物を無理に取り出そうとすると患部が拡大する可能性もあります。ニキビや吹き出物より厄介な症状といえるでしょう。
できれば発生自体を防ぎたいものですが、粉瘤の原因にはどのようなものがあるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
角質や皮脂が袋に溜まりできるもの
私たちの皮膚は表面から表皮・真皮・皮下組織に大きく分けられ、表皮からは通常、角質や皮脂が排出されています。粉瘤は、この表皮が何らかの原因で真皮まで入り込み、袋状の形態となることで発生します。入り込んだ表皮組織からは依然として古くなった角質や皮脂が剥がれ落ちるため、本来は体外に排出されるはずの角質や皮脂が袋の中に溜まってしまうのです。
角質や皮脂は排出され続けるため、粉瘤は放っておくと次第に大きくなってしまいます。大きくなりすぎると手術跡が目立ったり、治療に時間がかかったりする心配もあるので、「粉瘤かも?」と思ったら早めに医師に相談しましょう。
ウイルスによるもの
粉瘤の多くは、毛穴の上方にある表皮が真皮に入り込むことで起こります。一方で、毛穴の無い手のひらや足の裏にできる粉瘤は外傷性表皮嚢腫と呼ばれ、外傷による表皮の迷入やヒトパピローマウイルスが原因と考えられています。220を超える種類があり、さまざまな形状のイボの他、子宮頸がんや性病の原因となることもあるウイルスです。
ヒトパピローマウイルスの感染によって手のひらや足の裏に生じたイボが、外から圧迫されて内部に入り込むことで手のひらや足の裏に粉瘤が形成されます。この粉瘤は他の部位にできるものより若年での発症が多いのが特徴です。
足の裏は常に体重で圧迫された状態のため、粉瘤が形成されやすい条件が整っているともいえます。また、足裏の粉瘤はウオノメやタコと間違えて見逃しやすいので注意しましょう。
実はよくわかっていない
粉瘤の原因について外傷やウイルスとの関連をご紹介しましたが、はっきりとした原因はわかっていません。外傷やウイルスの他にも、打撲・ニキビ痕などにできることがあります。
原因がはっきりしないため予防は難しいですが、粉瘤ができてしまったら細菌感染を起こさないようにすることが大切です。強く刺激したり汚れた手で触ったりしないように注意しましょう。痛みや赤みが出た場合には、我慢せず早めに受診することで治癒までの期間も短く済む可能性があります。
紛溜の治療法は?
粉瘤は良性腫瘍のため、痛みや腫れなどの自覚症状が無く、日常生活に不便が無ければ処置が必要ない場合もあります。しかし、顔などの見た目が気になる部位や外的刺激を受けやすい部位に発生した場合はなるべく早く治療を行いましょう。
粉瘤治療の基本は手術ですが、「できる限り傷跡を目立たなくしたい」とお考えの方が多いのではないでしょうか。手術の方法には切開法・くり抜き法の2通りあり、それぞれメリットや適した部位などが異なります。ご自身の症状に合った治療法を選ぶ参考にしてください。
切開法
切開法は患部を紡錘形に皮膚切開し、皮下にできた袋を内容物ごと取り出します。通常、腫瘍の直径と同じか2倍程度の長さの切開が必要です。患部が大きいほど傷口も大きくなるので、粉瘤の大きさによっては手術痕が目立ってしまう可能性もあります。
傷口の縫合を皮膚のしわに添わせたり、くさび形に皮膚切開を行ったりすることで傷跡を目立ちにくくできる場合があります。傷跡についてご心配の方は事前に医師に相談してみましょう。
くり抜き法
傷口を目立たなくするため、内容物を取り除いてから袋を取り出す方法がとられる場合もあります。くり抜き法やへそ抜き法と呼ばれ、基本的に縫合の必要が無いため、腫瘍の大きさに対して傷口が小さく施術時間が短いのが特徴です。
一方で、完治までの日数が切開法に比べ長くなる傾向があります。粉瘤と周囲の組織との癒着が強いケースや、手のひら・足の裏にできる粉瘤には適応されない方法なので注意しましょう。
紛溜の症状は?
粉瘤は誰もがかかる可能性がある身近な病気です。しかし、ニキビやおできなどと間違われることも多く、実際にどのような症状があるのかご存知ない方もいます。
「ニキビだと思って放置したら大きくなってしまった」ということのないよう、症状を詳しく知って早期発見・早期治療につなげましょう。
しこり程度のできものがある
一般的に粉瘤ができやすい部位は顔・首・お尻などですが、主に頭部にできるものを外毛根鞘性嚢腫といい、女性に多く発生します。他にも手のひらや足の裏にできるものなど、粉瘤にはいくつかの種類がありますが、いずれも次第にしこりのように固くなります。
しこりは半球状で数ミリから数センチの大きさです。皮膚に密着して発生するので、皮膚の上から触れます。しこりの中央に黒く小さな穴が見えることも多いですが、この穴から細菌が入り込むと感染症につながるので注意しましょう。
炎症や感染を起こしていない状態では特に痛みや赤みの症状は見られません。そのため、背中などの目につきにくい部位では気付くのが遅れることもあります。
痛みを伴う炎症がある
患部に開いている穴から細菌が入り込むと細菌感染につながります。特に風邪などで免疫が弱まっているときは注意が必要です。
細菌の感染がなくても、袋の内容物を異物とみなして炎症や化膿を引き起こすこともあり、細菌感染や炎症を起こすと患部が赤く腫れて痛みが出ます。この状態で患部を圧迫すると皮下で袋が破け、炎症が広がってしまう場合もあるのでできるだけ触らないようにしましょう。
感染が軽度の場合は抗生剤などで感染症の治療を行いますが、重度の場合は切開し、排膿します。いずれにしても、感染が鎮静化してから粉瘤を切除するのが基本です。
ひどいと臭いを伴う時がある
感染・炎症が重症化すると内容物が膿となり強い臭いを伴う場合があります。この頃には患部は真っ赤に腫れ、痛みも強くなるので、早急に医療機関を受診しましょう。
腫れがさらに進行すると袋が破裂して強い臭いを伴う膿性内容物が排出されることがあり、発熱などの全身症状にもつながります。
治癒までの期間も長くなる上に傷跡も残りやすくなってしまうため、悪化する前に医師に相談することが大切です。
紛溜の治療にかかる費用は?
ここまで、粉瘤の特徴を詳しくお伝えしてきました。治療は手術が基本ですが、実際に手術を受ける場合の費用が気になるところです。保険は適応されるのか、手術代以外にかかる費用にはどのようなものがあるのかなど、詳しくみていきましょう。
保険適用となる
粉瘤の手術は広く認められた方法の上、通常の治療であるため保険が適用されます。
また、一般的に入院時の食事代や差額ベッド代などは保険適用外ですが、粉瘤手術は日帰り(※)で受けられることがほとんどのためあまり心配はいらないでしょう。
粉瘤が大きく、感染による全身状態の悪化がひどい場合などは入院の可能性もあるかもしれません。その場合、入院費用の一部が自己負担となります。
(※)事前事後に通院していただく可能性がございます。
患部の大きさにより異なる
手術の費用は一律ではなく、患部の大きさにより異なる場合が多いです。粉瘤の直径が大きいほど費用は高くなります。
また、患部が露出部(服を着た状態で肌が見える部分)である場合、非露出部に比べて1,000円ほど費用が上がる傾向にあります。
手術代以外にもかかる
実際に手術を受ける場合は、手術に付随してさまざまな費用がかかります。手術以外の主な費用は以下の通りです。
- 診察料
- 処方せん料や薬代
- 検査費用
- 病理検査費用
その他、初診の場合は初診料、診断書が必要な場合は診断書交付手数料などが状況に合わせて必要になります。
紛溜治療ならみやかわクリニックへ相談を
粉瘤治療には手術というハードルがあります。「傷跡はどのようになるのだろう」「術後の痛みはあるのだろうか」など、ご不安も多いことでしょう。しかし、そのような不安を解消してくれるクリニックを選べば安心です。
みやかわクリニックは患者に寄り添い、小さな不安や疑問にも向き合ってくれるクリニックです。実際にどのようなクリニックなのかご紹介します。
検査から治療までワンストップの医療を提供
みやかわクリニックには、診察・検査・治療(手術)まで全てを一貫して行える設備が整っています。早期発見・早期回復をモットーとしており、炎症や肥大化を起こす前に処置を行うことが望ましい粉瘤治療におすすめです。
診療科目も幅広いので、粉瘤だけでなくさまざまな体の不調も相談できます。また、検査設備が充実しており、人間ドックや健康診断も実施しています。生涯を通じて「かかりつけ」として、お付き合いいただけるクリニックです。
地域密着の何でも話せるクリニック
開業以来10年以上、「かかりつけ医」として地域に密着した医療を提供しています。患者の身体的苦痛だけでなく、精神的な不安にも耳を傾ける丁寧な診察が特徴です。
時間をかけて話を聞いてもらえるので、粉瘤手術の不安点も気兼ねなくご相談いただけます。
宮川隆平院長は長年外科医として務めた経歴もあり、手術に不安のある方でも安心して治療に臨んでいただける技術の持ち主です。また、スタッフ一人ひとりも患者さんの価値観を大切にし、生活に寄り添った看護を提供しています。
少しでも治療や体調に不安がある方は、一度みやかわクリニックでご相談されてはいかがでしょうか。
巻き爪・紛溜の小手術が可能
みやかわクリニックは、局部麻酔で行う小手術に対応しています。特に診療科目に外科と皮膚科がどちらも含まれているので、巻き爪・魚の目・粉瘤などの皮膚症状に伴う手術におすすめです。
院長は外科を専門としていたため手術の技術が高く、「手術は初めて」という方でも安心して治療を受けられるでしょう。
巻き爪・魚の目・粉瘤などにお悩みの方は、ぜひ、みやかわクリニックに相談してみてください。
みやかわクリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間
西武鉄道新宿線 入曽駅 車で4分
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
9:00~12:00 | ● | ● | ● | ● | - | ● | ★ | - |
15:00~18:00 | ● | ● | ● | ● | - | ● | - | - |
★:第1・第3・第5のみ診療
※検査をされる場合、予約が必要です。
参考文献
- 粉瘤(アテローム)|一般社団法人 日本形成外科学会
- 皮膚がんの構造とがんの発生|特定機能病院 愛知県がんセンター
- 粉瘤症例の検討
- 知っておきたい健康保険の対象にならない費用|一般社団法人 公的保険アドバイザー協会
- Q1アテロームとはどんなものですか?|公益社団法人 日本皮膚科学会
- Q2アテロームにはどんな種類がありますか?|公益社団法人 日本皮膚科学会
- Q6化膿することがあると聞きましたが?|公益社団法人 日本皮膚科学会
- Q9治療はどうしますか?|公益社団法人 日本皮膚科学会
- ヒトパピローマウイルスと子宮頸がんワクチン (ファクトシート)|厚生労働省検疫所FORTH
- 医療法人 みやかわクリニック