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喘息の症状は?原因・治療方法などの基本知識を紹介

 公開日:2023/11/28
喘息の症状は?

喘息といえば子どもに多いイメージを持っている方が多いかもしれませんが、成人の喘息も増加しています。喘息の原因はアレルギーや感染症などによる気道の炎症・ストレスなど多岐にわたります。

急に咳が止まらなくなって苦しい体験をしたことがある方・子どもが喘息で苦しむ姿を見て辛い思いをした経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

喘息について知っておくことで、自分や子どもに急に喘息の症状・発作が出てしまったときに適切な対応をとることができます。

この記事では喘息の症状をはじめ原因・治療方法を紹介しています。喘息の症状が発症したときに気をつけること・医療機関での検査方法も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

水野 秀和

監修医師
水野 秀和(みずの内科クリニック)

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平成18年 名古屋市立大学医学部卒業
平成18年 一宮市立市民病院 初期臨床研修医
平成20年 名古屋掖済会病院 呼吸器科医員
平成24年 公立学校共済組合東海中央病院 呼吸器内科医長
平成26年 一宮市立市民病院 呼吸器内科医長
平成29年8月 みずの内科クリニック院長 一宮市立市民病院非常勤

喘息の症状とは

喘息の症状とは
喘息は、何らかの理由で気管支に炎症が起こって気道が狭くなることで、咳・痰・息切れなどの症状が出る病気です。夜間から早朝は気道を狭くする働きがある副交感神経が活発になるため、喘息の症状が起こりやすくなります
喘息の症状は一時的に改善しても、放置したり治療を怠ったりしてしまうと繰り返し症状が出やすくなります。そのため、喘息の症状がみられる場合は、早めに医療機関で診てもらうことをおすすめします。
それでは、喘息の症状について具体的にみていきましょう。

喉から「ゼーゼー、ヒューヒュー」の喘鳴が聞こえる

喘鳴は主に気管支の炎症・アレルギーなどで気道が狭くなることで起こり、ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音が連続的に発生します。
息を吸っているときに音がする場合は鼻・喉、息を吐いているときに音がする場合は肺に原因がある可能性が考えられます。

息を吸っているときに音がする場合に考えられる主な原因は下記の通りです。

  • アデノイド肥大:上咽頭にあるリンパ組織のアデノイドが肥大する症状です。肥大によって気道が狭まるため呼吸がしにくくなります。
  • 扁桃肥大:口蓋扁桃が大きくなり呼吸障害・食べ物を飲み込みにくいなどの症状が出ます。
  • 舌根沈下:仰向けで眠っているときに舌の根元部分が重力と筋肉の緩みで喉に沈んでしまう症状です。舌が気道を塞ぐことで呼吸に問題が生じます。
  • 咽頭・喉頭腫瘍:食べ物の通り道である咽頭・空気の通り道である喉頭に腫瘍ができる病気です。喘鳴・声が出しにくい・呼吸困難の原因になることがあります。
  • 睡眠時無呼吸症候群:眠っているときに呼吸が浅くなったり止まったりします。扁桃肥大・舌根沈下によって起こることが多いです。

息を吐くときに音がする場合に考えられる喘息以外の主な原因は下記の通りです。

  • 肺気腫(COPD):長年の喫煙などで生じる病気で、肺の機能低下によって咳・呼吸困難・息切れなどの症状を招きます。
  • 肺がん:気管支・肺胞の細胞ががん化する病気で咳・痰・胸痛・息苦しさなど呼吸に関する症状を生じます。
  • うっ血心不全:血液を送り出す心臓のポンプ機能が弱まって、うっ血が起こる病気です。呼吸困難・倦怠感などを引き起こします。
  • 気管支炎:ウイルス・細菌などで気管支が炎症を起こす病気です。気管支炎を放置して長期化してしまうと喘息を発症することがあるので注意が必要です。
  • 気管支拡張症:肺に空気を送る気管支が広がる病気で、咳・痰・呼吸がしにくくなるといった症状があります。

喘鳴の原因は喘息だけではありません。大きな病気による場合もあるので、年に数回でも喘鳴の症状が出る場合、医療機関を受診して原因を調べてもらった方がよいでしょう。

突発的な強い咳や空咳、痰が出る

炎症によって気管支が敏感になり、なおかつ気道が狭くなると突発的な強い咳が止まらなくなったり、コンコンという乾いた空咳が出やすくなります。
また、痰の量が増えるのも喘息の症状の特徴です。夜間から早朝にかけて気道が狭くなるので咳によって眠りを妨げられ、睡眠不足によって日常生活に支障をきたすこともあります。

息切れや胸の苦しさが現れる

激しい咳が止まらなくなったり痰が溜まったりすることで呼吸がしづらくなり、息切れ・胸が苦しいといった症状が現れます。

喘息の原因について

喘息の原因は、ハウスダストやダニ、花粉、動物の毛などのアレルギーの原因物質によるアトピー性のものと、ウイルス感染や気候、喫煙、ストレスなどアレルゲン以外の要因によって起こる非アトピー性のものに分けられます。
子どもの喘息の原因はアトピー性のものが多く、逆に成人の喘息は非アトピー性のものが多いといわれています。

アレルギーが原因によるもの

気管支にアレルギー性の炎症が起こることで喘息を発症する場合があります。喘息そのものが遺伝することはありませんが、アレルギーを起こしやすい体質は遺伝します。
そのため、親がアレルギー体質だと子どももアレルギーを起こしやすいです。

気道の炎症によるもの

風邪・インフルエンザ・マイコプラズマ肺炎・百日ぜきといったウイルス・細菌感染症によって気道が炎症を起こします。炎症がなかなか改善せずに咳が出る状態が続くと、喘息が発症する場合があります。
炎症が強いほど喘息発作の程度・頻度も酷いです。特に空気が乾燥する季節は要注意です。うがい・手洗いをしっかり行って感染症を予防しましょう。

ストレスや疾患などの内的要因

感染症をはじめとした疾患・アレルギーによって気道に炎症が起こっていると刺激に敏感になります。
精神的ストレスに対しても敏感に反応するため、気管支の炎症が悪化して喘息を引き起こすことがあります。

ダニや工場の煙などの外的要因

小児喘息に多いアトピー性喘息は、ダニ・ハウスダスト・花粉・ペットの毛・食物などに対するアレルギーが原因です。
改善方法としてはアレルゲンを避けるのが効果的です。そのため、血液検査でアレルゲンを特定して、普段の生活環境からアレルギー物質をできるだけ排除するようにしましょう。
また、工場の煙・PM2.0といった大気汚染物質によって気道が刺激されることで喘息になる場合もあります。

喘息の治療方法や検査方法

喘息の治療方法や検査方法
喘息の治療は発作が起こったときに鎮める・発作が起こらないように普段からコントロールすることに重点を置きます。
それでは具体的な治療方法・検査方法をみていきましょう。

吸引ステロイド薬などの薬物治療

喘息の治療は気道の炎症・気道狭窄を改善することが主となります。
抗炎症作用のあるステロイド薬・抗アレルギーは、喘息の原因となっている炎症をおさえる薬です。
気道を広げる作用がある気管支拡張薬は発作を鎮めるのに使用します。医師が患者さんの症状の強さ・経過によってこの2つの種類を組み合わせて治療をします。
薬物治療には吸入薬・飲み薬・貼り薬・注射薬があり、患者さんの好み・年齢に合わせた処方が可能です。ただ、飲み薬・貼り薬・注射薬は薬の吸収効率が落ちるというデメリットがあるため、炎症箇所に直接届いて少量でも効果を期待できる吸入薬が主流となっています。
吸入薬には粉末状の薬剤を自分の力で吸入するDPI型(ドライパウダー吸入)と液体状の薬剤を霧状にして噴霧するp-MDI型(加圧式定量噴霧吸入薬)があります。
吸入方法はDPI型・p-MDI型で多少異なる部分はありますが、吸入薬の使い方は医療機関で教えてくれますのでご安心ください。
治療内容・治療期間によって異なりますが、喘息の一般的な治療費は薬剤費も含めて4,000~10,000円(税込)程といわれています。
ステロイド薬は炎症を鎮める強い効果がある反面、副作用があるというイメージを持っている方も多いでしょう。
大量のステロイドを使用すれば副作用の心配はありますが、喘息の吸入薬は炎症箇所に直接薬を届けるものなので少量で済みます。
そのため、副作用は少ないといわれています。ただ、吸入薬が口内に残ることで声のかすれ・喉の違和感・口腔カンジタ症といった副作用が生じる場合があるので、吸入治療後はしっかりうがいをしましょう。

アレルギー体質か調べるドロップスクリーン検査(アレルギー原因迅速同定機器)

アトピー性喘息の場合、アレルゲンとなっている物質を知ることが重要です。ドロップスクリーン検査は1滴の血から喘息・花粉症・食物アレルギーなどの原因である41種類のアレルゲンを調べられます
血液を採取するのに注射器を使わず、指先から少量の採血で検査することができます。気道の炎症原因であるアレルゲンを特定し、日常生活から遠ざけることで喘息を改善します。

気道の広狭を調べる呼吸機能検査器(スパイロメーター)

鼻を閉じた状態で口にくわえたマウスピースに息を吐く検査です。
思い切り息を吸い込んでできるだけ素早く吐き出したときの空気量・最初の1秒間に吐き出された空気量・吐くスピード・息を吸い込んでから吐き終わるまでの時間を測定することで気道の広狭を調べます
また、喘息の患者さんはピークフロー(息を吐き出したときの強さの最大値)が低下する特徴があります。そのため、このピークフローの数値は喘息を管理するのに大切です。

気道の炎症を調べる呼気NOモニター

呼気に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測定する検査です。炎症が起こると炎症性サイトカインが分泌され、一酸化窒素(NO)の濃度が高くなります。その数値が基準値を越えると、喘息と診断されることがあります。

喘息の症状が出たときの注意点

喘息の症状が出たときの注意点
喘息の症状が出たら治療することももちろん大切ですが、悪化させないよう用心することも重要です。喘息が悪化する原因を把握して、日常生活で気をつけることで悪化を防ぎましょう。

花粉やダニなどのアレルゲン物質は避ける

アトピー性喘息の場合は原因となっているアレルゲンを遠ざけましょう。喘息の原因となるアレルゲンは花粉・ダニ・ハウスダストなどさまざまです。
ドロップスクリーン検査でアレルゲンを特定して、清掃・マスクの着用などを徹底することをおすすめします。

喫煙や飲酒の習慣を見直す

タバコの煙は気道を刺激し、飲酒することで体内に生じるアセトアルデヒドは気道を狭くさせるため喘息にとって大敵です。喘息の症状が出たら喫煙・飲酒といった習慣を見直しましょう。
また、喘息の患者さん本人が喫煙するのはもちろん、受動喫煙も喘息を発症・悪化させる大きな要因となります。そのため、家族・職場の人にも分煙・禁煙をしてもらうことが望ましいです。

再発する可能性があるため症状が改善しても治療を途中で止めない

薬物治療をはじめると数週間で発作が起こらなくなったり咳が気にならない程度になったりする場合も多いですが、気道の炎症はまだ続いています。
途中で治療を止めてしまうと喘息が治りきらず、発作・咳が再発してしまうので注意が必要です。
薬の種類・組み合わせ・調整などは医師が症状の程度・経過を診ながら判断するので、指示に従うようにしてください。

喘息の症状でお困りならみずの内科クリニックにご相談を

みずの内科クリニック
喘息の症状でお悩みなら、みずの内科クリニックにご相談してみてはいかがでしょうか。みずの内科クリニックは喘息に深く関わってくる呼吸器疾患・アレルギーの治療が専門のクリニックです。

また、呼吸機能検査器(スパイロメーター)・呼気NOモニター・ネブライザー(気管内加湿)・ドロップスクリーン検査といった検査機器を導入しており、喘息治療に対応しています。

救急医療なども経験している呼吸器内科専門の院長

みずの内科クリニックの院長である水野秀和医師は呼吸器内科・アレルギーを専門としています。一宮市立市民病院に勤務していたときに救急医療も経験しているので、喘息の急な発作などにも対応できます。

生活習慣病などにも対応し地域の健康を支える

みずの内科クリニックは血圧・高脂血症・糖尿病・骨粗しょう症といった生活習慣病の治療にも対応しています。

水野秀和院長が大切にしていることは地域の方の健康寿命を延ばすことです。そのために、生活習慣病の治療に注力することで地域の方の健康を支えています

約60年以上かかりつけ医として地域密着のクリニック

みずの内科クリニック検査機
みずの内科クリニックは地域のかかりつけ医として一宮市で60年以上診療をしています。内科・呼吸器内科・アレルギー科・小児科を標榜しており、子どもからお年寄りまで幅広い診療に対応しているのが特徴です。

また、患者さんが調剤薬局を訪れる手間と時間を減らせるように院内処方を取り入れています。

さらに、保険・福祉サービスに関する相談・緊急の患者さんに対応するなど、地域密着の診療に努めているクリニックです。

みずの内科クリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間・費用

布袋駅 車で9分

愛知県一宮市西大海道字宅美51

診療時間
9:00~12:00
16:00~18:30

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