新しいデジタル技術が叶える、永続性を目指したインプラント治療【愛媛県伊予郡松前町 中矢歯科医院】


日々進化を続けるインプラント治療だが、エビデンスに基づいた診断精度の向上が、この分野を発展させてきた。背景には新しいデジタル技術が大きく貢献している。医師の経験と勘に頼っていた時代は終わり、次世代の治療法を確立しながらアップデートを続けているのである。愛媛県伊予郡の「中矢歯科医院」は、こうしたデジタル設備の導入に注力している歯科医院のひとつ。同院ではどのように永続性のある治療を目指しているのだろうか。院長の中矢賢史歯科医師に話を伺った。
中矢 賢史(なかや たかし)
中矢歯科医院 院長
日本歯科大学新潟歯学部を卒業。もともと麻酔科を目指していたが、研修先であった福島県の一箕歯科医院でのインプラント治療に衝撃を受け、転向。以後、一箕歯科医院分院などで研鑽を重ねた後、2012年に地元である愛媛県で中矢歯科医院を開業した。開院当初から新たな機器を導入した時代の先端を行くインプラント治療を心がけ、クオリティの追求はもちろん、患者に合わせた医療を提供することに情熱を注いでいる。
理想の実現=トップダウンを導く、デジタル治療の進化
近年のインプラント治療はどのように進化していますか?
デジタル技術の発展に合わせてインプラント治療も日々進化しています。口腔内スキャナやCT、フェイススキャナを使った口内と顔貌の精密なデータ化、3Dプリンタやミリングマシンの導入による補綴物の自動加工など、先進のデジタル技術が積極的に活用されています。

デジタル技術がインプラント治療を向上させたのですね
そのとおりです。二次元のレントゲン画像で診断を行っていた頃は、骨の厚みや構造、神経の正確な位置を把握することは困難でした。当然リスクが高く、患者さんへの負担も大きかったのですが、三次元化できるデジタル画像が用いられるようになって、これらの課題が解決しています。デジタル技術とインプラント治療はとても相性がよいのです。
デジタル技術を活用した注目のインプラント治療はありますか?
それぞれどんな治療なのでしょうか? まず「All on 4」について教えてください
次に、即日インプラントとはどのようなものでしょうか?
インプラント治療にも革命が起きているのですね
人工歯はもちろん、歯茎の状態も含めた最終の仕上がりをイメージし、そのとおりに治療を進めていくことを「トップダウントリートメント」といいます。そのためには手術に至るまでの診査・診断・治療計画がとても大切であり、幅広くシミュレーションできるデジタル技術が不可欠です。
本院では「デジタル治療」とも呼びますが、リスク回避の説明に3D画像はとても役立ちますし、口腔内の精密な状態を患者さんと共有できることは安心感にもつながるのではないでしょうか。

院内一貫システムで、される治療から“共につくる”治療へ

具体的に、どんなことがメリットになりますか?
上部構造に使われるジルコニアとはどんな材料でしょうか?
見た目は白いのですが、金属なので少しカチカチという金属音がします。また、ジルコニアにはいくつか種類があって、本院では6層構造を採用しています。外注などでは金額の安い単色が使われることもあるのですが、それに比べると、より自然でリアルな歯を作製することができます。
ジルコニア以外の、ほかの素材は選べますか?
上部構造のやり直しは可能ですか?
やり直すというより、作製に入る前の打ち合わせを技工士ときちんと行うことで、希望通りの仕上がりを目指します。もちろん完成後の微調整も可能ですが、外注の場合、そうはいきません。
そもそも医師から紙面上で患者さんの希望を伝えるのですが、それでは情報量が足りないのです。せっかく高い費用をお支払いいただくので、細かなこだわりをダイレクトに反映した丁寧なものづくりが行えるのも、インハウスの魅力です。
ほかに、インハウスインプラントが優れている点はありますか?
ここまでお話しした上部構造の精度や審美性の高さ、外注工程削減による治療スピードの向上をはじめ、治療工程の共有による患者さんとの信頼関係構築、通院回数が減ることによる負担軽減、品質管理の高さ、対応の速さなど、メリットは多岐に渡ります。
導入される機材も重要になりますね
確かに、機材がなければ院内生産は実現しません。しかし、本院が大切にしているのは、単なる内製化によるコストカットではなく、患者さん主体の治療や、そもそも治療の永続性をいかに担保するかという点です。そのためにデジタルデータを用いた精密な診断のもと、患者さんに寄り添えるインハウスインプラントの可能性を追求しています。

技術は安心のため。永続性を見据えたインハウスインプラントの可能性

貴院でのインハウスインプラントの治療の流れを教えてください
まず、重要な診査・診断のところで口内をデジタルスキャンしていきます。併せてCTやフェイススキャンを行って顔貌とも照合し、現状の説明や状態を患者さんと共有します。患者さんが納得され、手術が決まれば、3Dプリンタを使ってサージカルテンプレートを作製していきます。
サージカルテンプレートは必須ですか?

術後はどのような流れになりますか?
手術が終われば、再度デジタルスキャンで型取りを行い、そこから3Dプリンタによる仮歯の作製に進みます。歯の形や色はもちろん、歯茎との相性など、技工士と患者さんによる詳細な打ち合わせを数回行い、最終的にミリングマシンを使った上部構造の作製に入ります。
術後は、どのようなフォローを行っていますか?
インプラントは骨に埋入しているので、通常は歯根膜があることによって和らぐ噛んだときの衝撃をダイレクトに受けることになります。
食いしばりや歯ぎしりのある方には、その分の調整が必要になるので、数カ月おきに検診することと、あとは緩んだネジのチェックや洗浄など定期的な来院をお願いしています。

編集部まとめ
「患者さん主体でものづくりを行う」という言葉が、まさに次世代のインプラント治療であると感じました。歯科や技工士まかせにするのではなく、共につくり上げていく。そのプロセスが患者さんの納得感を生み、結果として自身の歯を大切にする=永続性につながっていくのではないでしょうか。新しいデジタル技術を駆使しているのに、何よりも温かいオーダーメイド治療でもある、それがインハウスインプラント治療の魅力だと思います。




