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新しいデジタル技術が叶える、永続性を目指したインプラント治療【愛媛県伊予郡松前町 中矢歯科医院】

 公開日:2026/03/25

新しいデジタル技術が叶える、永続性を目指したインプラント治療
新しいデジタル技術が叶える、永続性を目指したインプラント治療

日々進化を続けるインプラント治療だが、エビデンスに基づいた診断精度の向上が、この分野を発展させてきた。背景には新しいデジタル技術が大きく貢献している。医師の経験と勘に頼っていた時代は終わり、次世代の治療法を確立しながらアップデートを続けているのである。愛媛県伊予郡の「中矢歯科医院」は、こうしたデジタル設備の導入に注力している歯科医院のひとつ。同院ではどのように永続性のある治療を目指しているのだろうか。院長の中矢賢史歯科医師に話を伺った。

Doctor’s Profile
中矢 賢史(なかや たかし)
中矢歯科医院 院長

日本歯科大学新潟歯学部を卒業。もともと麻酔科を目指していたが、研修先であった福島県の一箕歯科医院でのインプラント治療に衝撃を受け、転向。以後、一箕歯科医院分院などで研鑽を重ねた後、2012年に地元である愛媛県で中矢歯科医院を開業した。開院当初から新たな機器を導入した時代の先端を行くインプラント治療を心がけ、クオリティの追求はもちろん、患者に合わせた医療を提供することに情熱を注いでいる。

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理想の実現=トップダウンを導く、デジタル治療の進化

近年のインプラント治療はどのように進化していますか?

デジタル技術の発展に合わせてインプラント治療も日々進化しています。口腔内スキャナやCT、フェイススキャナを使った口内と顔貌の精密なデータ化、3Dプリンタやミリングマシンの導入による補綴物の自動加工など、先進のデジタル技術が積極的に活用されています。

理想の実現=トップダウンを導く、デジタル治療の進化

デジタル技術がインプラント治療を向上させたのですね

そのとおりです。二次元のレントゲン画像で診断を行っていた頃は、骨の厚みや構造、神経の正確な位置を把握することは困難でした。当然リスクが高く、患者さんへの負担も大きかったのですが、三次元化できるデジタル画像が用いられるようになって、これらの課題が解決しています。デジタル技術とインプラント治療はとても相性がよいのです。

デジタル技術を活用した注目のインプラント治療はありますか?

デジタル技術は、すべてのインプラント治療において精度や効率、治療期間の短縮といったメリットがあります。なかでも「All on 4(オールオンフォー)」や「※即日インプラント」は、立体的な骨形態を確認できるデジタル技術があってこそ、適切かつ迅速なインプラント手術を可能にした注目の治療だといえます。
(※) 術前の検査、術後の経過観察が必要です

それぞれどんな治療なのでしょうか? まず「All on 4」について教えてください

All on 4は、下顎または上顎に埋入した最小4本のインプラントで12本の人工歯を支える治療です。多くの歯を失っている方、総入れ歯の方におすすめの治療です。
1本ずつインプラントを入れるよりも手術の回数が少なく済むこと、骨の移植など侵襲性の高い処置を避け、早期に機能回復できるといったメリットがあります。

次に、即日インプラントとはどのようなものでしょうか?

即日インプラント(1dayインプラント)は、「即日荷重インプラント」ともいいます。たとえば、グラグラしている前歯があったとしましょう。数日でも歯抜けの状態に抵抗がある方には、抜歯とインプラント体の埋入を同日に行い、すぐに仮歯と連結させることができます。見た目に関するストレスと、一度の手術で済むことによる経済的な負担を軽減するメリットがあります。

インプラント治療にも革命が起きているのですね

人工歯はもちろん、歯茎の状態も含めた最終の仕上がりをイメージし、そのとおりに治療を進めていくことを「トップダウントリートメント」といいます。そのためには手術に至るまでの診査・診断・治療計画がとても大切であり、幅広くシミュレーションできるデジタル技術が不可欠です。
本院では「デジタル治療」とも呼びますが、リスク回避の説明に3D画像はとても役立ちますし、口腔内の精密な状態を患者さんと共有できることは安心感にもつながるのではないでしょうか。

理想の実現=トップダウンを導く、デジタル治療の進化

そのほかに注目の技術はありますか?

インプラント体はチタンという素材でつくられていますが、たとえ新品のものでも製造時に比べると劣化(エイジング)が進み、骨とくっつきにくくなることがわかっています。しかし、「光機能化」という技術を使って表面を処理すれば、劣化が回復し、血液との親和性を高めることができます。
本院ではこの機械を導入し、すべてのインプラント治療に無料で提供しています。骨への定着率が明らかに違い、合併症を防ぐこともできるので、安全な治療の提供につながっています。

院内一貫システムで、される治療から“共につくる”治療へ

院内一貫システムで、される治療から“共につくる”治療へ

貴院で行っている「インハウスインプラント」について詳しく聞かせてください。はじめに、「インハウスインプラント」とは何でしょうか?

インハウスとは「院内で」という意味で、通常は外部に発注するガイド装置や補綴物(インプラントにおける上部構造)を、院内生産する仕組みをいいます。
本院では、CTや口腔内3D光学スキャナはもちろん、3Dプリンタ、CAD/CAM冠ミリングマシンを導入して院内生産を可能にし、さまざまなメリットを患者さんに提供しています。

具体的に、どんなことがメリットになりますか?

ひとつは「材料にこだわれる」ということです。インプラントに関する材料も日進月歩であり、改善と改良が重ねられた材料をいち早く臨床に導入できます。
次に患者さんの希望を反映した“ものづくり”です。インプラントの上部構造(人工歯)はジルコニアを用いますが、見た目の形態、色調の好みは異なるので、それぞれの希望を織り込んだ世界にひとつだけの人工歯を作製できます。
最後に、外注費用を削減できるのでコストを最小限に抑えられます。

上部構造に使われるジルコニアとはどんな材料でしょうか?

見た目は白いのですが、金属なので少しカチカチという金属音がします。また、ジルコニアにはいくつか種類があって、本院では6層構造を採用しています。外注などでは金額の安い単色が使われることもあるのですが、それに比べると、より自然でリアルな歯を作製することができます。

ジルコニア以外の、ほかの素材は選べますか?

基本的にはジルコニアですが、なかには3Dプリンタで作製した仮歯を選ばれる方もいらっしゃいます。3Dプリンタでつくった仮歯はPMMA系レジン樹脂(アクリル樹脂)なので、先ほどの金属音がありません。選択肢が1種類ではないという点も、インハウスインプラントのメリットだと思います。

上部構造のやり直しは可能ですか?

やり直すというより、作製に入る前の打ち合わせを技工士ときちんと行うことで、希望通りの仕上がりを目指します。もちろん完成後の微調整も可能ですが、外注の場合、そうはいきません。
そもそも医師から紙面上で患者さんの希望を伝えるのですが、それでは情報量が足りないのです。せっかく高い費用をお支払いいただくので、細かなこだわりをダイレクトに反映した丁寧なものづくりが行えるのも、インハウスの魅力です。

ほかに、インハウスインプラントが優れている点はありますか?

ここまでお話しした上部構造の精度や審美性の高さ、外注工程削減による治療スピードの向上をはじめ、治療工程の共有による患者さんとの信頼関係構築、通院回数が減ることによる負担軽減、品質管理の高さ、対応の速さなど、メリットは多岐に渡ります。

導入される機材も重要になりますね

確かに、機材がなければ院内生産は実現しません。しかし、本院が大切にしているのは、単なる内製化によるコストカットではなく、患者さん主体の治療や、そもそも治療の永続性をいかに担保するかという点です。そのためにデジタルデータを用いた精密な診断のもと、患者さんに寄り添えるインハウスインプラントの可能性を追求しています。

院内一貫システムで、される治療から“共につくる”治療へ

技術は安心のため。永続性を見据えたインハウスインプラントの可能性

技術は安心のため。永続性を見据えたインハウスインプラントの可能性

貴院でのインハウスインプラントの治療の流れを教えてください

まず、重要な診査・診断のところで口内をデジタルスキャンしていきます。併せてCTやフェイススキャンを行って顔貌とも照合し、現状の説明や状態を患者さんと共有します。患者さんが納得され、手術が決まれば、3Dプリンタを使ってサージカルテンプレートを作製していきます。

サージカルテンプレートは必須ですか?

本院ではコンピュータガイド手術を導入しており、コンピュータ上でインプラントを埋める位置を確定してマウスピースのようなサージカルテンプレートを無料で作製しています。
インプラント治療では正しい位置に人工歯根を埋め込むことが重要であり、サージカルテンプレートを使用することで、神経損傷や上顎洞へのスクを抑えます。高い安全性が確保でき、歯茎を大きく切開することもないので、患者さんの負担も減らせます。

手術中の痛みに対する対策はありますか?

通常は麻酔だけで行うことが多いのですが、本院では静脈内鎮静法を行っています。やはり手術となると緊張される方が多く、血圧も上がりがちです。
静脈内鎮静法は意識がありながらも睡眠に近い状態となり、非常にリラックスした状態で安心して手術を受けることができるので、特に高齢の方などには好評です。

技術は安心のため。永続性を見据えたインハウスインプラントの可能性

術後はどのような流れになりますか?

手術が終われば、再度デジタルスキャンで型取りを行い、そこから3Dプリンタによる仮歯の作製に進みます。歯の形や色はもちろん、歯茎との相性など、技工士と患者さんによる詳細な打ち合わせを数回行い、最終的にミリングマシンを使った上部構造の作製に入ります。

術後は、どのようなフォローを行っていますか?

インプラントは骨に埋入しているので、通常は歯根膜があることによって和らぐ噛んだときの衝撃をダイレクトに受けることになります。
食いしばりや歯ぎしりのある方には、その分の調整が必要になるので、数カ月おきに検診することと、あとは緩んだネジのチェックや洗浄など定期的な来院をお願いしています。

技術は安心のため。永続性を見据えたインハウスインプラントの可能性

貴院のインプラント治療の費用について教えてください

まず、インプラント埋入手術が1本につき275,000円(税込)です。上部構造は、ジルコニアで1歯につき110,000円(税込)、静脈内鎮静法が1本で77,000円(税込)となります。外科手術であるサイナスリフト(上顎洞底挙上術)は1ブロック110,000円(税込)、GBR(骨移植)は1ブロック55,000円(税込)となっています。

ありがとうございました。それでは最後に、読者の方にメッセージをお願いします

本院では時代の先を行くインプラント治療と、よいものを患者さんと一緒につくり上げていく歯科医療の提供を目指しています。同時に、AI時代に日々アップデートされる技術を具現化し、医師と技工士、衛生士も含めて患者さんが享受できるメリットを追求しています。
私自身、20年以上インプラント治療の研鑽を積んできましたが、医院選びにお困りの方は、症例数だけでなく新しい機器が揃っていることに加え、デジタル技術の導入実績、サージカルテンプレートの使用実績なども考慮いただき、納得できる医院を見極めていただければと思います。

編集部まとめ

「患者さん主体でものづくりを行う」という言葉が、まさに次世代のインプラント治療であると感じました。歯科や技工士まかせにするのではなく、共につくり上げていく。そのプロセスが患者さんの納得感を生み、結果として自身の歯を大切にする=永続性につながっていくのではないでしょうか。新しいデジタル技術を駆使しているのに、何よりも温かいオーダーメイド治療でもある、それがインハウスインプラント治療の魅力だと思います。

中矢歯科医院

医院名

中矢歯科医院

診療内容

インプラント治療 審美治療 矯正治療 など

所在地

愛媛県伊予郡松前町大字永田298-13

アクセス

伊予鉄道郡中線「古泉」駅より車で4分

この記事の監修歯科医師