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インプラントを安全に長持ちさせる秘訣は“メンテナンス ”【花村歯科クリニック】

 更新日:2023/03/27
インプラントを安全に長持ちさせる秘訣は“メンテナンス ”【花村歯科クリニック】
インプラントを安全に長持ちさせる秘訣は“メンテナンス ”【花村歯科クリニック】

入れ歯にするか、インプラントにするかの選択で迷ったときに、「やはり自分の歯のように噛めるインプラントを入れたい」と希望する人は増えつつある。しかし、その一方で「手術が痛いのではないか?」「トラブルは起きないのだろうか?」など、未知の治療に関して不安を抱く声が少なくないのも事実だ。そこで、インプラント治療を数多く手がける「花村歯科クリニック」の田澤克幸院長に、詳しいお話を伺った。


Doctor’s Profile
田澤 克幸
花村歯科クリニック院長

・昭和大学歯学部卒
・平成9年 三河島歯科クリニック開業
・平成14年法人設立
・平成15年 現在の花村歯科クリニック開業

本来の自分の歯と同じように噛めるインプラント

インプラントを入れるメリットについて教えてください。

自分の歯とまったく同じように噛めることですね。たとえば入れ歯の場合は、食べ物を噛んだとき入れ歯が沈み込んでしまうので、どうしても噛み切る能力が低くなってしまいます。でもインプラントは顎の骨に固定されているので、自分の歯と変わりなく、しっかりと噛み切ることができます。
本来の自分の歯と同じように噛めるインプラント

入れ歯が沈み込んでしまうと、どのような状態になりますか?

自分ではギュッと噛んだつもりでも、本物の歯のように噛み切れないのです。特に食べづらいのは、パンや葉物野菜です。レタスを食べているのに、まるでこんにゃくを食べているような感じです。ブヨブヨとしていて、なかなか噛み切れません。
入れ歯が思うように噛めないと、どうなってしまうのでしょうか?

たとえば右側に入れ歯を入れている場合、「なんだ、右側じゃ噛み切れないから、左側で食べよう」と思うようになります。そうすると、左側ばかりで噛むために入れ歯が飾りものになってしまい、今度は左側の歯に負担がかかってしまいます。多少は右側でも噛んだとしても、その割合が1~2割だと、入れ歯を入れる意味がなくなってしまいますよね。

本来の自分の歯と同じように噛めるインプラント
もし入れ歯ではないほうの歯も丈夫でなかった場合は?

そういう方は結構多くて、入れ歯ではないほうの歯にブリッジを入れている場合、ブリッジで噛むと、通常でも普通の歯より負担がかかるので、そこだけで噛んでいると負担がかかってしまいます。そうなると、歯が痛むのも早くなります。まず奥歯がだめになり、それから前歯がだめになって、総入れ歯になるというケースが多いです。
インプラントなら、周囲の歯に負担をかけないで済むということですか?

はい。インプラントがほかの歯に負担をかけることは少ないです。自分の歯のように噛めることとほかの歯に負担をかけないことが、インプラントの大きなメリットです。もちろん、メリットばかりではありません。インプラント入れ歯にはないデメリットもあるので、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

インプラントを入れた後は、日頃のメンテナンスが非常に重要

それでは、インプラントを入れるデメリットについても教えていただけますか。

インプラントは、実は人によって向き不向きがあります。たとえば、夜歯ぎしりをするクセがある人にはあまり向きません。インプラントに過度に大きな力がかかり過ぎると、歯ぐきが歯槽膿漏を起こしてしまう危険性があるからです。でも、そのような人には、夜マウスピースをして寝てもらうなどして対応することはできます。
インプラントを入れた後は、日頃のメンテナンスが非常に重要

インプラントに向かない人というのは、ほかにもいますか?

日頃のメンテナンスができない人は、インプラントには向きませんね。いくらインプラントが自分の歯のように使えるとはいっても、人工の歯であることには変わりありませんから、メンテナンスを怠ると歯槽膿漏によって土台がグラグラになってしまうこともあります。
メンテナンスをせずに放ってしまう人もいるのですね。

そうなんです。インプラントはメンテナンスが非常に重要で、手術後も定期的に検診を受ける必要があるのですが、仕事が忙しいなどの理由で来なくなってしまう方もいらっしゃいます。来なくなってしまった人の中には、10年後にひょっこりやってきて何の問題もない人もいるのですが、逆に2年後でも腫れてしまう方もいます。
メンテナンスのタイミングは、どのぐらいがベストですか?

インプラントを入れた直後は毎月来ていただきますが、問題がなければ少しずつ間をあけていきます。だいたい季節の変わり目に1回くらいの頻度で、メンテナンスを行ったほうがいいでしょう。

インプラント手術の痛みは、歯を抜くときの痛みと変わらない

インプラント手術の痛みは、歯を抜くときの痛みと変わらない
インプラント手術は痛くありませんか?

基本的にインプラント手術の痛みは、歯を抜くときの痛みとさほど変わりません。痛いというよりは、少し重く感じる程度と思っていただければいいでしょう。特別な症例を除き決して大がかりな手術ではありませんし、麻酔をすれば手術中の痛みもありません。注意事項を守れば術後に痛くなることもあまりなく、特別な手術を追加しない限り3日以上続くことはないので、安心してください。
インプラント手術を失敗することもありますね。それは何が原因なのでしょうか?

インターネットなどで、インプラントは危険だというような記事を読んでいる人もいるかもしれません。でも、それはインプラント手術を行うドクターにもいろいろいる」ということだと思います。インプラント経験の浅いドクターが手術を行えば、失敗する確率は高くなりますし、経験の多いベテランのドクターが行えば失敗の確率は極めて低くなります。

ドクターの腕以外に、手術の成功を左右するものはありますか?

どんなインプラント体を入れるかということも、非常に重要です。世界中には星の数ほどのインプラント体があり、値段も質もピンキリです。一番大切なのはドクターと話し合い、何が一番適切なのかを説明してもらい、それに納得できるかどうかです。
貴院ではどのようなインプラントを入れていますか?

当院では、私が大学病院でずっと使用してきたインプラントと同じ、信頼できる製品を使用しています。そうでなければ、インプラントを入れる患者さんに対して、十分な責任が持てませんからね。院内にCT検査設備も備えて、万全の体制で手術に臨んでいます。
CT検査設備とはどのようなシステムで、どんなメリットがありますか?

CTは顎の中のどの骨がどれだけあるか、神経までどのぐらいの距離があるかなどを、3Dの立体画像で確認できる設備です。2次元のレントゲンよりもわかりやすく、CTがあることで確実にインプラント手術を行うことができます。当院でインプラント手術を行うときは、患者さんが落ち着いて手術ができるよう、専用の手術室を使っています。

80代後半でインプラントを入れる人もいる

インプラント治療をする際の流れを教えてください。

まずはCTとレントゲンで検査を行って、インプラント手術ができるかどうかを確認します。できると判断した場合は、インプラント手術を行います。すでに歯がなくなっている人は、すぐに手術ができる場合もありますし、骨が丈夫な人は抜歯後すぐに埋入するケースもあります。
80代後半でインプラントを入れる人もいる

高齢の人でもインプラント治療はできるのでしょうか?

健康な人なら大丈夫です。当院でも、88歳の方がインプラント治療を受けられました。その方は下の前歯が2~3本しかなくて、インプラントを入れたのですが、今も問題なく使用されています。

80代後半でインプラントを入れる人もいる
インプラント治療は、前歯や奥歯など、どんな場所でも入れられるのでしょうか?

どこでも大丈夫です。前歯のように審美性の高い部分は、元の歯と同じように見えるように、見栄えをよくすることもできます。奥歯はどうしてもチューリップのような形になってしまうのですが、前歯は奥歯と違って歯が細いので、円筒形のネジが入っても比較的美しく見せることができます。

近くて通える範囲で、よい歯科クリニックを見つけたい

近くて通える範囲で、よい歯科クリニックを見つけたい
インプラントは金属の人口歯根を埋入しますが、金属アレルギーの心配についてはいかがですか?

金属の歯根はチタンでできているのですが、チタンはアレルギーを起こしにくい金属の一つです。ただ、まったく起こさないというわけではないので、心配な人は皮膚科に相談したほうがいいでしょう。
インプラントの耐久性というのは、どのくらいあるのでしょうか?

インプラントは身体に入れる素材なので、「人工関節を入れたけれど耐久性はどのぐらい?」と聞くのと同じで、「何年持ちますよ」とは言えません。ただはっきり言えるのは、しっかりとメンテナンスをしたインプラントほど長持ちするということです。

インプラントを入れてからのメンテナンスが、とても大事だということですね。

そうです。オイル交換もせずに3年経った車と、3カ月おきにメンテナンスをした車の性能が違うように、インプラントは入れてからのメンテナンスが肝心です。それによってインプラントの耐久性は、大きく変わってきます。
内科的疾患のある方は、インプラントを入れられますか?

何かしらの病気にかかっている方は、内科の医師に相談の上で来院する必要があります。たとえば、糖尿病の方は傷口の治りが遅いので、骨造成を行うと感染する恐れもあります。骨粗鬆症の薬や血液をサラサラにする薬を飲んでいる人、がんに罹患している方なども、まずは内科で相談をしてから来ていただければと思います。
最後に、Medical DOCの読者にメッセージがあればお願いします。

インプラント治療というと「大がかりな手術だから、近くの歯医者では心配」と思う人もいるのですが、メンテナンスのこともあるので、近くて通える範囲でいいクリニックを見つけるのが一番いいのではないかと思います。「ちょっとネジが緩んだ」というようなときでも、すぐに診てもらえますからね。まずは実際に受診してみて、自分の目で確かめてみてはいかがでしょうか。

編集部まとめ

インプラントに関しては、「手術が痛い」「失敗したら怖い」というイメージを持っている人も少なくないのですが、その不安が多少は払拭できたのではないでしょうか? また、インプラントは治療中も大切ですが、治療後のメンテナンスが非常に大事だということもおわかりいただけたかと思います。インプラント治療を大げさに考えず、かといっていい加減な気持ちで受けることなく、正しい知識をもって治療に臨みたいですね。

医院情報

花村歯科クリニック

花村歯科クリニック
所在地 〒332-0034
埼玉県川口市並木2丁目3-13
アクセス JR京浜東北線 西川口駅 徒歩5分
診療内容 歯科一般 インプラント 予防

この記事の監修歯科医師