【雑誌「Hanako」コラボ #1】若年層でも要注意!? 女性にとっての歯の健康《歯科》
人気雑誌『Hanako』とのコラボし、副編集長の佐藤あやが、体に関するさまざまな情報を専門医に聞く対談連載の第1弾。マスク生活が続き、お口の健康への関心が高まる今、歯科医師・関根伸行先生の下を訪ねました。
監修歯科医師:
関根 伸行(かめいどファミリー歯科 院長)
歯科医師。“口の中を守ることで体全体が良くなる”と、健康寿命まで考えた治療・コミュニケーションを心がける。歯磨き剤のCMへの出演や口コミから知名度は全国的で県外から通院する人も。
CLINIC DATA
丁寧なカウンセリングが評判。関根先生の指名もできる。JR総武線・東武亀戸線亀戸駅から徒歩7分。東京都江東区亀戸3-59-16 小坂ビル1F 103-3681-9448 10:00~13:10(最終受付12:30)、14:30~19:10(最終受付18:30)、土14:30~18:10(最終受付17:30) 日祝休
佐藤あや(「Medical DOC」副編集長)
モデル、ハナコラボ パートナー。最新医療に関心が高く、2021年8月から「Medical DOC」副編集長に。YouTubeチャンネル『教えてドクター・Medical DOC』などで活動。一児の母としての目線も。
お口の健康相談は、元気な体づくりの入り口
佐藤あや
モデルとして歯の健康には気を使ってきた方ですが、最近になって矯正を始め、ホワイトニングも実践中。私のような人は増えているんでしょうか?
関根先生
コロナ禍もあって、マスク生活のうちに歯列矯正をする人はぐっと増加しました。さらに、佐藤さんと同じ20~40代の女性は特に歯の健康が心配な世代。ケアが気になり始める時期ですね。
佐藤あや
私は妊娠を経験してからむし歯ができやすくなりました。歯磨きが大好きで、いつもツルツルピカピカになるまで時間をかけているのに、どうしてなんでしょうか?
関根先生
実は、女性ホルモンによって口腔ケアの方法は変わるんです。特に、女性ホルモンが出やすくなる時に歯周病菌が活発になります。つわりなどで酸性の物質が口の方に上がってきたら、“酸蝕歯”になりやすくなり、しみたり、むし歯ができたりという影響も出てくるんですよ。
佐藤あや
むし歯だけでなく歯周病の予防も考えなくてはですね。
関根先生
妊娠時の歯周病が悪化すると、早産や低体重児のリスクもアップするというデータもあります。口は体の入り口なので、歯周病のように毛細血管が壊れたところから細菌が入って、体のほかの部分が病気になってしまうことも。
佐藤あや
マスクをしていて、口臭が気になるという人もいるかと。こちらも菌が原因ですか?
関根先生
口臭には、大きく分けて生理的口臭と病的口臭の二つがあります。たとえば朝イチやマスク着用時は生理的口臭が強くなりますね。唾液が少なくなり、乾燥してしまうことで細菌が増殖しますから。女性の場合は、生理期間に口臭が強まることもあります。これも生理的口臭の一つで、誰にでもあるものです。
佐藤あや
ということは、病的口臭はお口の健康状態が原因?
関根先生
はい。歯周病菌などの細菌が増殖すると、口臭の原因物質がたくさん作られてしまいますね。
佐藤あや
予防のためには、やはり歯科医の受診がマストでしょうか?
関根先生
まずは、上手なセルフケアを身につけましょう。朝起きてすぐの口腔内は歯周病菌など細菌が大量。マウスウォッシュでも歯ブラシでもいいので、綺麗にすることが大事です。
佐藤あや
よく、朝一番に白湯(さゆ)を飲む健康法を聞きますが、それよりまずは細菌を取り除くのが先なんですね。歯の磨き方や、歯ブラシの選び方のおすすめはありますか?
関根先生
これは歯並びや歯の健康状態など人によって異なるので、一概には言えません。歯磨きが上手な人、苦手な人もいますから、歯科医で“処方”してもらうのがいいですよ。
佐藤あや
私は磨き過ぎと言われることも。圧のかけ方や、磨き残しやすい箇所なども教えてもらえそうですね。
関根先生
一つ守ってほしいのは、歯と歯茎の間の“歯周ポケット”を磨くこと。歯ブラシで取れるプラークは全体の6割程度なんです。デンタルフロスや歯間ブラシなどを組み合わせて、残りも綺麗にしましょう。
佐藤あや
歯磨き剤の相談にも、乗ってもらえますか?
関根先生
それも人それぞれなので、ぜひ歯科医に聞いてみてください。弱っている部分を修復させるアイテムや、抗菌作用が強いものなど、朝と夜で使い分けるのもありですね。市販でもコスパを含めていいものがありますよ。
佐藤あや
とはいえ、セルフケアだけだと心配な部分もあります。
関根先生
自分では取れない歯石の除去が、歯の健康に大きく影響します。だから定期的なメインテナンスがおすすめ。歯のクリーニングは保険診療ですので、ご安心を!
佐藤あや
妊娠や生理など、女性のライフサイクルと歯の健康が密接なことが、今回の発見。歯を守ることは、体全体を考えることにつながるんですね。関根先生のように話を聞いてもらいやすいと安心。
関根先生
悩みの原因がわかるだけでも、ストレスが減るんじゃないかな、と心を込めたコミュニケーションに努めています。最終的な目標は、患者さんの健康寿命を延ばしてあげることです。
Photo : Shu Yamamoto
illustration : Ema Mori
hair & make : Akina Higuchi
text : Kahoko Nishimura