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「二日酔い」は”排便”すれば治るのか?放置要注意の症状も医師が解説!

 公開日:2026/02/26
「二日酔い」は”排便”すれば治るのか?放置要注意の症状も医師が解説!

二日酔いの歴史は古く、旧約聖書にもその記述があります。アルコールが発明されて以降、人は二日酔いと常に付き合ってきました。

そんな二日酔いですが、排便をすると治るといった話があります。たしかに二日酔いの朝に排便をするとスッキリして楽になる感覚はあるでしょう。

二日酔いは排便をすると本当に治るのでしょうか。

本記事では二日酔いと排便の関係性を解説します。実際に二日酔いになった際の参考になれば幸いです。

※この記事はメディカルドックにて『「二日酔いは排便すると治る」のか?二日酔いのメカニズムや対処法も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

吉川 博昭

監修医師
吉川 博昭(医師)

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医学博士。日本ペインクリニック学会専門医、日本麻酔科学会専門医・指導医。研究分野は、整形外科疾患の痛みに関する予防器具の開発・監修、産業医学とメンタルヘルス、痛みに関する診療全般。

二日酔いによくある症状

公園のベンチに座る高齢者の男性
二日酔いになった朝はとても苦しいものです。その症状は多岐にわたり、要因もさまざまです。二日酔いには以下の症状があります。

  • 頭痛
  • 吐き気や下痢などの胃腸症状
  • 睡眠障害
  • 感知や認知の障害
  • うつ気分
  • 自律神経症状

二日酔いが身体的・精神的に複数の症状を起こす理由は解明されていません。これは二日酔いの原因が一つではなく複数の原因が絡み合い、それぞれの症状を起こすからではないかと考えられています。
そのため二日酔いからの回復には一つの手段ではなく、それぞれの症状に対応した回復方法が求められます。

二日酔いは排便すると治る?

お腹をおさえる高齢者の男性
二日酔いの際に排便をすると少し楽になった気分になる場合があります。それでは排便は体内の有害な物質を排出する効果があるのでしょうか。また二日酔いのときの排便は下痢の症状を伴っているケースが多いです。
ここでは排便が二日酔いに効果があるのかという点と、下痢の際の注意点を解説します。

排便でアセトアルデヒドは排出されない

体内に入ったアルコールは約20%が胃粘膜から、約80%が小腸から吸収されます。吸収されたアルコールは肝臓でアセトアルデヒドを経て酢酸に分解され、最終的に水と二酸化炭素となって体外に排出されます。そのため吸収しきれなかったアルコールが排便に含まれることはあっても、アセトアルデヒドが混じることはありません。
以上のことから、排便と有害物質の排出に因果関係はないと考えられます。この効果は気分的な要素が大きいといえるでしょう。

アルコール分解に必要なのは水分

アルコールはアルコール脱水素酵素(ADH)とミクロゾームエタノール酸化系(MEOS)によってアセトアルデヒドになり、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸に分解します。アルコールは酸化によって分解されるため、水分摂取がアルコール分解に直接影響するわけではありません
一方で酩酊時には抗利尿ホルモンの分泌が下がり尿量が増えるため、軽度の脱水状態になりやすくなります。このような健康の二次被害を防ぐ意味では水分の摂取は有効です。
また肝臓が一定時間にアルコールを分解できる量には限りがあるため、胃の中のアルコール濃度を抑えてゆっくりと吸収させるための水分の摂取も有効な手段です。ただし水分を摂取したからといって、血中のアルコール濃度が薄まるような効果はありません。

アルコール由来の下痢の注意点

アルコールを摂取するといくつかの理由で下痢になる可能性があります。大量の水分を摂取したためであったり、高脂肪のつまみを食べ過ぎたことによる消化不良であったりです。
一方でこれらの短期的な理由ではなく、長期的な飲酒が原因で下痢を起こしている場合もあります。酵素の分泌が抑制され、消化不良を起こしているケースです。
長期的な飲酒は小腸での消化酵素の活性を低下させます。また、アルコール性膵炎による膵液の減少が原因で、小腸での水分や栄養素の吸収が妨げられ、未消化の食物が大腸に流れ込むことがあります。いわゆる消化不良の状態です。アルコールが十分に吸収されないまま体外に排出されるため、下痢になる場合があります。アルコールを継続して摂取し、頻繁に下痢になっているようであれば注意が必要です。

まとめ

公園でトレーニングする男性
二日酔いにはさまざまな要因が絡み合っており排便をしたから治るものではありませんが、不快なものを排出してすっきりする意味では要因の一つともいえます。

ですが排便は根本的な治療にはなりませんし、脱水症状・ミネラルバランスのくずれ・胃腸症状などの問題を一つひとつ解決していくことが、二日酔いの解消には必要です。

二日酔いにならないように心がけるのが重要ですが、仮になってしまった場合には胃腸症状などが慢性化しないように適切な対処を行うことを心がけましょう。

長く健康な生活を送るためには、自分の身体を労わりながらお酒と付き合うことが重要です。

この記事の監修医師

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