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悪玉(LDL)コレステロールの基準値は? 高いとどうなる? 改善のヒントを医師が解説

 公開日:2026/04/27
悪玉(LDL)コレステロールの基準値は?高いとどうなる?

健康診断でLDLコレステロールの数値を指摘されても、何が問題なのかよく分からないという方は少なくありません。LDL(低密度リポタンパク質)は「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、血管内で動脈硬化を進行させるリスクと深く関わっています。この記事では、LDLの仕組みと基準値を分かりやすく解説しながら、日常の食事や生活習慣でできる改善のヒントをお伝えします。

本多 洋介

監修医師
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

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群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

悪玉(LDL)コレステロールとは何か|基本的な仕組みと基準値

LDLコレステロールとは何かを正しく理解することが、改善への第一歩です。なぜ「悪玉」という不名誉な名前で呼ばれるのか、そして健康診断の数値が私たちの身体にとって何を意味するのかを深く把握することで、日々の食事改善へのモチベーションも高まります。

LDLコレステロールの役割とリスク

まず理解しておきたいのは、コレステロール自体は身体に不可欠な物質であるという点です。コレステロールは、全身の細胞を包む細胞膜の構成成分であり、性ホルモンや副腎皮質ホルモン、さらには脂肪の消化を助ける胆汁酸の材料となるなど、生命維持に欠かせない脂質の一種です。このコレステロールを血液中で運搬するために、タンパク質と結合した「リポタンパク質」という粒子が形成されます。LDLは、「低密度」の名の通り密度が低いリポタンパク質で、肝臓で作られたコレステロールを全身の末梢組織へ届ける「配送トラック」のような役割を担っています。

しかし、この配送トラック(LDL)が血液中に過剰になると問題が生じます。行き場を失ったLDLは、血管の内壁(血管内皮)に侵入しやすくなります。血管壁に入り込んだLDLは、活性酸素などによって酸化され、「酸化LDL」へと変性します。この酸化LDLを身体の免疫細胞であるマクロファージが異物と認識して取り込み、「泡沫細胞」となります。泡沫細胞が血管壁に蓄積することで、アテローム性プラーク(粥状の塊)が形成され、血管が内側から狭く硬くなる「動脈硬化」が進行します。プラークが破れると血栓ができ、心臓の血管を塞げば心筋梗塞、脳の血管を塞げば脳梗塞を引き起こすため、LDLは「悪玉」と呼ばれるようになったのです。

一方、HDL(高密度リポタンパク質)は、全身の余分なコレステロールを回収して肝臓へ戻す「回収トラック」の役割を果たします。この働きから「善玉コレステロール」と呼ばれています。したがって、単にLDLの数値を下げるだけでなく、LDLとHDLのバランスを良好に保つことが、血管の健康を維持する上で極めて重要といえます。

LDLの基準値と異常値の目安

日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」では、LDLコレステロールの基準範囲を以下のように定めています。

・正常値:120mg/dL未満
・境界域高LDLコレステロール血症:120~139mg/dL
・高LDLコレステロール血症:140mg/dL以上

140mg/dL以上になると、脂質異常症と診断され、生活習慣の改善や治療の検討が必要となる可能性があります。

ただし、この基準値はあくまでスクリーニング(ふるい分け)のための一般的な目安です。実際のリスク管理では、個々の健康状態が考慮されます。例えば、糖尿病、慢性腎臓病、高血圧、喫煙習慣がある方や、既に心筋梗塞や脳梗塞を経験した方は、動脈硬化のリスクが非常に高いため、より厳しい管理目標値(例:100mg/dL未満や70mg/dL未満など)が設定されます。単純に数字だけで一喜一憂するのではなく、必ず医師と相談し、ご自身の状況に合った個別の目標値を確認することが重要です。数値が気になる方は、まずはかかりつけの内科や循環器内科で相談し、正確なリスク評価を受けることをお勧めします。

まとめ

悪玉コレステロール(LDL)の改善には、食物繊維・良質な脂質・大豆製品などの食品選択と、飽和脂肪酸・トランス脂肪酸の摂取を控えることが基本となります。薬を使わずに改善できるケースもありますが、自己判断は危険を伴うため、必ず医師との相談を経て判断することが大切です。おやつも工夫次第でLDL管理の味方になります。まずはかかりつけの内科・循環器内科で数値を確認し、自分に合った対策を始めてみてください。

この記事の監修医師