『帯状疱疹』は“72時間以内”が勝負? 慢性化を防ぐ3つの対策と薬【大人の健康】

帯状疱疹の痛みは一時的なものだけでなく、長期間続くこともあります。特に帯状疱疹後神経痛は生活の質に大きく影響するため注意が必要です。急性期の痛みとの違いを理解し、適切に対応することが重要です。ここでは慢性化のリスクと予防策について解説します。

監修医師:
高藤 円香(医師)
ピリピリした痛みと帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹の急性期の痛みと、その後に残る可能性のある帯状疱疹後神経痛には、重要な違いがあります。この違いを理解することで、適切な対応が可能になります。
急性期の痛みと慢性痛の違い
帯状疱疹の急性期に感じるピリピリした痛みは、ウイルスの活動と炎症による一時的な痛みです。適切な治療によって、多くの場合は皮膚症状の改善とともに軽減していきます。一方、帯状疱疹後神経痛は、一般的に『発疹が出てから3ヶ月以上経過しても残っている痛み』と定義されます。この痛みは、急性期にウイルスによって受けた神経の損傷が十分に回復せず、神経の機能異常が残ることで生じます。急性期の痛みが炎症性の要素を持つのに対し、帯状疱疹後神経痛は神経障害性疼痛としての性質が強く、治療アプローチも異なってきます。痛みの質も変化することがあり、持続的な焼けるような痛み、電気が走るような痛み、軽い刺激でも強い痛みを感じる異痛症などが特徴的です。
慢性化を防ぐための予防策
帯状疱疹後神経痛への移行を防ぐためには、いくつかの重要な予防策があります。最も効果的とされるのは、初期症状の段階での早期治療開始です。皮膚症状が出現してから72時間以内の抗ウイルス薬投与が、慢性化リスクを低減する可能性があります。高齢の方や強い痛みを伴う場合には、急性期から積極的な疼痛管理を行うことが推奨されます。神経ブロック療法や神経障害性疼痛治療薬の早期導入が検討されることもあります。また、予防接種によって帯状疱疹の発症自体を予防する、あるいは発症しても軽症で済む可能性を高めることも、結果的に帯状疱疹後神経痛のリスク軽減につながります。50歳以上の方を対象とした帯状疱疹ワクチンが利用可能であり、医師との相談のうえで接種を検討することができます。
まとめ
帯状疱疹の初期症状は、ピリピリとした痛みから始まり、その後に特徴的な赤い斑点が現れるという経過をたどります。これらの症状を早期に認識し、速やかに医療機関を受診することで、重症化や帯状疱疹後神経痛といった後遺症のリスクを軽減できる可能性があります。特に50歳以上の方や免疫機能が低下している方は、初期症状に注意を払い、疑わしい症状があれば早めに専門の医師に相談することをおすすめします。
参考文献