「片足の腫れ・痛み」は危険信号?深部静脈血栓症を疑うサインと適切な初期対応

深部静脈血栓症を疑うサインに気づいた場合、適切な初期対応と受診のタイミングを知っておくことが重要です。誤った対処をすると血栓を動かしてしまい、肺塞栓症のリスクを高める可能性があります。避けるべき行動や受診すべき診療科の目安、診断に用いられる検査方法について、正しい知識をお伝えします。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
深部静脈血栓症が疑われるときの対応
深部静脈血栓症を疑うサインに気づいた場合、適切な初期対応と受診のタイミングを知っておくことが重要です。誤った対処をすると血栓を動かしてしまい、肺塞栓症のリスクを高める可能性があるため、正しい知識を持っておく必要があります。
避けるべき行動
深部静脈血栓症が疑われる場合、患部を強く揉んだりマッサージをしたりすることは避けるべきです。血栓が剥がれて血流に乗り、肺に運ばれてしまう危険性があるためです。また、無理に運動をしたり、長時間立ち続けることも推奨されません。安静を保ちつつ、可能であれば足を心臓より高い位置に上げて横になると、静脈還流が改善され症状が軽減することがあります。
受診すべき診療科と緊急性の判断
深部静脈血栓症が疑われる場合は、循環器内科または血管外科を受診するのが適切です。総合病院や大学病院では血栓症専門外来を設けているところもあります。受診のタイミングとしては、片足の腫れや痛みが急激に現れた場合、歩行困難なほどの症状がある場合、皮膚の色が著しく変化している場合は、できるだけ早く受診することが望まれます。特に、息切れや胸痛、動悸といった呼吸器症状を伴う場合は、血栓が肺に達している可能性があるため、救急受診を検討する必要があります。
診断に用いられる検査方法
医療機関では、まず問診と身体診察によって症状の経過や発症状況を詳しく聞き取ります。その後、血液検査でDダイマーという物質を測定し、血栓形成の可能性を評価します。Dダイマーは血栓の成分であるフィブリンが分解される際に生じる物質で、高値の場合は血栓症の存在が疑われます。確定診断には超音波検査(エコー)が広く用いられており、静脈内の血栓の有無や位置、大きさを直接確認できます。必要に応じて、造影CTやMRIといった画像検査が追加されることもあります。これらの検査は痛みを伴わず、短時間で実施できるため、患者さんへの負担は比較的少ないといえます。
まとめ
深部静脈血栓症は、ふくらはぎの痛みや片足だけが腫れるといった特徴的なサインを見逃さないことで、早期発見が可能です。こうした症状に気づいた際には、自己判断でマッサージをしたり放置したりせず、速やかに医療機関を受診することが重要です。適切な診断と治療により、肺塞栓症といった重篤な合併症を予防し、後遺症のリスクを減らすことができます。日常生活では長時間の同一姿勢を避ける、十分な水分を摂取する、リスク要因を把握しておくといった予防対策を心がけることで、血栓形成のリスクを下げることができます。気になる症状がある場合は、循環器内科や血管外科を受診し、専門的な評価を受けることをおすすめします。
参考文献