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睡眠薬には複数種類があることをご存じですか? それぞれの副作用や認知症リスクを解説

 公開日:2026/04/21
睡眠薬には複数種類があることをご存じですか? それぞれの副作用や認知症リスクを解説

睡眠薬・睡眠導入剤には複数の種類があり、それぞれ作用の仕組みや認知症リスクとの関連性が異なります。国内で処方されるベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、オレキシン受容体拮抗薬、メラトニン受容体作動薬など、各薬剤が認知機能に与える影響について、現在わかっていることを詳しく解説します。

田頭 秀悟

監修医師
田頭 秀悟(たがしゅうオンラインクリニック)

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鳥取大学医学部卒業。「たがしゅうオンラインクリニック」院長 。脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門としている。また、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。日本神経学会神経内科専門医、日本東洋医学会専門医。

睡眠薬・睡眠導入剤の種類と認知症リスクの関係

睡眠薬や睡眠導入剤にはいくつかの種類があり、それぞれ作用機序や認知症リスクとの関連性が異なります。現在、国内で処方される睡眠薬は大きく分けてベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、オレキシン受容体拮抗薬、メラトニン受容体作動薬などがあります。これらの薬剤が認知機能に与える影響については、多くの研究が行われており、特定の種類において認知症リスクとの関連が示唆されています。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬と認知機能への影響

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、脳内のGABA受容体に作用し、神経の興奮を抑えることで催眠効果をもたらします。この種類の薬剤は即効性があり、不眠症状を速やかに改善する利点がある一方で、長期使用による認知機能への影響が複数の研究で報告されています。特に、記憶力や注意力、判断力といった認知機能の低下が懸念されており、高齢者においては転倒リスクの増加も指摘されています。フランスやカナダで行われた大規模な疫学研究の結果からベンゾジアゼピン系睡眠薬と認知症の関連が疑われたことがありました。ただし、これらの研究結果は因果関係を直接証明するものではなく、現在ではベンゾジアゼピン系睡眠薬が直接認知症を引き起こす明確な証拠はないとされています。また認知症の初期症状として不眠が現れやすいため、同研究の結果に関しては、不眠症状自体が認知症の初期兆候であった可能性も考慮する必要があります。そのため服薬を過度に恐れる必要はありませんが、漫然とした長期使用は避け、必要最小限の期間にとどめることが推奨されています。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の安全性プロファイル

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系と同様にGABA受容体(脳の興奮を鎮めリラックスさせるスイッチのような役割を持つ物質)に作用しますが、より選択的に作用するため、筋弛緩作用や記憶への影響が比較的少ないとされています。代表的な薬剤としてゾルピデムやゾピクロンなどがあり、入眠障害に対して処方されることが多い薬剤です。認知症リスクに関する研究では、ベンゾジアゼピン系ほど明確な関連性は報告されていないものの、長期使用による依存性や耐性形成のリスクは依然として存在します。また、高齢者においては翌朝への持ち越し効果や、夜間のふらつき、健忘症状などの副作用が現れることがあります。使用期間は2週間から4週間程度を目安とし、漫然とした長期使用は避けるべきです。認知機能への直接的な影響は限定的であっても、転倒による頭部外傷などの二次的なリスクを考慮すると、慎重な使用が求められます。

まとめ

睡眠薬や睡眠導入剤は、適切に使用すれば不眠症状の改善に有効な手段です。しかし、認知症リスクや依存性といった問題を理解し、長期使用を避けることが重要です。減薬は段階的かつ計画的に進め、非薬物療法を併用することで成功率が高まります。睡眠の質を長期的に維持するためには、生活習慣の改善と認知行動療法の実践が不可欠です。不安や疑問がある場合には、自己判断せず、必ず医師や専門家に相談してください。適切な知識とサポートにより、安全で質の高い睡眠を取り戻すことができます。

この記事の監修医師