気になる「ベンゼン」の影響は?日常生活で意識したい食品添加物の読み解き方

すべての食品添加物が同じリスクを持つわけではなく、摂取のされ方や研究結果によって健康影響の議論が続いているものも存在します。特に腸内環境や食品表示の観点から、消費者として押さえておきたい添加物があります。合成着色料や保存料など、種類別に具体的な成分名を挙げながら、日常の食品選びに役立つ視点をご紹介します。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
保有免許・資格
管理栄養士資格
避けるべき食品添加物──リスクが高いもの
すべての食品添加物が同じリスクを持つわけではありません。中には摂取のされ方や研究結果によって健康影響が議論されているもの、特定の体質の方に反応を引き起こすもの、子どもへの影響が心配されるものなどが存在します。ここでは特に腸内環境や表示の分かりやすさの観点から押さえておきたい添加物を具体的に紹介します。
合成着色料の中で警戒すべきもの
タール色素と呼ばれる合成着色料の中には、国や地域によって規制や評価の扱いが異なるものがあります。特に一部の合成着色料と保存料の組み合わせについては、子どもの活動性や注意への影響が研究されてきました。ただし、欧州食品安全機関(EFSA)は、いわゆるサウサンプトン研究について「一部の子どもで小さな影響がみられた可能性はあるが、証拠は限定的で一貫性も十分ではない」と評価しており、個々の添加物単独の影響を断定できる段階ではないとしています。
日本国内では使用基準のもとで認められている着色料がありますが、色の強い菓子類や飲料を日常的に多く摂る食習慣そのものは見直しの余地があります。感受性の違いも考えられるため、特に小さな子どもでは、着色料を多く含む食品への偏りを避け、摂取頻度全体を抑えるという視点が現実的です。菓子類、清涼飲料水、漬物、かまぼこなどの練り製品に多く使用されています。食品を選ぶ際は原材料表示を確認し、原材料表示が比較的シンプルなものや、着色の必要性が低い食品を優先するとよいでしょう。
保存料で気をつけたい成分
保存料の中でも、安息香酸ナトリウムとパラオキシ安息香酸エステル類(パラベン)は用途や摂取のされ方を理解しておきたい成分です。
安息香酸ナトリウムについては、飲料中でビタミンC(アスコルビン酸)などと組み合わさった際に、一定条件下でベンゼン生成が問題になった事例が海外で報告されています。清涼飲料水や栄養ドリンク、マーガリンなどに使用されることが多く、特にビタミンCを添加した飲料との組み合わせでリスクが高まります。
パラベンは化粧品にも使用される防腐剤で、食品分野では使用基準のもとで認められているものがあります。体内に蓄積しやすい性質があり、アレルギー反応を引き起こす方もいらっしゃいます。しょうゆやソース、清涼飲料水などに使用されていますが、近年は使用を避けるメーカーも増えてきています。保存料だけを単独で危険視するよりも、生鮮食品やシンプルな原材料の食品を増やすことが現実的な対策です。
まとめ
食品添加物と賢くつき合うためには、その実態を知り、表示を読み解き、日常的に添加物の少ない食品を選ぶ習慣が大切です。特に人工甘味料や一部乳化剤と腸内細菌叢との関係は研究が進んでいますが、現時点ではヒトでの影響はなお検討途上です。完璧を目指す必要はありませんが、できることから少しずつ実践していくことで、確実に健康状態は改善していきます。原材料表示を確認する、生鮮食品を中心に献立を考える、発酵食品や食物繊維を積極的に摂るといった小さな行動の積み重ねが、長期的には大きな違いを生み出します。もし食生活の改善に不安がある場合や、既に消化器症状などでお困りの場合は、消化器内科や栄養相談の専門家に相談されることをおすすめします。