目次 -INDEX-

  1. Medical DOC TOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 見た目だけではわからない「隠れ誤嚥」―医療機関ではどう評価する?

見た目だけではわからない「隠れ誤嚥」―医療機関ではどう評価する?

 公開日:2026/04/13
見た目だけではわからない「隠れ誤嚥」―医療機関ではどう評価する?

隠れ誤嚥は見た目だけでは判断が難しく、医療機関での検査が重要になります。嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査などにより、誤嚥の有無やタイミングを詳しく評価できます。本章では代表的な検査方法とその特徴を紹介し、受診の目安や評価の重要性について解説します。

松本 学

監修医師
松本 学(きだ呼吸器・リハビリクリニック)

プロフィールをもっと見る
兵庫医科大学医学部卒業 。専門は呼吸器外科・内科・呼吸器リハビリテーション科。現在は「きだ呼吸器・リハビリクリニック」院長。日本外科学会専門医。日本医師会認定産業医。

隠れ誤嚥を発見するための検査方法―医療機関での評価

隠れ誤嚥を確実に診断するためには、専門的な検査が必要です。医療機関で行われる主な評価方法を理解しておきましょう。

嚥下機能の評価方法

嚥下機能を評価する代表的な検査として、嚥下造影検査があります。これは造影剤を混ぜた食べ物や飲み物を摂取してもらい、X線で嚥下の様子を観察する検査です。食べ物が口から咽頭、食道へと移動する過程を動画で確認でき、誤嚥の有無や誤嚥のタイミング、誤嚥後の排出能力などを詳しく評価できます。

嚥下内視鏡検査は、鼻から細い内視鏡を挿入し、咽頭や喉頭の状態を直接観察する方法です。実際に食べ物や飲み物を摂取してもらいながら、嚥下の動きや、食べ物が残留していないか、誤嚥していないかを確認します。嚥下造影検査よりも簡便に実施でき、ベッドサイドでも行えるという利点があります。

水飲みテストや反復唾液嚥下テストなど、簡易的なスクリーニング検査もあります。水飲みテストでは、少量の水を飲んでもらい、むせの有無や飲み込みにかかる時間を評価します。反復唾液嚥下テストでは、30秒間に何回唾液を飲み込めるかを測定し、嚥下機能の目安とします。

総合的な評価の重要性

隠れ誤嚥の診断には、検査結果だけでなく、日常生活での様子や既往歴、服用している薬剤なども含めた総合的な評価が必要です。栄養状態や口腔内の状態、呼吸機能、認知機能なども合わせて評価することで、適切な対策を立てることができます。

胸部X線検査やCT検査で肺の状態を確認することも重要です。肺炎の有無や、過去の肺炎の痕跡、肺の構造的な異常などを評価します。血液検査では、炎症反応や栄養状態、脱水の程度などを確認できます。

嚥下機能の評価は、医師だけでなく、言語聴覚士、歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士など多職種が協力して行うことが理想的です。それぞれの専門的な視点から評価し、総合的な対策を立てることで、より効果的な予防や治療が可能になります。

まとめ

誤嚥性肺炎は、早期発見と適切な対処により予防できる疾患です。日常生活での小さな変化に気づき、専門家のサポートを受けながら嚥下機能を維持していくことが、健やかな生活を送るための鍵となります。食事は生活の楽しみの一つでもありますので、安全においしく食べられる工夫を続けていきましょう。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、適切な評価と指導を受けることをおすすめします。

この記事の監修医師

注目記事