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「機能性ディスペプシア」を招く生活習慣とは? 胃の不快感を鎮める3つの方法を医師が解説

 公開日:2026/03/24
胃に優しい食事の工夫

症状を和らげるためには、食材選びだけでなく、食べ方や食事のタイミングにも配慮が必要です。よく噛んでゆっくり食べること、適度な温度の食事を摂ることなど、日常で取り入れやすい工夫があります。また、ストレスによる自律神経の乱れや心理的な負担も、胃の機能に影響を与えることが知られています。ここでは、食事の工夫とストレスの関係について解説します。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

日常生活でできるストレス対処法

機能性ディスペプシアの症状を軽減するためには、日常生活でストレスを適切に管理することが欠かせません。ストレスを完全になくすことは難しいですが、ストレスに対する反応を和らげる方法を身につけることで、症状の悪化を防ぐことができます。

リラクゼーション法の実践

リラクゼーション法は、心身の緊張をほぐし、副交感神経を優位にする効果があります。代表的な方法として、深呼吸、漸進的筋弛緩法、瞑想、ヨガなどがあります。
深呼吸は、いつでもどこでも実践できる簡単な方法です。鼻からゆっくりと息を吸い込み、お腹を膨らませるように意識します。その後、口からゆっくりと息を吐き出します。これを数回繰り返すだけで、心拍数が落ち着き、リラックス効果が得られます。
漸進的筋弛緩法は、身体の各部位に力を入れてから一気に脱力することで、筋肉の緊張をほぐす方法です。肩や腕、足など、順番に行うことで、全身のリラックスが促されます。
ヨガやストレッチも、身体を動かしながらリラックスできる方法です。適度な運動は血流を改善し、自律神経のバランスを整える効果があります。激しい運動は逆効果になることもあるため、ゆったりとしたペースで行うことが大切です。

生活習慣の見直しとストレス管理

生活習慣の見直しは、ストレス管理において基本となります。十分な睡眠を確保することは、心身の回復に欠かせません。睡眠不足は自律神経の乱れを招き、ストレスへの耐性を低下させます。一般的には 7〜8 時間程度の睡眠が目安とされますが、自分にとって十分と感じられる睡眠時間を確保し、規則正しい生活リズムを心がけましょう。
適度な運動もストレス解消に効果的です。ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなどの有酸素運動は、セロトニンやエンドルフィンといった幸福感をもたらすホルモンの分泌を促します。運動は週に3〜4回、20〜30分程度を目安に行うとよいでしょう。
趣味や娯楽の時間を持つことも、ストレス管理に役立ちます。自分の好きなことに没頭する時間は、心の余裕を生み出し、日々のストレスから解放されるひとときとなります。読書や音楽鑑賞、手芸、ガーデニングなど、自分に合った活動を見つけることが大切です。
人との交流もストレス軽減に寄与します。家族や友人と話をすることで、悩みや不安を共有でき、気持ちが楽になることがあります。孤独感はストレスを増幅させるため、定期的に人と会う機会を持つことを意識しましょう。

ストレスと食事の相互作用

ストレスと食事は、互いに影響し合う関係にあります。ストレスが食欲や食事内容に影響を与える一方、食事の質や量がストレスレベルに影響を与えることもあります。

ストレスによる食欲の変化

ストレスを感じると、食欲が変化することがあります。食欲が増す方もいれば、逆に食欲が低下する方もいます。食欲が増す場合、特に甘いものや脂質の多い食品を求める傾向があります。これは、ストレスによって脳が快楽物質を求めるためです。
しかし、このような食事は一時的な満足感をもたらすものの、胃に負担をかけ、機能性ディスペプシアの症状を悪化させる可能性があります。また、血糖値の急激な変動を引き起こし、気分の浮き沈みやイライラを招くこともあります。
一方、ストレスによって食欲が低下する場合、栄養不足や体力の低下につながります。空腹時にみぞおちの痛みや不快感を感じる方もいるため、無理な欠食は避けた方がよいでしょう。

栄養バランスとストレス耐性

栄養バランスの取れた食事は、ストレスへの耐性を高めます。特定の栄養素が不足すると、疲労感やイライラが増し、ストレスに対する抵抗力が低下します。
ビタミンB群は、神経機能の維持やエネルギー代謝に関わる重要な栄養素です。不足すると疲労感や集中力の低下を招きます。豚肉や大豆製品、卵、緑黄色野菜などに多く含まれています。
ビタミンCは、ストレスに対抗するホルモンの合成に必要です。果物や野菜から摂取できますが、加熱によって失われやすいため、生で食べられるものや短時間で調理できるものを選ぶとよいでしょう。
マグネシウムやカルシウムなどのミネラルも、神経の興奮を抑え、リラックス効果をもたらします。海藻類やナッツ類、乳製品などに含まれています。
タンパク質は、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の材料となります。これらの物質は気分や感情の安定に関わっており、不足するとうつ症状や不安感が強まることがあります。魚や肉、大豆製品などから適度に摂取することが大切です。

まとめ

機能性ディスペプシアは、胃の機能的な問題により起こる症状であり、食事内容や食べ方、ストレスの管理が症状の改善に大きく関わります。脂質の多い食品や刺激物を避け、消化しやすい食材を選ぶこと、少量頻回食を心がけること、ストレスを適切に管理することが重要です。また、規則正しい生活リズムを保ち、十分な睡眠を確保することで、自律神経のバランスが整い、症状の軽減につながります。症状が長引く場合や日常生活に支障をきたす場合には、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

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