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「骨粗鬆症」の食事療法では何を控えるべき?骨の健康を守る栄養バランスの整え方

 公開日:2026/03/24
「骨粗鬆症」の食事療法では何を控えるべき?骨の健康を守る栄養バランスの整え方

骨粗鬆症の予防や治療では、食事内容の見直しが欠かせません。カルシウムの吸収を妨げる栄養素や、骨からのカルシウム流出を促進する成分を含む食品があるため、摂取量と調理法に配慮が必要です。完全に避けるのではなく、適切な量と調理の工夫により、栄養バランスを保ちながら骨の健康を守ることができます。ここでは、骨粗鬆症において注意が必要な食品と、その対処法について解説します。

松繁 治

監修医師
松繁 治(医師)

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経歴
岡山大学医学部卒業 / 現在は新東京病院勤務 / 専門は整形外科、脊椎外科
主な研究内容・論文
ガイドワイヤーを用いない経皮的椎弓根スクリュー(PPS)刺入法とその長期成績
著書
保有免許・資格
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医
日本脊椎脊髄病学会認定 脊椎脊髄外科指導医
日本整形外科学会認定 脊椎内視鏡下手術・技術認定医

骨粗鬆症で控えるべき食品の基本

骨粗鬆症の予防や治療において、食事内容の見直しは重要な要素となります。栄養素は、カルシウムの吸収を妨げたり、骨からのカルシウム流出を促進したりする可能性があるため、摂取量と調理法の工夫が必要です。

カルシウム吸収を阻害する食品

カルシウムは骨の主要な構成成分ですが、その吸収は食事の内容によって大きく左右されます。シュウ酸を多く含むほうれん草やたけのこは、カルシウムと結合して吸収が少なくなる性質があります。これらの食品を食べる際は、茹でてアク抜きをすることでシュウ酸の量を減らすことができます。また、フィチン酸を含む玄米や全粒穀物も、過剰に摂取するとカルシウムの吸収が低下する可能性があります。ただし、これらの食品には食物繊維やビタミンなど有益な栄養素も含まれているため、完全に避けるのではなく、適量を心がけることが大切です。調理法を工夫し、カルシウムを多く含む食品と組み合わせることで、栄養バランスを保ちながら骨の健康を守ることができます。

リン酸の過剰摂取に注意が必要な食品

リンは骨の形成に必要なミネラルですが、過剰に摂取するとカルシウムの吸収が阻害され、骨からカルシウムが流出しやすくなります。加工食品や清涼飲料水には、保存料や品質改良剤としてリン酸塩が添加されていることが多く、知らず知らずのうちに摂取過多になる可能性があります。インスタント食品、ハム、ソーセージなどの加工肉、スナック菓子、炭酸飲料などは、リン酸塩の含有量が高い傾向にあります。日本人の食事摂取基準では、成人のリンの目安量は1日あたり1000mg程度とされていますが、加工食品を頻繁に摂取する食生活では、この量を大きく上回る可能性があります。骨粗鬆症の方やリスクが高い方は、食品の原材料表示を確認し、リン酸塩の添加が少ない食品を選ぶよう心がけることが望ましいでしょう。

まとめ

骨粗鬆症の予防と管理において、タンパク質は重要な栄養素の一つです。骨はカルシウムだけでできているわけではなく、約30%はコラーゲンなどのタンパク質からなる骨基質で構成されています。タンパク質が不足すると骨形成が低下し、骨密度の維持が難しくなる可能性があります。また、十分なタンパク質摂取は筋肉量の維持にも関わり、転倒予防にも役立つと考えられています。一方で、極端に高タンパクな食事はカルシウム排泄を増やす可能性が指摘されていますが、通常の摂取範囲であれば骨に悪影響は少ないとされています。骨粗鬆症予防には、肉・魚・大豆製品・乳製品などから適量のタンパク質をバランスよく摂取することが大切です。
また、カルシウム吸収を妨げる食品や塩分、アルコール、カフェインの過剰摂取に注意し、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、マグネシウムなどの栄養素をバランス良く摂取することが大切です。バナナをはじめとする食材を上手に活用し、適度な運動と転倒予防対策を組み合わせることで、骨密度の維持が期待できます。個人の健康状態や既往症によって適切な対策は異なるため、気になる症状がある方や骨粗鬆症のリスクが高い方は、整形外科や内分泌内科などの専門医療機関を受診し、定期的な骨密度測定と適切な指導を受けることをおすすめします。

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