胸の痛みが片側だけなら『肋間神経痛』? 知っておきたいサインを医師が解説

肋間神経痛の大きな特徴として、通常は身体の左右どちらか片側に起こることが挙げられます。痛みの左右差は、原因となる神経の圧迫や炎症がどちら側で起きているかによって決まります。左側に痛みがある場合、心臓の病気ではないかと心配される方もいますが、肋間神経痛は左右を問わず発生するため、痛みの位置だけで病気を判断することはできません。ここでは片側性の痛みが多い理由と、まれに両側に痛みが出るケースについて説明します。

監修医師:
松繁 治(医師)
岡山大学医学部卒業 / 現在は新東京病院勤務 / 専門は整形外科、脊椎外科
主な研究内容・論文
ガイドワイヤーを用いない経皮的椎弓根スクリュー(PPS)刺入法とその長期成績
著書
保有免許・資格
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医
日本脊椎脊髄病学会認定 脊椎脊髄外科指導医
日本整形外科学会認定 脊椎内視鏡下手術・技術認定医
目次 -INDEX-
左右どちらに痛みが出るか
肋間神経痛は通常、体の左右どちらか片側に起こるのが大きな特徴です。もし両側に痛みがある場合は、単なる神経痛ではなく、背骨の重篤な病気や内臓疾患の可能性があるため、より注意が必要です。
痛みの左右差は、原因となる神経の圧迫や炎症がどちら側で起きているかによって決まります。左側に痛みがある場合、心臓の病気ではないかと心配される方もいますが、肋間神経痛は左右を問わず発生するため、痛みの位置だけで病気を判断することはできません。
片側性の痛みが多い理由
肋間神経は左右それぞれ独立して走行しているため、神経の刺激や圧迫が片側だけで起こると、痛みも片側に限定されます。たとえば、椎間板ヘルニアや脊椎の変形によって一方の神経根が圧迫される場合、その側の肋間神経痛として症状が現れます。また、帯状疱疹ウイルスによる神経炎も片側性の痛みを引き起こす代表的な原因です。帯状疱疹では皮膚に水疱が出る前から神経痛が始まることがあり、初期には原因が特定しにくいこともあります。片側性の痛みが続く場合は、神経の走行に沿った異常を疑い、早めに医療機関を受診することが望ましいでしょう。
両側に痛みが出るケース
肋間神経痛は片側性が一般的ですが、まれに両側に痛みが生じることもあります。両側性の痛みが現れる背景には、全身性の疾患や脊椎全体に影響を及ぼす病変が関与している可能性があります。たとえば、脊椎の広範な変形や巨大な椎間板ヘルニア、脊椎の腫瘍などが両側の神経根を同時に圧迫する場合、左右両方に痛みが広がることがあります。また、肋骨骨折が複数箇所にわたる場合や、胸郭の変形が強い場合にも、両側に症状が出ることがあります。両側性の痛みは単純な肋間神経痛以外の疾患を示唆することもあるため、詳しい検査が必要です。
まとめ
肋間神経痛は肋骨に沿って走る神経が刺激されることで生じる痛みで、胸部や脇腹に帯状の鋭い痛みが現れるのが特徴です。痛みは片側に限定されることが多く、呼吸や体をひねる動作で増強します。心臓疾患との見分け方としては、痛みの性質や部位、随伴症状を注意深く観察することが重要です。胸痛に加えて呼吸困難や冷や汗などの全身症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。肋間神経痛が疑われる場合でも、痛みが長引く場合や生活に支障をきたす場合は、専門医による診察を受け、適切な治療を受けることが大切です。
参考文献