「抗がん剤の副作用」の中で重篤な副作用はどんな症状?【医師監修】

頻度は低いものの、心機能障害や神経障害など重篤な副作用が現れることもあります。特に末梢神経障害は日常生活に支障をきたす場合があり、早期発見と適切な対処が大切です。アレルギー反応についても、軽度のものから重症化するケースまで、その兆候と対応を理解しておきましょう。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
目次 -INDEX-
重篤な副作用とその管理
抗がん剤の中には、頻度は低いものの重篤な副作用を引き起こす可能性があるものもあります。心機能障害、腎機能障害、肝機能障害、間質性肺炎、重度のアレルギー反応などがこれに該当し、定期的な検査と注意深い観察が必要です。
神経障害への対策
末梢神経障害は特定の抗がん剤(白金製剤、タキサン系など)で現れやすい副作用です。手足のしびれ、ピリピリした感覚、冷たいものに触れると痛みを感じる(冷感過敏)、ボタンがかけにくい、箸が使いにくいといった症状が見られます。症状は治療の経過とともに進行することがあり、日常生活に支障をきたす場合には薬剤の減量や休薬が検討されます。
神経障害に対しては、ビタミンB12や葉酸の補給、神経痛に用いられる薬剤の使用などが試みられますが、完全に予防することは困難です。治療終了後、多くの場合で症状は徐々に改善しますが、完全に回復するまでに数ヶ月から数年かかることもあります。症状が強い場合には、リハビリテーションや作業療法が役立つこともあります。
アレルギー反応と過敏症
抗がん剤投与中に起こるアレルギー反応や過敏症は、軽度のものから生命を脅かす重篤なものまであります。軽度の場合は皮膚の発赤、かゆみ、軽い息苦しさなどで、重症化すると血圧低下、呼吸困難、意識障害を伴うアナフィラキシーショックに至ることがあります。
特定の薬剤(タキサン系、白金製剤など)では過敏症のリスクが知られており、初回投与時や投与回数が増えた後に起こることがあります。投与前には抗ヒスタミン薬やステロイド薬を予防的に使用し、投与中は医療スタッフが注意深く観察します。万一、過敏症が起きた場合には直ちに投与を中止し、緊急処置が行われます。過去に過敏症を起こした薬剤は原則として再使用せず、代替薬が選択されます。
まとめ
抗がん剤治療は、がんと向き合うための重要な選択肢です。治療には副作用が伴いますが、適切な知識と対処法を持つことで、多くの副作用は軽減できます。脱毛や食事の制限など生活に影響する面もありますが、これらは一時的なものであり、治療終了後には回復が期待できます。わからないことや不安なことがあれば、遠慮せずに医療スタッフに相談し、自分に合った治療とケアを受けることが大切です。定期的な受診と検査を通じて、安全に治療を進めていきましょう。