「抗がん剤の副作用」が現れたらどのように対処するの?【医師監修】

副作用は投与直後から現れる早期のものと、数週間後に現れる遅発性のものがあります。感染予防のための日常生活の工夫や、消化器症状への実際的な対応方法について具体的にお伝えします。症状に応じた適切なケアを知ることで、治療中の生活の質を保つことができるでしょう。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
目次 -INDEX-
副作用の時期と対処方法
抗がん剤の副作用は出現する時期によって大きく分けられます。投与直後から数日以内に現れる早期副作用と、数週間から数ヶ月後に現れる遅発性副作用があり、それぞれに適した対処法が必要です。
感染予防と日常生活の注意点
白血球減少時には感染症のリスクが高まるため、日常生活での感染予防が重要です。手洗いとうがいをこまめに行い、人混みを避けること、マスクの着用、生ものを控えることなどが推奨されます。発熱(多くの場合37.5度以上)は感染症のサインである可能性があるため、すぐに医療機関に連絡する必要があります。
貧血による倦怠感が強い場合には、無理をせず休息を取ることが大切です。起き上がるときはゆっくりと動き、立ちくらみやめまいに注意します。血小板減少時には出血のリスクがあるため、転倒や打撲に注意し、硬い歯ブラシの使用を避ける、強く鼻をかまないといった配慮が必要です。これらの血球減少は一時的なもので、治療の休止期間に回復することがほとんどです。
消化器症状への実際的な対応
吐き気がある場合には、一度に多くを食べず、少量ずつ頻回に摂取することが勧められます。冷たいもの、酸味の少ないもの、においの強くないものが食べやすいとされています。吐き気を感じたら無理に食べず、落ち着いてから少しずつ水分を取るようにします。処方された制吐剤は決められたタイミングで服用し、効果が不十分な場合は医師に相談して調整してもらうことが大切です。
口内炎がある場合には、柔らかく刺激の少ない食事を選び、熱いもの、辛いもの、酸っぱいものは避けます。食後は優しくうがいをして口腔内を清潔に保ちます。痛みが強い場合には、医師に相談して鎮痛薬や口腔用の軟膏を処方してもらうこともできます。下痢が続く場合には脱水を防ぐため水分補給を心がけ、症状が強い場合は下痢止めの使用について医師に相談します。
まとめ
抗がん剤治療は、がんと向き合うための重要な選択肢です。治療には副作用が伴いますが、適切な知識と対処法を持つことで、多くの副作用は軽減できます。脱毛や食事の制限など生活に影響する面もありますが、これらは一時的なものであり、治療終了後には回復が期待できます。わからないことや不安なことがあれば、遠慮せずに医療スタッフに相談し、自分に合った治療とケアを受けることが大切です。定期的な受診と検査を通じて、安全に治療を進めていきましょう。