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「大腸がん」「膵臓がん」「白血病」にはどんな「抗がん剤」が使われるかご存知ですか?

 公開日:2026/03/15

同じがんでも病期や遺伝子変異によって使用される薬剤は異なります。固形がんでは手術や放射線治療と組み合わせた集学的治療が行われ、血液がんでは抗がん剤が主要な治療手段となります。それぞれのがんに対する標準的な治療戦略を、具体例を交えながらご紹介します。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

がんの種類別に使われる抗がん剤

抗がん剤の選択は、がんの種類によって大きく異なります。それぞれのがんには特徴的な遺伝子変異や分子の発現パターンがあり、それに応じて効果が期待できる薬剤が選ばれます。

固形がんに対する標準的な治療

同じがん腫でも、病期や遺伝子変異、全身状態によって治療目的や使用する治療計画書が変わります。腫瘍内科医を中心に、多職種チームで治療方針が検討されますが、固形がんと呼ばれる臓器に発生するがんは、手術、放射線治療、化学療法の3つを組み合わせた集学的治療が行われることが多いとされています。化学療法の役割は、術前に腫瘍を縮小させて手術の成功率を高めること、術後の微小転移を抑制して再発を防ぐこと、手術や放射線治療が困難な進行がんの増殖を抑えることなどです。
大腸がんでは、FOLFOX療法やFOLFIRI療法といった複数の薬剤を組み合わせた治療法が標準的に用いられます。また、特定の遺伝子変異が確認された場合には、分子標的薬を併用することで効果の向上が期待されます。胃がんではシスプラチンやオキサリプラチンといった白金製剤を含む併用療法が選択され、HER2陽性の場合には分子標的薬が追加されることもあります。
膵臓がんは早期発見が難しく、発見時には進行していることも少なくありません。このため化学療法が主要な治療選択肢となることが多く、ゲムシタビンを基本とした治療や、複数の薬剤を組み合わせたFOLFIRINOX療法などが検討されます。

血液がんの治療戦略

白血病やリンパ腫などの血液がんでは、抗がん剤治療が主要な治療手段となります。急性白血病では寛解導入療法として強力な多剤併用療法が行われ、完全寛解を目指します。その後、地固め療法や維持療法を経て、長期的な寛解の維持を図ります。慢性骨髄性白血病では分子標的薬であるチロシンキナーゼ阻害薬が劇的な効果を示し、長期生存が期待できるようになりました。
悪性リンパ腫にはホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫があり、さらに非ホジキンリンパ腫は多くのサブタイプに分類されます。それぞれのタイプに応じて異なる治療レジメン(治療計画)が選択され、CHOP療法やR-CHOP療法などが代表的です。多発性骨髄腫では、プロテアソーム阻害薬や免疫調節薬といった新しい薬剤の登場により、治療成績が向上してきています。

まとめ

抗がん剤治療は、がんと向き合うための重要な選択肢です。治療には副作用が伴いますが、適切な知識と対処法を持つことで、多くの副作用は軽減できます。脱毛や食事の制限など生活に影響する面もありますが、これらは一時的なものであり、治療終了後には回復が期待できます。わからないことや不安なことがあれば、遠慮せずに医療スタッフに相談し、自分に合った治療とケアを受けることが大切です。定期的な受診と検査を通じて、安全に治療を進めていきましょう。

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