「抗がん剤」治療中に注意すべき「食品」はご存知ですか?【医師監修】

免疫機能が低下する治療中は、食品由来の感染症に注意が必要です。生の食品や加熱不十分なものは避け、グレープフルーツなど特定の薬剤と相互作用を起こす食品についても理解しておきましょう。アルコールやカフェインの摂取についても、安全な治療のための注意点を解説します。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
抗がん剤治療中に注意すべき食品
抗がん剤治療中は免疫機能が低下するため、食中毒などの感染症に対する注意が必要です。特に白血球が減少している時期(好中球減少期)には、食品由来の細菌やウイルスに感染するリスクが高まります。このため、生の食品や加熱が不十分な食品は避けることが推奨されます。
グレープフルーツと薬の相互作用
グレープフルーツ(果実およびジュース)は、一部の抗がん剤や他の薬剤との相互作用が知られています。グレープフルーツに含まれる成分が、薬物を代謝する酵素の働きを阻害するため、薬剤の血中濃度が上昇し、副作用が強く出る可能性があります。すべての抗がん剤がグレープフルーツと相互作用を起こすわけではありませんが、念のため避けることが望ましいとされています。
同様の作用を持つ柑橘類として、スウィーティー、ダイダイ、夏みかんなども注意が必要な場合があります。一方、オレンジ、みかん、レモンなどは通常問題ないとされていますが、心配な場合は医師や薬剤師に確認すると安心です。薬との相互作用は、サプリメントや健康食品でも起こることがあるため、新たに摂取する場合には事前に相談することが重要です。
アルコールとカフェイン
アルコールは肝臓に負担をかけ、抗がん剤の代謝に影響を与える可能性があります。また、免疫機能を低下させたり、粘膜を刺激して口内炎を悪化させたりすることもあります。治療中は基本的にアルコールの摂取を控えることが推奨されます。どうしても飲みたい場合には、医師に相談して許可を得てから、少量にとどめるようにします。
カフェインについては、通常の摂取量であれば問題ないことが多いですが、過剰摂取は脱水を招いたり、睡眠を妨げたりする可能性があります。コーヒーや紅茶、緑茶などは適量を楽しむ程度にし、水分補給としては水や麦茶などカフェインを含まない飲料を中心にすることが望ましいでしょう。個別の状況によって異なるため、不安な点は医療スタッフに相談することをおすすめします。
まとめ
抗がん剤治療は、がんと向き合うための重要な選択肢です。治療には副作用が伴いますが、適切な知識と対処法を持つことで、多くの副作用は軽減できます。脱毛や食事の制限など生活に影響する面もありますが、これらは一時的なものであり、治療終了後には回復が期待できます。わからないことや不安なことがあれば、遠慮せずに医療スタッフに相談し、自分に合った治療とケアを受けることが大切です。定期的な受診と検査を通じて、安全に治療を進めていきましょう。