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『春バテ』と似た症状で気づけない「別の疾患」があるのをご存じですか?【医師解説】

 公開日:2026/04/06
『春バテ』と似た症状で気づけない「別の疾患」があるのをご存じですか?【医師解説】

春バテが疑われる場合、適切な検査を受けることで症状の原因を特定し、効果的な治療方針を立てることができます。医療機関では詳細な問診に加えて、自律神経機能検査や血液検査などを通じて、春バテと似た症状を示す他の疾患を除外していきます。症状の内容によっては複数の診療科での専門的な評価が必要になることもあります。ここでは春バテの診断に用いられる各種検査方法について、その目的や内容を詳しく解説します。

伊藤 有毅

監修医師
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)

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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医

春バテの検査方法

春バテが疑われる場合、適切な検査を受けることで、症状の原因を特定し、効果的な治療につなげることができます。

医療機関での診察と検査

春バテの診察では、まず詳細な問診が行われます。症状の内容、発症時期、持続期間、生活環境の変化、ストレスの有無などについて丁寧に聞き取りが行われます。睡眠状況や食欲、体重の変化、月経周期(女性の場合)なども重要な情報となります。

自律神経機能検査が実施されることがあります。心拍変動解析という方法では、心電図を記録しながら安静時と負荷時の心拍数の変化を測定し、自律神経のバランスを評価します。また、起立試験では、横になった状態から立ち上がったときの血圧と心拍数の変化を調べ、起立性調節障害の有無を確認します。

血液検査も重要な検査の一つです。貧血や甲状腺機能異常、肝機能障害、腎機能障害など、春バテと似た症状を引き起こす他の疾患を除外するために行われます。また、炎症反応や栄養状態、ホルモンバランスなども評価されます。

心理検査が行われることもあります。うつ病や不安障害といった精神疾患の可能性を評価するため、質問紙による検査が実施されます。これにより、精神科的な治療が必要かどうかを判断する材料となります。

専門的な検査と診療科

症状に応じて、複数の診療科での検査が必要になることがあります。内科では全身状態の評価と基本的な検査が行われます。一般的な血液検査や尿検査、胸部X線検査などにより、内臓の異常や感染症の有無を確認します。

神経内科では、めまいや頭痛が主症状の場合に詳しい検査が行われます。頭部MRIやCT検査により、脳の器質的な異常を除外します。また、脳波検査により、てんかんなどの神経疾患の可能性を評価することもあります。

心療内科や精神科では、精神症状が強い場合に専門的な評価が行われます。詳細な心理検査や面接により、うつ病や不安障害、適応障害などの診断が行われます。これらの疾患が診断された場合は、春バテとは異なる治療アプローチが必要になります。

婦人科では、女性特有のホルモン関連症状が疑われる場合に検査が行われます。月経不順や更年期症状が春バテの背景にある場合、ホルモン検査や超音波検査により、子宮や卵巣の状態を評価します。

耳鼻咽喉科では、めまいが主症状の場合に平衡機能検査が行われます。メニエール病や良性発作性頭位めまい症など、耳の疾患によるめまいを除外するために重要です。

まとめ

春バテは気候の変化や環境の変化によって自律神経が乱れることで起こる、春特有の不調です。前兆を見逃さず、早期に対処することで、症状の悪化を防ぐことができます。放置すると慢性化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があるため、症状が2週間以上続く場合や生活に支障が出ている場合は、医療機関への受診を検討することが大切です。生活習慣の改善を基本としながら、必要に応じて専門的な治療を受けることで、春を健やかに過ごすことができるでしょう。

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