透析は防げる!糖尿病性腎症から命を守る「2つの目標数値」と今日からできる予防法

糖尿病性腎症は、適切な予防策によって発症を遅らせたり、進行を抑えたりすることが十分に可能です。血糖値や血圧の管理、定期的な検査の受診など、日々の積み重ねが将来の腎臓の健康を左右します。ここでは、今日から実践できる具体的な予防方法について、わかりやすくご説明します。

監修医師:
井筒 琢磨(医師)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会
目次 -INDEX-
糖尿病性腎症を予防するための方法
糖尿病性腎症は、適切な予防策を講じることで発症を遅らせたり、進行を抑えたりすることが可能です。日々の取り組みが将来の健康を守ります。
血糖コントロールの重要性
糖尿病性腎症の予防において、血糖値を適切な範囲に保つことが何よりも重要です。HbA1cを7%未満に維持することで、腎症の発症リスクを大幅に減少させることができるとされています。血糖コントロールには、規則正しい食事、適度な運動、処方された薬の正確な服用が欠かせません。食事では炭水化物の摂取量に気をつけ、食物繊維を多く含む野菜や海藻類を積極的に取り入れることが推奨されます。運動は週に150分程度のウォーキングや水泳などの有酸素運動が効果的です。主治医や管理栄養士と相談しながら、自分に合った方法を見つけていきましょう。
血圧管理と定期検査
血圧を適切に管理することも、腎症の予防に大きく貢献します。目標血圧は130/80mmHg未満とされることが多く、降圧薬による治療が必要な場合もあります。特に、ACE阻害薬やARBと呼ばれる薬剤は、腎臓を保護する効果があるとされ、糖尿病性腎症の予防や進行抑制に用いられます。また、定期的に尿検査と血液検査を受けることで、腎機能の変化を早期に捉えることができます。症状が出る前の段階で異常を発見できれば、より効果的な対策を講じることができるでしょう。糖尿病の方は少なくとも年に1〜2回、腎機能の検査を受けることが望ましいといえます。
まとめ
糖尿病性腎症は、早期には症状が現れにくい一方で、進行すると透析が必要になる深刻な合併症です。しかし、血糖値や血圧の適切な管理、定期的な検査、そして生活習慣の改善によって、発症を予防したり進行を遅らせたりすることは十分に可能です。症状が出てからではなく、糖尿病と診断された時点から腎臓を守る取り組みを始めることが大切です。気になる症状がある方や、長期間糖尿病と付き合っている方は、ぜひ一度専門医に相談してみてください。
参考文献