透析原因の第1位!糖尿病性腎症の「驚きの発症データ」と悪化させる4つの悪習慣

糖尿病を持つ方のうち、どのくらいの割合で腎症を発症するのでしょうか。日本における発症率の現状や、どのような方がリスクが高いのかを知ることは、ご自身の状態を客観的に把握するうえで役立ちます。実際のデータをもとに、糖尿病性腎症の発症率とリスク要因について詳しく見ていきましょう。

監修医師:
井筒 琢磨(医師)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会
目次 -INDEX-
糖尿病性腎症の発症率
糖尿病性腎症の発症率は、糖尿病の種類や管理状況によって異なります。実際のデータを知ることで、自分のリスクを把握しやすくなるでしょう。
日本における発症率の現状
日本では、糖尿病患者さんの中で糖尿病性腎症を発症する方の割合は、2型糖尿病で約20〜30%、1型糖尿病で約30〜40%とされています。また、新規に透析治療を始める方の原因疾患として、糖尿病性腎症が長年にわたり第1位を占めてきました。近年では透析導入全体に占める糖尿病性腎症の割合はやや減少傾向にあるものの、依然として透析患者さんの約4割が糖尿病性腎症によるものだと報告されています。この背景には、糖尿病患者さんの増加や高齢化が関係していると考えられています。
発症リスクを高める要因
糖尿病性腎症の発症リスクは、血糖コントロールの状態に大きく左右されます。HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という指標が7%未満に保たれている方は、8%以上の方に比べて腎症の発症率が低いことが知られています。また、糖尿病の罹病期間が長いほど発症率は上昇します。さらに、高血圧や脂質異常症を合併している方、喫煙習慣のある方、肥満の方などは、腎症を発症しやすい傾向があります。こうしたリスク要因を複数持つ方は、特に注意深い管理が必要でしょう。
まとめ
糖尿病性腎症は、早期には症状が現れにくい一方で、進行すると透析が必要になる深刻な合併症です。しかし、血糖値や血圧の適切な管理、定期的な検査、そして生活習慣の改善によって、発症を予防したり進行を遅らせたりすることは十分に可能です。症状が出てからではなく、糖尿病と診断された時点から腎臓を守る取り組みを始めることが大切です。気になる症状がある方や、長期間糖尿病と付き合っている方は、ぜひ一度専門医に相談してみてください。
参考文献